2017/1/9

シンポジウム「道場親信の思想と仕事」  他館企画など

午前中、美術教育を進める会の方々が丸木美術館を訪れて下さったので、昨日の続きで簡単に館内の説明。小高文庫で昨年のNHK広島局の番組を見て頂いた後、午後からは東京・水道橋の在日本韓国YMCAアジア青少年センターで開催されたシンポジウム「道場親信の思想と仕事:『下丸子文化集団とその時代』刊行記念の集い」に駆けつけました。

シンポジウムの内容は次の通り。

1. サークル文化運動をめぐって
  宇野田尚哉(東アジア冷戦と広島の運動の観点から)
  水溜真由美(筑豊の運動とサークルネットワークの観点から)
2. 住民運動・市民運動をめぐって 安田常雄
3. 戦後論と反戦平和運動をめぐって 太田昌国
4. 社会運動の夢と文化をめぐって 酒井隆史
(司会)戸邉秀明


登壇者の方々が、それぞれ、道場さんの若すぎる死を受けながら、彼の後に残されていったものを整理しようと努めている様子を、共感しながら聞き続けました。

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道場さんが亡くなってしまったことはいまだに信じられないけれども、シンポジウムのおかげで、著作の中に「存在」する道場さんが語りかけてくれるし、そのために、これから1950年代という時代に向き合う中で、いつまでも道場さんを近くに感じ続けるだろうと、少し落ち着いて考えられるようになった気がします。

個人的には、共産党の強い影響下に展開され、後に共産党の方針転換により全否定されたという悲壮感の漂う1950年代の文化運動を、これほど明るく軽やかに、楽しそうに語ることのできる人がいるのか、というのが、道場さんに出会って感じた一番の衝撃でした。
道場さん、鳥羽さん、川口さんという三人の、比較的年齢も近い先輩たちの「明るさ」がなければ、1950年代の《原爆の図》全国巡回展の調査に乗り出す勇気も出なかったでしょう。

シンポジウムの席で酒井隆史さんは、「末端」の立場で左翼運動にかかわっていたというご自身の父親の話を「だからこそ聞きたいんだ」と言ったという道場さんについて、やや誇張気味な表現だと断りながら、歴史の「メシア」だったかもしれないとおっしゃっていました。

『反戦平和』という課題を担う運動は多岐にわたる。課題も“現場”もそれぞれ切実に存在する。それを一挙的に「結集」することは不可能だし、運動経験に対する敬意にも欠けている」(『占領と平和』)

歴史を使い捨てるのではなく、歴史と対話すること」(『抵抗の同時代史』)

こうした道場さんの言葉に導かれながら、これからも、自分の課題を見つけ出していこうと思っています。

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写真は2015年4月に丸木美術館で開催した幻灯上映会の一場面。
左から鳥羽さん、鷲谷さん、道場さんです。
このとき道場さんは、奥多摩山村工作隊製作の幻灯「山はおれたちのものだ」を、本当に楽しそうに熱演されていました。
忘れられない思い出です。
http://fine.ap.teacup.com/applet/maruki-g/201504/archive
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