2010/10/13

ハロー・ディア・エネミー展/杉並区立公民館跡地の碑  調査・旅行・出張

午後から、杉並区立中央図書館の2階会議室で開催中の「ハロー・ディア・エネミー!80作品展 平和と寛容の国際絵本展」(10月15日まで)へ行ってきました。

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反戦のテーマとつながる絵本を世界中から選んだこの絵本展は、ミュンヘン国際青少年図書館によって企画され、1998年にインドのニューデリーで開催されたIBBY(国際児童図書評議会)世界大会で発表されました。その後、JBBY(日本児童図書評議会)の主催によって日本国内での展示がはじまり、現在も各地を巡回しています。
80作品の絵本は、「戦争と破壊の体験」「暴力と起源の広がり」「人種差別や偏見と寛容の精神」「平和と和解」「平和、人権、自由への夢」の5つのテーマに分けられ、日本からは次の7作品が選ばれています。

『わすれないで―第五福竜丸ものがたり』(赤坂三好=文・絵、1989年 金の星社)
『ひろしまのピカ』(丸木俊=絵・文、1980年 小峰書店)
『二度と』(松井エイコ=脚本・絵、2005年 童心社)
『絵で読む広島の原爆』(文=那須正幹、絵=西村繁男、1995年 福音館書店)
『サニーのお願い 地雷ではなく花をください』(絵=葉祥明、文=柳瀬房子、1996年 自由国民社)
『ゆらゆらばしのうえで』(きむらゆういち=文、はたこうしろう=絵、2003年 福音館書店)
『土のふえ』(今西祐行=文、沢田としき=絵、1998年 岩崎書店)

また、広島の原爆を主題にした作品としては、インドで出版された『Sadako of Hiroshima』(絵=アジャンタ・グゥアサクルタ、文=マノラマ・ジャファ、1997年)やオーストラリアで出版された『Sadako(邦題『つる サダコの願い』)』(絵=エド・ヤング、文=エリナー・コア、1995年、日本語版はこだまともこ訳、2005年 日本図書センター)も選ばれています。

そのほかにも、展覧会のタイトルのもととなったドイツの絵本『Guten Tag, lieber Feind!(邦題『ハロー・ディア・エネミー)』(絵=インゲ・シュタイネケ、文=グードルン・パウゼバンク、1986年、日本版は桑田冨三子訳、2001年 くもん出版)のような敵との和解をユーモラスに描いた作品や、スペインの市民戦争が始まった年に反戦のメッセージを込めて出版された『The story of Ferdinand(邦題『はなのすきなうし』)』(絵=ロバート・ローソン、文=マンロー・リーフ、1962年、初版1936年、日本語版は光吉夏弥訳、1954年 岩波書店)、あるいはケストナーの名作『Die Konferenz der Tiere(邦題『動物会議』)』(絵=ヴァルター・トリア―、文=エーリヒ・ケストナー、1998年、初版1949年、日本語版は高橋健二訳1949年、池田香代子訳1999年 ともに岩波書店)などの興味深い世界各地の絵本を手にとって見ることができる貴重な機会です。

   *   *   *

図書館を出ると、向かい側の杉並区立荻窪体育館の敷地内に、ひとつの記念碑が建っていることに気がつきました。

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見ると、台座部分に「オーロラ 杉並区立公民館跡地の碑 平成3年3月 制作者 瀧 徹」と刻まれています。
記念碑の由来についても、詳しく案内板に記されていたので、以下にその文章を紹介します。

昭和28年11月に開設した杉並区立公民館においては、区民の教養向上や文化振興を図るため、各種の教養講座が開かれ、また、社会教育の拠点として、区民の自主的活動が行われてきました。
これらの活動のなかでも、特筆されるものは、昭和29年3月ビキニ環礁水爆実験をきっかけとして、杉並区議会において水爆禁止の決議が議決されるとともに、同館を拠点として広範な区民の間で始まった原水爆禁止署名運動であり、世界的な原水爆禁止運動の発祥の地と言われております。
その公民館も老朽化により平成元年3月末日をもって廃館されましたが、その役割は杉並区立社会教育センター(セシオン杉並)に発展的に継承されております。ここに、公民館の歴史をとどめるとともに、人類普遍の願いである永遠の平和を希求して記念碑を建立したものであります。
 平成3年3月 東京都杉並区


1954年の第五福竜丸被曝事件をきっかけに、杉並区の公民館から原水爆反対の署名運動がはじまり、世界中に広がったという話は以前から聞いていましたし、その活動の中心的役割を果たした安井郁氏は丸木美術館の初代館長でもあります。丸木夫妻も原爆の図第10部に《署名》という作品を描いているのですが、その公民館の跡地に記念碑が建っていたということは、初めて知りました。
住民たちによって作られた歴史の記憶が、記念碑として大切に残されていることにちょっと感動しました。

さらに図書館のまわりを歩いてみると、隣の「読書の森公園」にはなんとマハトマ・ガンジーの像が!

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2008年に建てられた、日本最初のガンジー像だそうです。
中央図書館を中心にして、さまざまなかたちで平和を考えるエリアになっているのですね。
「ハロー・ディア・エネミー展」を見に来たおかげで、思わぬ発見がありました。
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