2018/8/26

もう一つの日本文化 (政府は、畠山さんの国連先住民族権利宣言に基づくサケ捕獲権を収奪できるのか?)  文化・芸術
 まだ、浦川太八さんへ送っていないが、私は今年も、浦川さんの依頼により、(北海道知事あて)【浦河町元浦川でのさけ・ます特別採補許可申請】の関係書類一式を作成した。

 今年も道内の河川にサケが還ってくる時期が来る。例えば、札幌市豊平川での『アシリチェプノミ/Asir Cep Nomi/新しい鮭を迎える儀式』は9月9日に開催される。

 昨年(2017/10/25)のブログで紹介したが、浦川さんは2008年から【さけ・ます特別採補許可】の申請を行っている。

 当初、その申請は大変だった。今は亡き浦川さんの甥の浦川修さんが申請行為を行ったのだが、北海道庁(日高振興局)が難癖を付けて申請書を受理してくれないのだ。

 最終的には、地元漁協の協力で許可は出されたものの、浦川太八さんは、北海道庁(日高振興局)の高圧的な態度と道立水産試験場のアイヌをバカにした態度を忘れてはいない。

 先述のとおり、修さんが心を削るような苦労の末に得た許可であるから、以降、浦川さんは毎年、許可申請を行っている。

 だが、心の奥底では、【自分達アイヌが何百年も前から自由に捕ってきたサケ】を捕るのに、【後からアイヌモシリ(北海道)にやって来た日本人】に許可を求めなければならない事実を【当たり前の道理】とは考えていない。

 私は、ここ11年半、浦川さんの工房(作業場)へ月1回程度(年12回以上)訪問している。当初は浦川さんの作るマキリ(アイヌナイフ)など木彫品の見学、現在は一緒に動植物を捕(採)ったりしている。

 浦川さんは寡黙だ、多くを語らない。木村二三夫さんの雄弁さ・能弁さに比べれば、言葉の量は1/10といっても良いくらいだ。

 さて、私は、このブログで木村さんの言動の紹介や、木村さんの指示により日本政府(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)の矛盾点(インチキ・イカサマ)などの公表を行っている。

 それにしても感じるのは、木村さんの日本政府、北大、アイヌ遺骨研究学者などに対する怒りの大きさだ。

 私は、日本人・日本政府が過去においてアイヌに対して行ってきた歴史事実や、現在においてもアイヌの権利を誤魔化している事実・実態を少しは知っている。

 知らないのならともかく、知ってしまった以上は、木村さんの怒りと熱情に引きずられる形ではあるが、私は、木村さんに協力せざるを得ない気持ちになる。

 ただし、日本政府等へ対する怒りは、木村さんが並外れて大きいわけではない。実際は浦川さんの方が強い。

 なお、私が直接知っているアイヌはとても少なく、片手以上、両手以下だ。そして、その殆どの方は、浦川さん同様、木村さんよりずっと寡黙だ。

 だが、その方達は、アイヌが日本人により辿らされた歴史、自分の身近の同胞の生活状況などに取り囲まれて生活しているのだ。大きな怒りと嘆きの両方を持っている。

 そして、その原因を作った日本政府等へ対する憤りは、木村さんを超える方が何人もいる。

 その方達は、表面上、声高に日本政府等を糾弾しない。だが、決して、日本政府等を許している訳でも、信頼している訳でもない。

 本来は、こういった声なき声を汲み上げるのが、本当の政治、行政のあるべき姿だが、現実は全くそうなっていない。

 そういった現状・実態を知った上で、日本政府(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)のやっていることを見てみると…、

 例えば、「昨年12月から本年3月までの間に地域説明会を12回開催し延べ286人の意見を聞きました」として国(アイヌ政策推進会議・作業部会)のHPで公表されているが、その内容は[ゴマカシ][イカサマ]だ。

 そもそも、国の説明会に来る人達は、国に協力的な人達だ。国(日本政府)を信用していない人達は、そういう説明会には行かない。

 国(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)のイカサマ師、ペテン師が、国に都合の良いように誘導(騙して)取りまとめた「アリバイ作り」の資料(意見)以外の何ものでもない。

 さて、本題に入る。今回ブログのテーマである畠山さんも、恐らくは木村さんと同じくらい、国への憤りを持っている方だ。

 「紋別アイヌ協会」会長である畠山さんは、昨年(2017/10/25及び2017/11/10)のブログで紹介したとおり、昨年8月「さけ・ます特別採補許可申請」なしに地元河川でサケの捕獲を行った。

 畠山さんは、【アイヌには「さけ・ます特別採補許可申請」など不要】との考えだ。

 なぜなら、@【畠山さんが所属する紋別アイヌが、何百年、何千年とサケを捕ってきた権利を行使しただけ】だからである。

 また、@の権利は、日本政府も賛成票を投じたA【国連先住民族権利宣言】の「第26条、先住民族は、自らが伝統的に所有・・・してきた・・・資源に対する権利を有する。・・・国家は、これらの・・・資源に対する法的承認および保護を与える。そのような承認は、関係する先住民族の慣習、伝統・・・を十分に尊重してなされる。」の規定に基づいているからだ。

 畠山さんは【本年も「さけ・ます特別採補許可申請」なしで地元河川でサケの捕獲を行う】予定だ。

 木村さんからの情報によれば、恐らくは日本政府(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)の指示で、北海道庁や北海道警察の担当者等が畠山さんの行動を阻止しようと、入れ替わり立ち代り説得に来ているそうだ。

