先週の木曜日の夜は京都大学での「リサイクルシステム論公開講座」に行ってきました。
前半は「化学物質の安全性評価」で、一般財団法人化学物質評価機構久留米事業所の吉田智彦先生による講義でした。
戦後、カネミ油症事件をきっかけに従来の排出規制では不十分で、そのために化学物質の安全性評価や管理・規制が必要となり「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」が1973年に制定されました。こういった法律は当時は世界でも例が無かったそうです。
化審法はその後3度改正され、2009年の改正ではEU REACHなどに見られる「ハザードベースからリスクベースへの評価への移行」に合わせ、新規化学物質だけでなく、既に上市されている既存化学物質を含めた管理制度が加わっています。化審法に対応した分解性評価、濃縮性評価、生態毒性評価などの試験方法について説明がありました。それらの審査結果に基づいて実質的に輸入、使用が禁止される「第一種特定化学物質」への指定などが行われます。
後半は「電池リサイクルの現状と今後」で、京都大学環境科学センターの浅利美鈴先生による講義でした。
電池にはいろんな種類がありますが、乾電池には鉛が一定量含有していますし、古いものは水銀が含有しているものもあります。それ以外でも二次電池のニッカド電池はカドミウムが含有していたりして廃棄物の管理は重要です。
日本の廃電池の回収状況ですが、乾電池が主体でそれは一部の自治体が回収しているのがほとんどというのが現状です。回収率は全体で26%にとどまっています。一方、欧州では新電池指令により、全種類の電池・蓄電池が対象として生産者の回収・リサイクルの義務化が明確になっています。
それから、問題点として日本の廃乾電池を調査してみると7〜8割がまだ使用できるという結果が出たようです。また、小型家電廃棄時に電池やバッテリーを取り外さなかったり、取り外せない設計になっているものも多かったようです。
日本では特に乾電池の販売量が多いというデータがありましたが、私の家でも使わずに残っている乾電池は多いです。私はスマホの充電器には充電用の乾電池を使っていますが、一次電池を使うよりは廃棄物の問題だけでなく費用減にもなっているように感じます。
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