2014/1/26

ギャラリー古藤「ガタロ展」トーク  講演・発表

午後、京都から新幹線に乗って東京へ戻り、練馬区のギャラリー古藤へ。

広島の基町アパートで清掃員として働きながら絵を描き続ける画家・ガタロさんの絵画展で、ギャラリートークを行いました。

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昨年、NHKのETV特集で放送され、大きな反響を呼んだというガタロさん。
会場には、力強い筆致で描かれた清掃具や原爆ドーム、自画像、そして原発事故を予見したような1985年の作品《豚児の村》などが壁面いっぱいに展示されていました。

おそらくは、現代の美術界の流行とは無縁のままに制作を続けてきたガタロさん。
とはいえ、作品を見ていると、ゴッホや村山槐多のような「夭折の画家」たち、あるいはケーテ・コルヴィッツや佐藤哲三のような「社会主義リアリズム」の画家たちの作品の雰囲気にも重なります。

今展の企画に尽力した武蔵大学教授の永田浩三さんによれば、広島では公募展にも出品していたようで(「選外」になったために、電車の「線外」に展示する「線外展」を独自に企画したこともあったとか)、決して自らの内に籠って制作するというわけではなかったようです。

会場をご覧になっていた近現代史研究者の小沢節子さんは、ガタロさんの素描のうちの一点に、山端庸介が長崎で撮影した写真の一部が引用されていることを指摘されていました。
そうしたさまざまな影響の跡が見えることは、ガタロさんが、一見、アウトサイダーアートのように見えながらも、実は非常に美術の研究を重ねていて、その上で自らの制作スタイルを選びとっていることを示しているのだと思います。

ギャラリートークでは、主に広島を主題にした作品を中心に非核芸術の系譜をたどり、ガタロさんゆかりの基町アパートが整備される前の、基町のバラック街「原爆スラム」を描いた作品も数点紹介しました。

夕方から激しい風が吹き、非常に寒い日だったにもかかわらず、40名近くの会場いっぱいの方がお集まりくださったことに、本当に感謝いたします。

そして、ギャラリー古藤のスタッフの皆さん、ギャラリートークにお招き下さった永田浩三さんには、貴重な機会を頂いたことに、心から御礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。
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