2011/10/3

川越スカラ座『小さな町の小さな映画館』  川越スカラ座

丸木美術館の休館日。
川越スカラ座で『小さな町の小さな映画館』(森田惠子監督、2011年)を鑑賞しました。

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川越スカラ座は、川越市中心部の観光名所「時の鐘」近くの路地裏にあり、1905年に寄席として創業し、1940年に映画館になった歴史ある映画館です。数年前に長年経営されてきた館主が引退され、現在はNPO団体が運営しております。
私も3年ほど前から、ボランティアとして街頭ポスター貼りやイベントの司会進行などを手伝ってきました。

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『小さな町の小さな映画館』は、北海道にある人口1万4,000人の小さな港町浦河にある創業93年の映画館「大黒座」を取材したドキュメンタリ映画。
過疎の町で映画館を続ける一家と、その活動を支える人びとの思いを丹念に追いかけた内容は、私たちにとっても重なりあうところが多く、川越スカラ座で上映するには本当にぴったりの作品でした。
川越市民にとっては必見の映画……だと個人的には思うのですが、スタッフのIさんの話では客の入りはあまり良くないとのこと。少し残念です(10月6日まで)。

   *   *   *

Iさんによれば、数年後にはフィルム映画の製作が完全に終了し、デジタル映画もDVカムやブルーレイという媒体から、高額な長期契約をした映画館への一斉配給制に移行する時代が目の前に迫っているそうです。
そうなると、もはや、シネマコンプレックス以外の運営は成り立たなくなってしまうので、小さな映画館を取り巻く状況は今後さらに厳しく、先の見えないものになるでしょう。

個人的には、こんな時代だからこそ、手作りの温かさが残る小さな映画館を大切にしたいのですが、運営の厳しさを知るにつけ、安易に「続けて欲しい」と言えない状況に胸が痛くなります。

映画に紹介される大黒座の現状も興味深い(街頭ポスターの貼り方はどこもいっしょだとか、入館者ゼロの寂しさに共感したりとか)のですが、この作品の奥行きを深くしているのは、かつて映画の全盛期だった時代までさかのぼり、地域の歴史を掘り起こして取材しているところです。

それは私が現在調査を進めている《原爆の図》全国巡回展の時代とも重なります。
地方に活気があった時代、町の文化の拠点は映画館でした。
演芸場としてはじまった川越スカラ座に、現在もスクリーンの前に舞台があるように、大黒座にも舞台があり、かつては映画上映のほかに講談や浪曲などが上演されていたそうです。
1950年代の《原爆の図》巡回展でも、映画館で展覧会が開かれた例がいくつかあります。

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たとえば福井の佐佳枝劇場で開催された原爆の図展(1952年5月21日付『福井新聞』より)。

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この頃、劇場では『千一夜物語』を上映中でした(1952年5月15日付『福井新聞』広告より)。

映画館で絵の展覧会?と不可解な思いを抱いていたのですが、地方に公民館や美術館などの公共の展示施設がなかった時代、映画館がその代わりの役割を果たすことは、決して突飛な発想ではなかったのでしょう。

映画で紹介された美唄の映画館の、炭鉱全盛期に館外にあふれるほどの人が並んでいた様子を映している写真は、まるで原爆の図美唄展の写真を見るようでした。
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2011/10/10  15:15

投稿者:okamura

森田惠子さま
コメントありがとうございます!!
2日に舞台挨拶にいらっしゃってたんですよね。
私も伺いたかったのですが、勤務の都合で……残念でした。

映画、素晴しかったです。
文化は中央の巨大資本ではなく、辺境の暮らしのなかから生まれてくるもの、と思って丸木美術館の学芸員をしている身としては、単館の映画館もとても大切な存在です。
川越スカラ座の映画はほとんど全部観ています。

偶然ですが、今月末に出張で美唄と室蘭に行きます。
びばいシネマは多分行けます(閉館中なのが残念)。
我路町にも行ってみたいなと思っているのですが、教育長さんが案内して下されば我路映劇も発見できるかもしれませんね。
でもさすがに浦河は行けそうにありません。
室蘭からでもかなり遠いですね。。。
札幌の蠍座も時間がうまく合えば行きたいと思っています。

それにしても、丸木美術館の友の会会員とは!
とても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。

2011/10/10  14:31

投稿者:森田惠子

『小さな町の小さな映画館』の森田です。<(_ _)>」
「川越スカラ座」で、作品をご覧くださったとのこと、ありがとうございました。

あまりにも状況が似ていて一味違っていたと思いますが(笑)、応援になればいいなぁ〜と願い上映のお願いをしたのですが、思うようにお客さんが入らず・・・。

この先、単館の映画館には厳しい状況が立ち塞がっています。それは作る側も同じで、見てもらえるチャンスが更になくなる可能性が高いのです。

映画を映画館で見るという経験は特別のもの。別世界に連れて行ってくれる。そして、そこから学のものの多さ、豊かさ・・・。
特に若い人たちに映画館へ行ってもらいたいと願っています。

話題が変わりますが、私は「丸木美術館」の友の会会員です。継続会費、振り込みます。

http://www007.upp.so-net.ne.jp/Harunoumi/


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