うちのアパートは出入りがそこそこあって、引っ越す人も多い。
今度隣に引っ越してきた人が、駐車場のジムニー号のまん前にクルマを止めている。
フェアレディZの現行型、Z34だ。
小型スポーツカーが好きなオレではあるけれども、大排気量のスポーツカーだってもちろん嫌いではない。
というか、純粋に今販売される日本車で「スポーツカー」と言っていいのは、ロードスターとZくらいなもんだろう。
それは動力性能ももちろんだけど、スポーツカーらしいスタイリングも含めて、純粋なスポーツカーのオーラとでもいうべきものが出ているクルマとして。となるとGT-Rは純粋さという点でビミョー。
ZはFRなのもいい。
おれがクルマに興味を持ち始めた高校生の頃、駅の駐車場にシルバーのZ32がいつも停めてあって、毎日舐めるように見てた。
とにかく低くて、幅広で、流れるようなスタイリングがカッコよすぎて、やられてしまっていた。毎日こんなクルマが見られるなんて幸せだと思っていた。
17インチのエンケイレーシングS、柿本のマフラーで、いかにも走りそうな雰囲気があった。
Z32はスカイラインR32と並んで、おれがクルマ好きになるきっかけをつくった名車。
昔からカッコよさという点で、外車に真っ向勝負ができる日本車はZしかなかったと言ってもいい。
それはフェアレディがZを名乗り始めたS20の頃からずっと。
もちろん現行のZ34もいい。
あれだけ高価なクルマにもかかわらず、街なかで結構見る。
もちろん存在感が高いので、自然と目がいくせいもある。
前から見てもカッコイイけど、後ろもいい。フェンダーが広くてポルシェっぽい。
現行型はMT車として世界初のシンクロレブコントロールがついて、ヒール&トウの技術が不必要となった。まさに現代のスポーツカー。
ショートホイールベース化され、コーナーが楽しそう。
これはMTで乗らないと。
Z34はロードスターもいい。
ウエストラインがくびれてるので、Z33よりオープン向きのデザインだと思う。
開発時からロードスターを考えていたらしいことがうなずける。剛性や重量は言うまでもない。
お隣さんのZで残念な点が1つだけ。
それは色が白なこと。せっかくの艶やかなボディだから、無彩色ではなくスポーツカーらしい色がいいのに。
と思っていたら、どうやらお隣さんは歯医者らしい。
それなら白色でもしょうがないか。

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