肝臓学会総会の報告その@ダクラ/アスナの非著効者の耐性データと再治療
[肝臓関係]
5/19、5/20
幕張で行われた肝臓学会の総会の報告をちょこっと。
毎日ばたばたと忙しくて
メモも整理していないですし、
所詮素人ですから、きちんとした報告はできないのですが、、、
(言い訳ばかりです(^^;;)
私の気になったところの
概略だけでも、、、
1、武蔵野赤十字病院の泉先生の研究班からの報告(黒崎先生)
ダクラタスビル/アスナプレビルでの非著効者の耐性データ
の発表。
ざっくり言うと、3重変異以上が8割を超えていたと言う
驚愕な事実。(母数は431)NS5Aの耐性は、多種で複雑。
肝臓学会のガイドラインに書かれているように、
安易に再治療はすべきではない。
これは後で、もう少しきちんとまとめます。
2、ダクラタスビル/アスナプレビルのハーボニーでの再治療の結果
虎の門病院のデータと全国各地で行われていた再治療のデータが
全く異なっていました。
虎の門病院→75%のSVR
その他の各地の病院→せいぜい50%程度
これは、どういう事??
虎の門病院のはSVR12のデータです。
シメプレビルの著効率でさえ、テラプレビルの著効率よりはるかに低い著効率を
発表していた病院ですから、、、、。
パネルディスカッションで、
登壇されていた有名病院の先生方17人の中で、
ダクラタスビル/アスナプレビルでの非著効者のハーボニーでの再治療に
賛成する先生はどなたもいらっしゃらなかったです。
司会の先生が、
再確認して挙手を求めたのですが、挙手されたのは虎ノ門病院の先生だけでした。
また、最後に司会の先生が、
「耐性を測定しても、non SVRになるのですから、治癒率が高い治療薬を使うべき。
意見が別れましたが、再治療に関して、患者の了解ををきちんと得ることが必要」
という言葉が耳に残りました。
虎の門病院とその他の病院でのデータの違いにも驚きましたが、
各地で結構な数の再治療をやってしまっている事、
「本当に待てない患者なのだろうか?きちんと本人の了解を得ての治療だったのだろうか?」
と疑問を持ちました。
余談ですが
これに関して、ガイドラインが2つある事をお知らせしたいです。
一つは日本肝臓学会のガイドライン
http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c
もう一つは、ウイルス肝炎研究財団のHPに載っている熊田先生のガイドラインです。
それが、再治療について、 全く違う見解を書いています。
http://www.vhfj.or.jp/04.support/index.html
こういう事実もおかしくないですか!?
3、DAA製剤による著効と発がん
これは、まだまだ十分なデータはないようですが、
海外のデータによると、インターフェロンによるSVR後の発がんとインターフェロンフリー治療によるSVR後の発がんでは、どうやら、インターフェロンフリー治療後の方が発がん率が高いというデータがあるそうです。
母数も少ないので、まだきちんとしたエビデンスにはならないのでしょう。
ただ、有名な先生方が口々に仮説を立てて言われていたことが、
インターフェロンフリー治療で、急激にウイルスが消えると、免疫の再構築が行われる
その事が、発がんを引き起こす可能性があるのかもしれないと。
C型肝炎治療でB型肝炎の再活性化が問題になっていますが、これも同様の事ではないか?
と、コアな先生方がディスカッションされていました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《ひとりごと》
下の方のガイドラインを見た医者は、再治療をやってしまうのでしょうね。
患者も、正しい情報を得たいです。かかった医者によって、人生が狂ってしまっては、やりきれないです。
有名な先生の言葉で
「寿命は、医者選びで決まる」正にその通りだと思います。
ダクラタスビル/アスナプレビルでの非著効者の為の新薬治験はもうすぐ始まります。
また、泉先生の研究班の新たな発表も夏にはあるようです。
ダクラタスビル/アスナプレビルで治らなかった方は、
迷ったら、不安になりましたら、
患者会や信頼できる(←これが大事)拠点病院の肝疾患相談センターなど、
納得いくまで正しい情報を探して下さい。
また、内緒コメントにアドレス入れていただければ、わかる範囲でお返事させていただきます。
(お待たせしている方へ、申し訳ありません)
にほんブログ村

16