 <2018/8/27追記>
 畠山さんからの情報提供によれば、説得及び警告を受けた回数は、北海道庁(本庁水産部)から1回、北海道庁(オホーツク総合振興局)から2回、北海道警察から5回とのこと。
 畠山さんは、これらの相手に対し、「自分は予定どおり行動を行う。あなた方は、自分の担当職務の狭い範囲だけでなく、もっと先住民族の問題全体を勉強して行動しなさい」と説得したそうだ。

 木村さんは、【畠山さんの行動を全面的に支援する】という明確な方針を示している。
 そして、【畠山エカシが『アイヌ(先住民族)の権利回復の為の行動(戦い)』の先陣を切っている。畠山エカシだけを戦わせるわけにはいかない。俺が後に続く】ことをブログで公表(宣言)するようにと、私に指示が来た。

 さて、畠山さんの主張は、根拠や正当性があるものなのであろうか?

 先ほど、【畠山さんのところには、北海道庁や北海道警察の担当者等が入れ替わり立ち代り説得に来ている】と書いたが、その説得方法は、恐らく【日本の法律に従って、サケ漁を行ってほしい(「さけ・ます特別採補許可申請」を提出してほしい)】ということだろう。

 これに対して畠山さんは、【アイヌは、日本人と違う歴史・文化・権利を持っている。】【アイヌは、先住民族であり、特別な扱いを受ける権利がある】という主張をしているわけだが、これは日本政府に認められるものだろうか?

 結論をいうと、@日本政府が設置した組織で取りまとめた報告書中に【国民の一部(アイヌ)について、異なる取扱いをすることは、憲法上許される】旨が記載されている。Aこの報告を受けた日本政府は[国連演説で、報告書の実現を宣言している]という事実がある。

 このことについての根拠(証拠)を紹介する。

 @の報告書は、日本政府(首相官邸)のHPから入手できる。
 「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」報告書は、前年国会の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を受けて、取りまとめられたものだ。
 アドレスは、次のとおり。
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainu/index.html

 報告書の該当部分
・・・憲法等を考慮したアイヌ政策の展開
 また、国及び地方公共団体により実施されるアイヌ政策が、我が国の最高法規である日本国憲法(以下「憲法」という)を踏まえるべきことは当然である。例えば、アイヌの人々に対して特別の政策を行うことは憲法第 14 条の平等原則に反するのではないか、という指摘がある。

 しかし、事柄の性質に即応した合理的な理由に基づくものであれば、国民の一部について、異なる取扱いをすることも、憲法上許されると一般に解されており、既述のようにアイヌの人々が先住民族であることから特別の政策を導き出すことが「事柄の性質に即応した合理的な理由」に当たることは多言を要しない。

 …これらの観点を踏まえると、憲法がアイヌの人々に対する特別な政策にとって制約として働く場合でも、合理的な理由が存在する限りアイヌ政策は認められるといえる。・・・」

「おわりに
 本報告書は、…懇談会の全会一致を持って取りまとめたものである。…今、われわれは、アイヌの人々と正面から向き合い、アイヌの人々が「先住民族」として誇りを持って積極的に生きることのできる豊かな共生の社会を現実のものとしようとする新たな局面に立っている。

 この真摯な試みは、諸々の困難を抱える日本にあって、国民一人ひとりがお互いを思いやる気持を持ち、アイヌを含めた次の世代が夢と誇りを持って生きることのできる社会を形成することに寄与するに違いない。

 そのことは、また、日本が国際社会において「名誉ある地位を占め」(憲法前文)ることに通ずると信じるものである。」

 Aの日本政府の国連演説は、日本政府(外務省)のHPから入手できる。
 アドレスは、次のとおり。
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/21/un_1019.html

 国連の場における演説][2009年第64回国連総会第3委員会][議題68:「先住問題」(a)「先住問題」及び(b)「第2次国際先住民の10年」     平成21年10月19日

 <原文は英文>アドレスは、次のとおり。
 https://www.mofa.go.jp/announce/speech/un2009/un0910-9.html

 篠原政府代表代理によるステートメント(仮訳)(抜粋)

議長、
 日本政府を代表して第三委員会において「先住問題」に関して発言できることを光栄に思います。本日は、我が国の「先住問題」に関する進展を中心に述べさせていただきます。

 議長、
 2007年9月に国連総会において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されて以降、先住民族の人権の保護・促進については、国内外を問わず極めて高い関心を集めてきました。

 …2008年6月には、我が国の国会は「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で採択し、同決議の採択を受け、我が国は、アイヌの人々が日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族であるとの認識を示しました。

 そして、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」における関連条項を参照しつつ、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む考えを示し、アイヌの人々の代表も参加する有識者によって構成される「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を設置しました。

 同懇談会は、昨年8月から定期的に開催され、今年7月29日、内閣官房長官あてにアイヌ関連政策について多様な提言を含む報告書を提出しました。同報告書では、アイヌに関する国民の理解を促進するための教育・啓発への取組、アイヌ文化・産業振興等を推進すべきことなどが指摘されています。

 我が国としては、報告書で提言された事項の実現に向けて、継続的かつ着実に取り組んでいく所存です。」


 ※日本政府は明確に「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告書」の提言事項を実現していくと表明している。この発言は国連の場で委員会議長に対するものだ。国際公約といってよい。

 この国際公約を自ら反故にするような言動が、日本政府からあるのであれば、そういうものは、【ゴマカシ】【イカサマ】だ。日本政府(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)の【ゴマカシ】【イカサマ】を許してはならない。
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