2018/12/9

福島オープンディスカッション「ふるさと、奄美に帰る」をめぐって」  調査・旅行・出張

早朝の東北新幹線で、福島へ向かいました。
郡山に近づくと、窓の外は雪景色でした。

ライフミュージアムネットワーク実行委員の方々と福島駅前で待ち合わせ、富岡街道を車で走ります。
最近まで避難区域だった川俣町の山木屋地区を通り、浪江町へ。
街道以外の道は依然封鎖されていました。

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表土の剥がされた地面を、うっすらと雪が覆っています。
汚染土を詰め込んだフレコンバッグの山が見えました。
福島駅前で0.05μSv/hだった線量計の数値は、浪江町内津島地区では車内で0.4μSv/h、窓の外のモニタリングポストの数値は5μSv/hを超えていました。

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帰りは飯舘村を経由して福島市へ戻りました。
「日本でもっとも美しい村」のひとつと言われた面影は残っていますが、ここでもフレコンバッグの山を見てしまいました。

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午後は福島大学で、ライフミュージアムネットワークの連続オープンディスカッション「時を語るミュージアム」第3回「「ふるさと、奄美に帰る」をめぐって」に参加。

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熊本にあるハンセン病の国立療養所・菊池恵楓園の絵画クラブ「金陽会」の方々が描いた油絵を(2人の入所者の故郷である)奄美で展示する企画を行った藏座江美さんの報告。

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続いて『障害者の芸術表現ー共生的なまちづくりにむけて』の著者である鳥取大学の川井田祥子さんの発表を聴きました。司会は、はじまりの美術館の岡部兼芳さん。
ハンセン病の隔離政策によって故郷を追われた方々の思いを、絵は観る者に「自分ごと」にひきつけて伝えます。
川井田さんは、故・南嶌宏さんの、「障害者」は「幻想としての健常者」と対になっている、という言葉を引きました。

民俗学者で、ライフミュージアムネットワーク実行委員長の赤坂憲雄さんは、「ふるさと、奄美へ帰る」というタイトルには、福島にも変奏できる普遍性を感じる、と語りました。
クリエイティブサポート レッツの久保田翠さんは、表現より背景の方が大事なこともある、と挑発めいた発言をしていまた。
福島県立美術館の荒木康子さんは、3.11の後は自分が「差別」をしていないか自問している、と繰り返しました。
港千尋さんは「健常者」が幻想であるように「美術」の型もまた幻想であると指摘しました。
福島県立博物館の川延安直さんも「幻想としての被災地」「幻想としての福島」という言葉を使っていました。

午前中に見てまわった風景を、いつのまにか「被災地」という「幻想」に押し込めてはいなかったか。
福島から離れ、「日常」へと帰還する新幹線の中で、そんなことを考えていました。

本当は地続きの「自分ごと」であるはずの世界に、橋を架ける。
「外」から福島に向けて。福島から「外」に向けて。
ライフミュージアムネットワークとは、どうやら、そうした往還の中で考え続けていく「場」のようです。
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