2013/9/14

「平野正樹写真展」ギャラリートーク  企画展

いよいよ「平野正樹写真展 After the Fact」がはじまりました。
初日は午後2時より、写真家の平野正樹さんと美術評論家の福住廉さんをお迎えして、ギャラリートークを行いました。

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90年代にサラエヴォの内戦の弾痕を撮影した「Holes」シリーズからはじまり、最新作「Money」日本版にいたるまでの平野さんの制作についてお聞きしながら、福住さんの鋭い作品評も交えて、非常に充実した1時間半のトークでした。

このトークの様子は、平野さんが書き起こして図録にまとめられるとのことですので、ここでは詳しく記しませんが、ひとつだけ、すでに無価値となった紙幣のシリーズ「Money」について、福住さんが「紙幣の墓標のように見える。けれども、それを見る私たちが金銭的な関心から完全に抜け出せないという意味では、死に切れていない、Moneyの“ゾンビ”だとも思った」とコメントされていたことは、とても印象に残りました。

そう思ってみると、天窓に吊って展示した「Money」は、この世に残れず、かといって浮かばれることもないままに、宙に浮いているように見えてきます。
福住さんとトークでごいっしょしたのは初めてですが、やはり面白い視点で美術を見ている方だな、とあらためて感心しました。

いつも飄々とやってきては、名乗りもせずにそっと企画展を見ていく彼が、「最近、企画展がとても充実していますね。前は1年に1、2回くらいしか来なかったのに、このところ2、3か月に一度は丸木美術館に来ている気がする」と言ってくれたのも嬉しい限りでした。

そして、まっすぐに社会の矛盾を見つめ、自分が作品を作ることでどうすれば世界を変えていけるのかを真剣に考えている平野さんの熱さにも敬意を表します。
展覧会は11月9日(土)まで。
決して華やかな話題となる企画ではないかも知れませんが、危うさをともなった経済政策が期待込みでもてはやされる今の状況のなかで、ぜひとも見ておくべき作品だと思います。
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