2010/9/18

中村正義の美術館「山と水の作品展」  他館企画など

午後から川崎市の中村正義の美術館を訪れ、秋の企画展「山と水の作品展」を観てきました。

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岡崎市立美術館からお借りしてきたというユーモラスな南画風の連作《瀟湘八景》や、第18回五都展で大評判になったという《雪景色》を中心に、「山と水」を描いた作品を展示した地味ながらも見応えのある展覧会でした。

日展を脱退してからは強烈な色彩と大胆な描写で《顔》や《舞妓》のシリーズを描いていた正義の作品は人気がなくなり、陰では「正義は絵が描けなくなった」と噂されていたそうです。
そんななかで突然発表したのが、《雪景色》(1969年)という作品(DM下の写真)。
この作品が五都展で大評判となり、1969年の落札価格ベスト10に入るほどだったとのこと。
「面白いことは、ぼくを疎外してきた画壇の状況がたった一枚の絵で動くということだ」と正義はうそぶいたそうですが、彼の自負と反抗心がよくあらわれた言葉だと思います。
作品そのものは、正義の高度な技術が感じられる、一分の隙もない完成された風景画ですが、でもよく見ると青空に伸びる木の枝の伸び具合に尋常ならざる魔性が隠しきれません。
やはり私は、異界との境界を行き来するような彼の妖しさに心惹かれるようです。

館長のN子さんによると、2年後に練馬区立美術館で大規模な「中村正義展」が準備されているとのことで、今からとても楽しみです。
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