今日の午前から昼過ぎにかけて、京都リサーチパークでの「chemSHERPA入門セミナー」に行ってきました。
製品に含有される化学物質を管理するには、材料から完成品に至るまでのサプライチェーンにおける製品含有化学物質の情報伝達が必要です。
しかし、前職で製品に含有される化学物質の情報伝達に関与していた私も感じたのですが、客先からのフォームはまちまちで、同じ材料や製品を納めているのにもかかわらず、納入先が違えばその都度、化学物質の情報伝達するための書類を作成しなければなりません。化学物質管理対応に必要なコストは大企業の平均で年2,579万円、中小企業で年223万円かかっており、これらのコストを減少させることは産業全体で有意義なことです。
情報伝達スキームの共通化はいくつかの団体で行われてきました。しかし、それもいくつかあって、例えば電器会社のP社とS社ではそのフォームが異なりましたし、自動車関連企業も独自のフォームを使用していました。今回、経済産業省が主体となり、みずほ情報総研が事務局となって3年がかりで新たな情報伝達スキーム「chemSHERPA」というものが開発されました。
今回は、参加者がパソコンを持ち寄って実際にchemSHERPAで成分情報ファイルを作成したり、組立メーカーで必要な、各材料メーカーから送られてきた各材料の成分情報ファイルから製品としての成分情報ファイルを作成するといった練習が行われました。
私は前職ではJAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)のAIS(Article Infomation Sheet)という化学物質の情報伝達スキームを扱っていましたが、それと似た部分があります。時間の都合で、説明は非常に早くてこういった作業をするのは4年ぶりだったのでついていけないかと思っていましたが、結構出来るものです。
今まで、みずほ情報総研が事務局をしていましたが、4月からはJAMPが事務局やアップデートを行うことになります。これに伴って、JAMPが運用していたAISやMSDSplusのスキームのアップデートは2年で終了するとのことであり、それまでにchemSHERPAに切り替える必要があります。
問題点として、自動車関連企業で広まっているIMDSはchemSHERPAには対応しておらず、並立することになります。そして何よりもこのchemSHERPAを各企業で情報伝達のスキームとして採用してもらわないと、今までと変わらないことになります。
質問の時間であったのが、「今までのAISではコメント欄があったので、化学物質の成分情報を明かしてくれないサプライヤーに対してはその旨記載して客先に報告していたが、コメント欄はないのか?」というものでした。サプライヤーが成分情報をなかなか明かしてくれないのは、私もこの仕事をやっていたので気持ちはよく分かりますが、それを出させるのが仕事であって、伝達フォームにサプライヤーが出してくれないと書けるようにするように要望するのは違うだろうと思いました。
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