2015/12/17

「原爆の図展」が2015年展覧会ベスト2位に選出!  掲載雑誌・新聞

『Hyperallergic』という美術系ブログで、「原爆の図展」が2015年のブルックリンの展覧会ベスト2位に選ばれたそうです。

クリックすると元のサイズで表示します

Best of 2015: Our Top 10 Brooklyn Art Shows
by Hyperallergic on December 15, 2015


http://hyperallergic.com/261439/best-of-2015-our-top-10-brooklyn-art-shows/

(以下、記事の展評拙訳)

==========

Painted between 1950 and 1982 by the artist couple Iri and Toshi Maruki — who visited the city days after the US dropped an atomic bomb on it in August 1945 — the harrowing Hiroshima Panels have lost none of their power in the intervening years.

芸術家夫妻の丸木位里と丸木俊によって1950から82年にかけて描かれた — 二人は1945年8月に米国が原子爆弾を落とした数日後に広島を訪れた — 悲惨な《原爆の図》は、歳月を経ても力を失わなかった。

The vast main gallery at Pioneer Works was ideally suited to this display of a selection of six of the 15 panels. Sprawled across folding screens, they depict different scenes of the bomb’s impact and its aftermath in the couple’s distinctive mix of figurative imagery (Toshi’s area of expertise) and fluid, monochrome ink painting (Iri’s medium of choice). —Benjamin Sutton

パイオニアワークスの広大なギャラリーは、15部作から選ばれた6部を展示するには理想的だった。 屏風の画面全体に、彼らは造形的イメージ(俊の専門領域)と流動的な水墨表現(位里の選んだ媒体)を融合させ、原爆の衝撃とその後の惨状をいくつかの場面で表した。 ―ベンジャミン・サットン

==========

《原爆の図》がはじめて海をわたった1970年10月22日付の『ニューヨーク・タイムズ』には、次のような記事が紹介されました。

クリックすると元のサイズで表示します

・・・これらのパネルは全くすさまじいものである。東洋画と西洋画のスタイルが雑然とまじりあって、デザインの効果さえもあがっていない。これは程度の悪い美術品よりもっと悪い。それは反感をもよおさせる。なぜなら現代における最大の道徳的課題がこの一連の絵の中で示されるというのに、まるで作者の真のねらいは、デカメロン(それはどの著作よりも悪質なさし絵を生み出すもととなったが)かグリム童話集のさし絵を書くことにあるというかのようである。
 というのは、これらのパネルは、豊満な肉体(火傷や怪我はまるで芝居のメーキャップのように書きそえられており、その出演者たちは実際に苦しんではいない)の数々と、幽霊のようではあるがそれほど空想から作りあげられたとはみえない怪物との混合物から成立っているからである。
 ある目的をもってつくられた芸術作品は、作者が真剣だからとか、意図が立派だからとか、主題が重要だからということで、正当化されるわけにはいかない。「原爆の図」の場面でも、そうしたことは、この作品が、広島が我々に要求するものすべての価値を下げる作品であることを、いかんともなしがたいのである。

 (丸木俊『幽霊 原爆の図世界巡礼』1972年より)

それから45年、メディア媒体といい、評価の内容といい、時代は変わったのだなと思います。
ちなみに『Hyperallergic』は、11月30日付で「原爆の図展」の長い展評を掲載しています。
http://hyperallergic.com/255344/the-historic-painted-panels-that-exposed-the-hell-of-hiroshima/

次代のアートシーンの中心と言われているブルックリン地区で年間第2位に選ばれるというのは、なかなか嬉しいですね。日本の新聞の美術の年間回顧記事には、どうやら「原爆の図」米国展は紹介されていないようなので・・・。

今日は、『《原爆の図》全国巡回』が、日本図書館協会の選定図書に選ばれたという嬉しい報せも新宿書房から届きました。
明日から展覧会の後片づけのために渡米します。
ブルックリンの「原爆の図展」は20日まで。23日に《原爆の図》とともに帰国します。
1



2015/12/19  0:08

投稿者:上原弘子

評価された事、良かったですね。Facebookでシェアさせていただきます


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