平成29年度改正化審法セミナーに行ってきました。
経済産業省が主催して6か所で開催されるのですが、大阪の開催日の3月22日は行けないので名古屋まで行ってきました。場所は地下鉄名港線六番町駅すぐの名古屋市工業研究所でした。
わが国では化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)において、新たに製造・輸入される化学物質に関する事前審査、上市後の化学物質のリスク評価を行って化学物質の規制等が行われています。
この通り、新たに化学物質を製造・輸入される化学物質については分解性・蓄積性・人健康・生態影響のデータを提出して国の事前審査を受ける必要があるわけですが、例外があって、年間10トン以下で高濃縮ではなく低生産の化学物質(低生産量新規)については分解性と蓄積性のデータのみでよく、年間1トン以下の「少量新規」の化学物質の場合は用途と予定数量等の資料提出のみでOKです。これは一の事業所における製造・輸入数量になりますが、一の新規化学物質の日本全国における製造・輸入量の合計が一定の数量上限を超える場合は数量確認をしてはならないとしています。要するに、多くの工場で少量ずつ生産して「少量新規」にしようとするのを防いでいます。その数量は「低生産量新規」が年間10トン、「少量新規」が年間1トンです。
今回の変更は数値は変わらないのですが、その基準が従来は「製造・輸入数量」だったのが、「環境排出量」に変更になります。用途に合わせて、製造・輸入数量に乗じる定数が決まっています。例えば芳香剤や消臭剤は全量環境に排出されるので「1」、接着剤や粘着剤は環境に排出される化学物質は少量なので「0.01」など決められています。この申し出は来年1月から適用となります。あと、少量新規については電子申出については従来年4回受付でしたが、年10回受付に変更します(書面申出は年4回のまま)。また光ディスクによる申出が可能となります(年4回受付)。
あと新規物質は上市後、化学物質の規制について、従来総合的なリスクが大きいものから「第一種特定化学物質」。「第二種特定化学物質」、「優先評価化学物質」、「一般化学物質」に分けられていました。しかし、近年。機能性が高い化学物質には、その反応性から著しく毒性が高いものが出現しているのですが、環境排出量が少ないため「優先評価化学物質」に該当しないものが出てきました。そこで新規化学物質の審査により、新たに著しい毒性が確認された者は「特定新規化学物質」に指定し、公示後は「特定一般化学物質」に指定されます。
最後に、昨年スイスのジュネーブで開催されたPOPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)の第8回締約国会議(COP8)で、デカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)と短鎖塩素化パラフィンの2物質が付属書A(廃絶(製造・使用の禁止))に追加されることが決定しました。日本でもこの2物質について、化審法での「第一種特定化学物質(製造・輸入許可制(原則禁止))」の追加指定、この2物質を使用した製品を輸入禁止製品に追加指定される改正政令が2月に公布、4月(製品輸入禁止は10月)に施行予定です。
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