2019/9/3

もう一つの日本文化(速報 木村さん 違法行為の道庁を告発検討 ほか)  文化・芸術
 <木村さんから【用意していた記事」を緊急でアップしろと指示があった。実行する。>

■NHKの北海道ニュースWEBで、次の記事が紹介されていた。*太字・下線は当ブログが付けています。

 【“許可得ずにサケ捕獲”道が告発  09月03日 19時23分

 内容はTVのNHKニュースと同じだ。こういうニュースがあると、直ぐに木村さんからр礑AXが来る。

 『川のサケ漁は先住民の権利だと主張する紋別市のアイヌの男性が行政の許可を得ずに漁を行ったとして、道は1日、警察に告発しました。先住民の権利保障と法令の遵守をめぐり議論を呼びそうです。

 紋別市の紋別アイヌ協会の畠山敏会長は、アイヌ伝統の儀式で使うサケをとるのは先住民の権利だとして、今月1日、道の職員が法令違反だと中止するよう指導する中、そのまま漁を続けました。
 
 道はこれを受けて、畠山さんと漁を手伝った男性1人について、道の許可を得ずにサケとマスをとり水産資源保護法と内水面漁業調整規則に違反したとして警察に告発しました。

 ことし5月には、アイヌ民族を法律で初めて「先住民族」と明記したアイヌ施策推進法が施行され、伝統的な漁法の継承のため特別な配慮をするとしていますが、現在も道の許可が必要な状態が続いています。

 道は「伝統儀式の存続は重要だが、許可が必要な状況に変わりはない」としています。

 アイヌの人たちの権利をめぐっては、去年、スイスのジュネーブで開かれた国連の人種差別撤廃条約委員会で、日本政府に対し、天然資源や土地に関する権利が十分に保障されていないとして改善を求める勧告も出ていて、今回の問題について、先住民の権利の保障と法令の遵守をめぐり議論を呼びそうです。』

 木村さんは、このニュースの太字・下線部分について怒っている。

 木村さんは、この部分を読んで

 【道庁は、何をふざけたことを吐かしてやがる。
 2年前、道庁は畠山さんが書いてもいない申請書を偽造作成し、北海道知事の許可証を出すという違法行為を自分でやってたではないか!!・・・】と毒づくこと毒づくこと。

 木村さんが指摘する【道庁の申請書偽造と知事許可証】については、昨年(2018)11/17のブログに掲載した。一部分を再掲する。
 *再掲なので、時点(年等)の表記がそのままです。ご注意願います。

 『昨年2017/10/25及び2017/11/10の2回のブログで紹介したが、昨年のオホーツク(紋別市)モベツ川で行われた【アイヌサケ漁】については、北海道(オホーツク総合振興局)、北海道警察などが【共謀】して「私文書偽造の申請」を行い、北海道知事が「遡った日付での許可証」を出すという不法な行為を行った疑いがある。

 その経緯・概略は次のとおりだ。

 @紋別アイヌ協会会長の畠山敏(ハタケヤマサトシ)さんは、昨年8月25日〜27日、紋別市のモベツ川で鮭を捕獲した。この鮭捕獲は、北海道(オホーツク総合振興局)への許可申請の手続きは行っていない。

 A8月26日、畠山さんが漁を始めようとすると、警官がやって来て『北海道知事の特別採補許可証を持っていますか』と質問。畠山さんは『アイヌにそんなものは必要ない』、『先住民族が持っている権利、紋別に住んでいるアイヌが何百年、何千年と鮭を捕ってきた権利で鮭漁をしているだけだ』、『私の鮭漁が日本の法律違反というならば逮捕してくれ』と返答。

 畠山さんと警官との間で、『逮捕しろ』、『逮捕はできない』の押し問答が続いている中、紋別漁協の専務が登場、漁協専務が始末書的なものを北海道警察に提出することで、その場は決着した。

 B9月11日、畠山さんは漁協事務所で北海道(オホーツク総合振興局)職員(恐らく課長)から、【知事の特別採補許可証】を受け取った。

 *畠山さんは、『自分は申請書を作成・提出していないので受け取れない』と拒んだが、最終的には漁協専務の顔を立てて【自身が作成・提出していない申請書に基づく許可証】を受け取ったとのこと。

 ■許可証の記載:発行日:平成29年8月16日、許可期間:平成29年8月20日〜平成29年9月20日*許可証はクリックで拡大します。
 クリックすると元のサイズで表示します
 C問題点1
 申請書は畠山さんが作成・提出していない。何者かが畠山さんの依頼も関与もなく申請書を作成し、オホーツク総合振興局に提出したという事実がある。【私文書偽造】による申請だ。

