2014/12/6

朗読公演“Are You Ready for the Country?”/反核反戦展作家トーク  イベント

午後1時より、高瀬伸也さん企画の朗読公演“Are You Ready for the Country? 〜永井荷風の日記にみる「戦争という日常」〜”が開催されました。

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当日朝、2014年12月6日付『東京新聞』朝刊埼玉欄に紹介記事が掲載されました。

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〈公演タイトルは「お国のために備えはいいか」と、現在の政治状況への皮肉も込められている。〉と記事にも紹介されていますが、いつも、「ひねりすぎの企画」を行う高瀬さん。
今回の企画も、鋭い問題意識が隠されています。

以下は、鑑賞の手引きからの抜粋です。

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 いつも、「ひねりすぎの企画」と学芸員の岡村さんに笑われてしまいます。ならばもっとひねって、元に戻ってくればいいや、という今回の企画は、12/8に着目せよというメッセージと12/8が強調されることに警戒せよ、という二つの相反するメッセージを同時に発するものです。
 12/8に着目せよというのは、対米英蘭開戦日の1941/12/8は1945/8/15の「終戦」記念日に比べて注目度が低いが、12/8は、その直後からの、文学、新聞、放送等の、積極的な戦争協力の問題を考える起点としてもっと注目されていい、ということからです。
 それに対して、12/8が強調されることに警戒せよ、というのは、「12/8に戦争が始まった」という言説が、「日本の先の大戦」を、対米戦に矮小化し、それ以前から続き泥沼化していた対中国戦争を見えなくしていることへの批判です。
 その異なるメッセージを踏まえつつ、特に、12/8以前の「銃後」の暮らしを、(その「日常生活」は少々風変わりなものかもしれませんが)荷風の日記を通して示し、12/8前・後の連続性を明らかにしようとするものです。


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朗読したのは、永井荷風『断腸亭日乗』。

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丸木夫妻の共同制作の壁画の前で、2時間以上日記を読み続けたのは、NHKラジオ深夜便の映画評論でおなじみの青柳秀侑さん。
高瀬さんは「少しずつ変化し/ほとんど変化せずに」ピアノを演奏し、「日常生活」の変化と不変に、ゆるやかに呼応します。

淡々とした生活の記録のなかに、ふいに現れてくる鋭い社会批判、戦争の影。
いつの時代も、目の前の風景は一見変わらぬように見えて、その奥底はひそかに揺らぎ、変化していくものなのかもしれません。

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午後3時すぎからは、「今日の反核反戦展2014」の作家トークが行われました。

はじめに木村裕さんによる、武満徹の曲などの(見事な!)ピアノ演奏。
続いて小畑和彦さんが、自作の同名の作品の前で「死んだ男の残したものは」などの曲のギター弾き語り。こちらも作曲は武満徹。小畑さんの美声には驚きました。

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さらに黒田オサムさんのパフォーマンス「小さな骨」に、木村裕さんが即興でピアノを合わせます。
黒田さんについては、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴの活動で、2011年5月31日に坂上しのぶさんとともに聞き取りをしたことがあります。
http://www.oralarthistory.org/archives/kuroda_osamu/interview_01.php

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ここまではパフォーマンスでしたが、その後は、それぞれの作家が順番に作品の前で自作を語るという時間。

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今回初参加の圓城寺俊之さんは、地元・東松山の作家。オープニングのときのノイズ・ミュージックは圧巻でした。

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ヨーロッパなど国外でも精力的に作品を発表している近藤あき子さんは、偶然画面にできた「傷」を生かして制作したという秘話を話して下さいました。

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A3BC 反戦・反核・版画コレクティブは、版画の集団制作という、近代の美術史のなかで地下水脈のように続いている問題意識を追及しています。

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そして丸木美術館の「反戦展」創生期から連続して出品されている吉岡セイさんは、今回は第五福竜丸をモチーフに選ばれました。

こうして、さまざまな作家の話を聞きながら作品を見ると、絵の見え方もまた違ってくるのが面白いところです。
「ただ展示してあるだけだとわからないことが、トークを聞くと、ああそうだったのか、とよくわかる」と、観客の方々からもたいへん好評でした。

閉館後には、残った作家さんたちと、駅前の居酒屋で打ち上げ会も行いました。
今回から実行委員会形式に変わったことで、作家さんたちの自発的な活動や企画も増え、何より、これは美術館側からの感想ですが、個々の作家さんたちの「顔」が見えるようになりました。
今までずっと参加されてきた作家さんの意外な一面を知ったり、新しい作家さんの参加で展覧会の広がりを感じたり。今回は「反核反戦展」を観に来館される一般の方も、心なしか多いような気がします。

帰り道、夜空に明るく輝く丸い月を見上げながら、しみじみと嬉しい気持ちになりました。
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