2010/3/16

嘉手川繁夫作品撮影  企画展

来月17日からはじまる企画展「OKINAWA―つなぎとめる記憶のために」展のため、飯能市吾野の嘉手川繁夫さんのお宅に伺い、新作の鉄のオブジェの撮影を行いました。
今回の企画展では、A5版の小図録を作成し、展示作品をすべて収録します。
……といっても普通の美術館では別に珍しくもない話ですが、予算規模の小さな丸木美術館にとっては、画期的な試みなのです。

   *   *   *

幼少時に沖縄戦を体験し、戦後に上京して画家として活動した嘉手川繁夫さん。
2008年夏には沖縄県立博物館・美術館でも個展を開催しています。
今回は、代表的な油彩画の大作を3点お借りし、その他に新作の鉄のオブジェを数点出品して頂くことになりました。
「戦争を描くというのはたいへんなことだ。ぼくは上京してすぐ、板橋で丸木夫妻の《原爆の図》を見て圧倒されたよ。あそこまで描かれたら、後から来る人はもう描けないと思った。もちろん戦争を経験しているから、平和願望は強く持っているよ。それが円形の表現につながっている。円は平和や安泰や調和を象徴するからね」
囲炉裏ばたに座って、嘉手川さんは語って下さいました。
彼は古民具の収集家でもあり、ご自宅にはいたるところに箪笥や石臼、薬研、火鉢、古時計などの古民具が飾られています。
嘉手川さんによれば、「古民具には円形の鉄が多く使われている」とのこと。そして、彼がオブジェに使用する鉄は、実は民具として長年使われていた古鉄なのです。
古鉄の見た目は今の鉄とはまったく違う味わいで、材質もとても良いそうですが、「表現したいものと合致している」というのが、作品に使う一番の理由。
民具のかたちを生かしながら、平和を願う“円形”のオブジェに再生させているのです。

とにかくいたるところに古民具がある家なので、撮影場所を決めるのには少々苦労しました。
何度か場所を変えて撮り直したあと、結局、アトリエにあった作成途中の白い下塗りの状態の絵画の前にカンヴァスを敷き、そこにオブジェをおいて撮影することに。
嘉手川さんの絵画は、下塗りの時点ですでに立体的な模様ができあがっているので、白地の背景に面白い効果が出て、うまい具合に撮影ができたように思います。
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