 D問題点2
 オホーツク総合振興局は「私文書偽造された申請書」と知っていて受理し、「許可する」という不法な行政行為を行った疑いがある。

 *当該許可証を持ってきた振興局職員(恐らく課長)は、畠山さんの『自分は申請書を作成も提出もしていない』との主張に対して何の抗弁もしていないという事実がある。

 E問題点3
 許可期間(平成29年8月20日〜平成29年9月20日)は、「警官との押し問答となった事件日8月26日」以前となっている。

 *【特別採補許可】は、北海道内水面漁業調整規則(法律)に基づき、北海道知事が「許可」する行政行為。その公文書が、私文書偽造の申請書により、問題が生じた事件日の前に遡って作成・交付されている。

 *第三者的に考えると、北海道(オホーツク総合振興局)、北海道警察、紋別漁協(専務)の3者が【共謀】して「私文書偽造の申請」を行い、北海道知事(オホーツク総合振興局)が「遡った日付での許可証を出すという不法な行為を行った」可能性がある。

 F問題点4
 行政の不法行為によって【A[無かった事]が[有った事]】にされ、【B[有った事]が[無かった事]】にされたという【事実の捏造】の事実がある。

 A.【畠山さんが作成・提出していない申請書】は、【何者かの私文書偽造及び北海道(オホーツク総合振興局)への提出により「畠山さんが作成・提出した申請書」とされた】。

 B.【当該許可証の許可期間:平成29年8月20日〜平成29年9月20日】により、【8月26日の警官との押し問答】及び【8月25日〜27日の無許可の鮭捕獲(法律上は違法行為)】は無かったことにされた。

 木村さんは、この北海道庁の違法行為を告発できないか検討中だ。

 また、この【特別採補許可】に係る北海道庁の違法行為とは別に、アイヌ遺骨についても告発できないかどうかを検討するようKimura Projectの法務担当に指示が下りたことを報告する。

 木村さんや畠山さんは、命懸けの戦いをしている。日本政府の官僚(内閣官房副長官補)は、自己の栄達ぐらいしか動機の無い行政官僚とは覚悟が天と地ほどに違っている事を理解できるだろうか? 
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2019/9/1

もう一つの日本文化(速報 紋別アイヌの畠山さん 国(道)の許可なしサケ捕獲ほか)  文化・芸術
 <毎日、新しい記事が追加になって中々アップできず、内容も読みづらくなっているが、ご容赦いただきたい。>

 今朝8:05、木村さんからрセ。携帯を開くと木村さんの大きな声『畠山さんがやったぞ!!』。木村さんが昨夜から紋別に行っていたのは知っていたが、話の前後が分らない。

 『木村さん、畠山さんが何をやったのですか?』、『あれよ。サケの不許可捕獲よ!』、『やったー!、本当にやったのですね!!、良かった良かった。』

 畠山さんが、前々から【サケの許可なし捕獲】をやろうとしていた事は知っていた。いや畠山さんの真意を正確に書こう。

 畠山さんは、【アイヌには「さけ・ます特別採補許可申請」など不要】との考えだ。

 なぜなら、【畠山さんが所属する紋別アイヌが、何百年、何千年とサケを捕ってきた権利を行使するだけ】だからである。

 この権利は、【日本政府が賛成した2007年の国連先住民族権利宣言】で規定されている。

 第26条【…資源に対する権利】は次のとおりだ。
 【先住民族は、自らが伝統的に所有し、占有・・・してきた・・・資源に対する権利を有する。・・・】

 なお、【国連宣言】は、この権利が既に政府等によって奪われている場合であっても、【回復と補償を受ける権利】が規定されている。

 第28条【…資源の回復と補償を受ける権利】
 【先住民族は、自らが伝統的に所有し、占有・・・してきた・・・資源であって、その自由で事前の情報に基づいた合意なくして没収、収奪、占有、使用され、または損害を与えられたものに対して、原状回復を含む手段により、またはそれが可能でなければ正当、公正かつ衡平な補償の手段により救済を受ける権利を有する。・・・】

 畠山さんは、【この紋別アイヌの漁業権回復】を、真正面から国、道に要望してきた。要望書を出すだけでなく、例えば国(内閣官房アイヌ政策推進室)の〇山参事官などとは直接談判もしている。ある時などは〇山参事官から前向きの回答を得たと喜んでいた時もあった。

 行政職員(行政官僚)を信じない私は内心、そんな事になる訳がないと考えてしまう。行政職員がうまいことを言うときは、目の前の相手を取りあえず騙す・宥めるだけのペテン・誤魔化し行為が多い。

 だが、これで畠山さんを騙せたと思い込んだ〇山参事官は浅はかだ。畠山さんにうまいこと言って騙し、「アイヌ新法」で何も与えない。これでうまくいったと考えた日本政府(内閣官房副長官補)は浅はかだ。

 騙されたと知った畠山さんが、どんなに命懸けの反撃を行うかまでを想像できる知恵を持っていない。日本政府(内閣官房副長官補)の負けだ。

 今後、日本政府は、今回の畠山さんのサケ捕獲の痛手を最小限に留める為の誤魔化しの説明をするだろう。例えば、アイヌの伝統的儀式を尊重して、阻止を強行しなかったとかだ。屁理屈を立てて正当化を図るだろう。

