2008/12/23

『原爆文学という問題領域』  書籍

ニュースの入稿も無事に終わり、今年も残すところあとわずかとなりました。
今日は年内に紹介しておきたいと思っていた、お薦め書籍の紹介です。

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『原爆文学という問題領域(プロブレマティーク)』(2008年4月15日、創言社発行)。
著者の川口隆行さんは1971年生まれ、広島大学大学院教育学研究科の准教授です。
今年の夏にお送り頂いた書籍ですが、すっかりご紹介するのが遅くなってしまいました。
原民喜の『夏の花』、井伏鱒二の『黒い雨』からはじまり、こうの史代の『夕凪の街 桜の国』まで、戦後の原爆文学の流れを追いながら、朝鮮人被爆者をめぐる言説や被害と加害の問題、反戦運動との関わりなど、原爆を歴史上の重大事件としてではなく、今日的な意味を発信する問題としてどうとらえていくかを考えさせる内容です。

丸木美術館との関連が大きいのは、「補論T 小沢節子『「原爆の図」――描かれた〈記憶〉、語られた〈絵画〉』」として小沢さんの著作がとりあげられていること、そして第1章「原爆文学という問題領域」で、元丸木美術館理事の故長岡弘芳さんの『原爆文学史』について言及されていることです。
「原爆に関する文化表象の網羅的論評である」長岡さんの『原爆文学史』は、「時に嘲笑を込めて「原爆もの」と呼ばれたテクスト群を、ひとつの文学ジャンルとして認知させるべく出版界、文学界に要求したものと位置づけられよう」と筆者は述べています。

現在、丸木美術館では、丸木夫妻の元アトリエ「小高文庫」を図書室兼休憩室として一般に公開しています。そこには原爆関連書籍をそろえ、元図書司書のボランティアMさんの協力を得てデータベース化の作業を進めながら、小さな「原爆図書館」を作りだそうと試みているところです。
この「原爆図書館」構想には、(ぼくは直接の面識はありませんでしたが)原爆文学研究の草分け的存在であった長岡さんの遺志を、ささやかながらも具現化できれば……との思いを込めていたので、思いがけず長岡さんの仕事を再評価する文章に出会い、嬉しく思いました。

原爆文学研究に関心のある方のみならず、ぜひ多くの方にお読み頂きたい一冊です。
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2010/11/23  9:35

投稿者:okamura

鈴木房江さま
お身体の具合はいかがでしょうか?そろそろ朝晩に冷え込む季節になってきましたね。お忙しくお過ごしのことと思いますが、どうぞお身体を大切になさってください。
渡辺凱一さんのこと、今度詳しく教えてください。
いつもお持ち下さる力の込められた文章、楽しみにしています。

2010/11/22  21:42

投稿者:鈴木房江

岡本さんのメッセージを今日観ました。ちょっと体調を崩しパソコンを開けるのを控えていました。今日やっとホームページを見ました。『夏の花』と丸木美術館は原民喜お読んで渡辺凱一さんでしたが、この二人に呼応して私も参加しています。書き終わりましたら、持っていきます。こんな続き方があってもいいでしょうか?

2010/11/12  14:20

投稿者:okamura

鈴木房江さま

昨日はコピーをありがとうございました。
突然発熱して休んでしまい、お会いできなくて残念でした。
今後ともいろいろご教示ください。

2010/11/7  7:40

投稿者:鈴木房江

この窓口を見つけたのは、今朝のことです。気付かずごめんなさい。実は『夏の花』と丸木美術館 渡辺凱一さんの随筆のコピーを見つけ、抜粋した本のタイトルを記入し忘れ、探していました。今日は忙しいので、後ででいいのですが、掲載された本のタイトルが判ったら教えてください。


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