2016/9/26

【ミュンヘン出張B】原爆の図展示完了  調査・旅行・出張

午前中からハウス・デア・クンストで展示作業の続きです。
昨日の2mを超える高さでの展示作業に比べれば、今日の展示はまったく問題なし。

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無事に展示が終わってから、作品の状態チェック票へのサインの記入や、絵に観客が近づかないための注意喚起の方法、帰りの梱包についての打ち合わせを行いました。

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天井の高い空間なので、《原爆の図》を二段掛けしてもそれほど窮屈ではありません。
ただ、上の作品は細部が見えないので、絵の力が強い第2部《火》を上にしたのは正解でした。
下の第6部《原子野》は、一見地味ですが細部を作り込んだ作品なので、そのあたりをじっくり見て欲しいところです。

隣の壁はイサム・ノグチの展示スペース。
これから核を題材にした彫刻などが配置されるようです。

ハウス・デア・クンストの展示作業はまだまだ続きますが、私の仕事はこれで終了。
迷路のように壁面を増設した会場を歩きましたが、まだ展示されていない作品がほとんどで、全体像はよくわかりませんでした。

できれば会期中にミュンヘンを再訪して、じっくりと展覧会を見ながら考えたいところです。

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今回の展示では、ミュンヘン在住18年の日本人女性画家に、たいへんお世話になりました。
展示スタッフみんなでコーヒーを飲んだり、昼食をとったりしているときは、なかなか2人で話す機会はなかったのですが、最後の昼食で初めて2人になって、日本語でゆっくり話すことができました。
以下は、そのときの会話の内容の書き起こしです。

   *   *   *   *   *

ミュンヘンから見る今の日本は、他国の人たちと協調していくためには絶対にあり得ない論理を、国内だけで語っているように感じる。近代の歴史認識にしても、原発事故にしても。

ドイツだっていろいろ問題はあるが、70年前の戦争の反省を、まわりの国や民族といっしょに考えてきたという点は、日本と大きく違う。

多チャンネルになったテレビは、毎日、どこかで必ず1本はナチスの番組をやっているくらい、ドキュメンタリが多い。近代史の反省を、メディアが牽引して進めている。

日本は隠蔽しかしないというイメージがある。原爆だって被害の強調ばかりで、そのことで戦争全体の責任を隠蔽している。

ハウス・デア・クンストのような、ナチスの遺産的建物を、今も美術館として活用することには批判がないわけではない。けれども、外壁にはクリスチャン・ボルタンスキの《レジスタンス》という作品が展示されている。
これはナチスに抵抗した地下組織のメンバーの顔写真をもとにしたプロジェクト。
日本でこうした作品が展示されるだろうか?

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芸術において政治性は重要な要素のひとつ。もちろん、ユーモアや皮肉を使って表現を直接的でないものにすることもある。
私は東京の美大に通って、こちらに来るまでは政治的な問題をまったく教わらなかったし関心もなかったけど、今は日本に戻るたびに違和感を覚える……

   *   *   *   *   *

個人的に共感する意見は多く、私も丸木美術館ではそうした現状を何とか変えていこうという想いを持って仕事をしているけれども、一般に広がっているとは言い難いので、これからも頑張ります、と答えました。
これからも、ずっとこの会話を抱えながら、仕事をしていくことになりそうです。

仕事を無事に終えたので、夕方は、オクトーバー・フェストの会場であるテレージエンヴィーゼに行ってみました。
ビアツェルト(ビールテント)の中は、数千人の酔っ払いがビールを飲む凄い光景。

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お酒をあまり飲まない私には、異教の集会に潜入したような、すごい迫力と緊張感でした。
せっかくなので、ビールも注文してみました。人生初のビアガーデンが、まさかミュンヘンになろうとは、まったく予想もしていませんでしたが。
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