2008/7/15

峠三吉「にんげんをかえせ」朗読CD  販売物

峠三吉の原爆詩集「にんげんをかえせ」の朗読CDを制作した好村俊子さんが来館されました。
好村さんは俳優として長く舞台で活躍され、また、声優としてもシャーリー・マクレーンの吹き替えや、アニメ「アンパンパン」のヤギおばさんの役などをされています。
峠三吉の詩の朗読を思い立ったきっかけは、お兄さんの冨士彦さんが、原爆詩集を制作中の峠三吉と広島の療養所で一緒だったこと。その後、富士彦さんは、朗読会を主催した「広島に文学館を!市民の会」の前身である「広島文学資料保全の会」創設に尽力し、7年前に亡くなりました。好村さんは、富士彦さんの遺品にあった峠三吉の作品を読み、朗読CDの作成を決めたそうです。
CDに収録された詩のなかには、丸木夫妻の《原爆の図》を主題にした「「希い」―原爆の図によせて―」も含まれています。

 この異形のまえに自分を立たせ
 この酷烈のまえに自分の歩みを曝させよう

 頁を追って迫る声は闇よりも深く
 絵より絵へみちた涙はかわくことなく重く
 まざまざと私はこの書中に見る
 逃れていった親しい人々 死んでいった愛する人たちの顔を

 むらがる裸婦の無数の悶えが
 心にまといつくおののきのなかで
 焔の向うによこたわったままじっと私を凝視するのは
 たしかわたし自身の眼!

 ああ 歪んだ脚をのべさせ
 裸の腰を覆ってやり
 にぎられた血指の一本々々を解きほぐそうとするこの心を
 誰がはばみえよう

 滅びゆく日本の上に新しい戦争への威嚇として
 原爆の光りが放たれ
 国民二十数万の命を瞬時に奪った事実に対し
 底深くめざめゆく憤怒を誰が圧ええよう

 この図のまえに自分の歩みを誓わせ
 この歴史のまえに未来を悔あらしめぬよう


CDの表紙画には、好村さんのたっての希望で、丸木俊の《原爆の図デッサン》から少女像が使われました。

クリックすると元のサイズで表示します

定価は2,000円(税込価格)。丸木美術館の入口ロビーでも販売しています。
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