2009/2/18

埼玉近美「青春のロシア・アヴァンギャルド」  他館企画など

午前中は埼玉県立近代美術館の「青春のロシア・アヴァンギャルド展」へ行きました。

クリックすると元のサイズで表示します

20世紀初頭のロシア、帝政時代の終焉から革命へと向かう時代の熱狂のなかで、絵画・演劇・建築・音楽など多くの分野でセンセーションを巻き起こした「ロシア・アヴァンギャルド」。「政治の革命」に先行する「芸術の革命」は、新たな創造力の地平を大胆に切り拓き、世界に大きな衝撃を与えました。しかし、そんな輝かしい時代は、皮肉なことにロシア革命によって誕生したソヴィエト政権の方針によって、崩壊への道を余儀なくされます。芸術家グループは分裂し、ある者は秘密警察によって拘束され、自殺を図り、国外に亡命していきました。

今回の展覧会は、モスクワ市近代美術館の所蔵品により、その「ロシア・アヴァンギャルド」に重要な位置を占めた画家たちの作品を紹介するという企画です。
「スプレマティズム(無対象絵画)」という斬新な様式を生みだすなど20世紀芸術の進展に多大な影響を与えたカジミール・マレーヴィッチ〔Kazimir Malevich,1878-1935〕や、「ロシア未来派の父」と呼ばれたダヴィード・プルリューク〔David Burliuk,1882-1967〕らの作品も興味深いですが、今回、もっとも注目を集めているのはおそらく「グルジアの国民画家」と評価の高いニコ・ピロスマニ〔Nico Pirosmani,1862-1918〕でしょう。

グルジアの地方の農家に生まれ、ほぼ独学で画家になったと言われる彼は、村の居酒屋の看板を描いては絵と引き換えにパンとワインをもらう生活を送る“伝説の放浪画家”でした。 1912年、ピロスマニの住む町に休暇で訪れたロシアの3人の前衛芸術家が彼の存在を「発見」し、翌年にモスクワで開かれた展覧会に多くの絵を出品したことで一躍注目を集めます。芸術を保守的で閉鎖的な表現から解き放とうとするロシア・アヴァンギャルドの運動は、ピロスマニに象徴されるプリミティヴな民衆絵画にも大きな関心を寄せていたのでした。
日本では、加藤登紀子がカヴァーして有名になったロシアの歌謡曲「百万本のバラ」で知られています。歌詞に登場する女優に恋した「貧しい絵描き」のモデルがピロスマニです。
今回、ピロスマニの作品は居酒屋の看板《宴にようこそ!》を含め10点が展示されています。これは、1986年に西武美術館で開催された「ピロスマニ展」以来とのことです。

貴重な機会をじっくりと堪能した後、昨夏の「丸木スマ展」でたいへんお世話になったM学芸員にご挨拶。M学芸員は埼玉近美のミュージアム・ショップも担当されているのですが、次年度からミュージアム・ショップに丸木スマグッズを置かせてもらえることになりそうです。現在制作中の新商品・クリアファイルをはじめ、一筆箋、絵葉書セットが候補にあがっています。
これまでは丸木美術館以外で丸木スマグッズを購入できる場所はなかったので、これは大きな収穫でした。

   *   *   *

午後には東京国立近代美術館で開催中の「高梨豊 光のフィールド・ノート」展をまわり、神保町の檜画廊へ。21日(土)まで開催されている毎年恒例の「丸木位里・丸木俊 二人展」を見て帰宅しました。
0




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