 だが、畠山さんの決意と行動は今後も変わらない。伝統的儀式もサケ捕獲も、どちらもアイヌ(先住民族)の権利だ。当然のことながら後に続くアイヌも出るだろう。

 畠山さんは、日本政府(内閣官房副長官補)のアイヌ(先住民族)の権利を妨げる堤防にアリの穴程度の小さな穴を空けた。

 これらのアイヌの動きを止めることはできない。日本政府(内閣官房副長官補)の反動で、一旦は後退することがあるかもしれないが、アイヌの目指す方向は変わらない。アイヌの動きを止めることはできない。

 ここで一つ付け加えることがある。伝統的儀式もサケ捕獲もアイヌにとって重要な権利だが、もっとアイヌの人権に近い権利がある。

 アイヌ遺骨に関する権利だ。アイヌ遺骨の返還もアイヌ遺骨DNA研究の禁止も、アイヌの人権そのものだ。

 個々のアイヌ遺骨に対して、何の権利も有しない北海道アイヌ協会が、どの様な意向を示しそうと、アイヌの人権を侵すことはできない。

 おまけ
 畠山さんのサケ捕獲は、道職員環視の中で行われた。サケ捕獲作業を進める畠山さんに対し、道職員は川岸から「違法な状態なので、やめてくれませんか」など口頭での呼び掛けによる制止活動を行った。

 現場にいた木村さんは、道職員の味方になった。道職員に対し「こんなところで口先だけで言っているだけではダメだ。畠山さんの所に行って、引きずってこい!!」とハッパを掛けたが、道職員は具体的行動を起こさなかったとのこと。

 *今朝までは、ここからがブログ冒頭の予定でした。
 冒頭に追加の記事を載せる。前々回(2019/7/27)のブログで、【河北新報、宮城 2019年06月01日(土)の記事=『遺体取り違え解剖 遺族は法的措置も検討 仙台厚生病院』】を取り上げた。

 記事概要は次のとおりである。
 【仙台市青葉区の仙台厚生病院が太白区の男性(84)の遺体を取り違え、5月27日に誤って解剖していたことが31日、分かった。病院は「完全なケアレスミス」と事実関係を認めている。遺族は法的措置も検討している。

 ・・・病院側は「完全なケアレスミスで平謝りするしかない。ご遺族に改めて謝罪と説明をした後、警察に届け出たい」と話した。

 誤って解剖された男性の長女(57)は「遺体とはいえ愛する父の体を意に沿わない形で傷つけ、辱められた。どんな対応をされても傷つけられた事実は消えないので怒りも消えない」と述べ、法的措置も辞さない考えだ。】

 この記事に対し、私のブログでは、次のとおり取りまとめた。再掲する。
 【私は、この記事を読んだ時、この記事内容が、【日本人の遺体に対する考え方、取扱い方の見本】だと感じた。

 ・・・私は・・・木村さんにこの新聞記事を印刷したものを送って、【実質的に遺体の人権、物質的な言えば[遺体の所有者]=遺族の人権をこれだけ大切にする日本人】が、こと[アイヌの遺骨]に対しては、全く異なる取扱いをしている。ここを問題提起したいと告げていた。】

 木村さんも全くの同意見であり、木村さんはいくつかの行動を起こしている。

 新聞記事(コピー)を様々な方に配り、【なぜ、遺体の人権を大切に考える日本人】が、【アイヌ遺骨に対しては、全く異なる取扱いをしているのか】を訴えかけてきた。

 【北大教授のアイヌ遺骨盗掘等による北大管理の1600超のアイヌ遺骨、その返還要求に対する北大の対応】、【ここ近年の対応】、【裁判に訴えない限り、返還はせずの対応】、【裁判所和解による返還でも謝罪は一切なしの対応】。

 こういった非人道的な北大の対応を許して良いのかを訴えかけてきた。
 そういった状況のところへ、一昨日の夜(8/30)、北海道新聞(ネット)で次の記事を見つけた。

 『献体取り違えて納棺 北大歯学部 担当教授、識別番号照合せず
 08/30 20:26 更新

 北大は30日、歯学部で今年2月、解剖学実習に献体された2人の遺体を解剖後、取り違えて納棺し、遺族に引き渡すミスがあったと発表した。火葬後、遺族の指摘で発覚した。実習担当の男性教授が確認作業を怠ったことなどが原因で、北大は遺族に謝罪。教授は7月末で依願退職した。

 北大や関係者によると、遺体はいずれも高齢の女性。火葬後、一方の遺族が故人は金属を体に入れる治療を受けたことがないのに、遺骨に金属片が交じっていることを不審に思い、取り違えの可能性を北大に指摘した。北大は、学外有識者を含む調査委員会を設置。関係者の聞き取りや双方の手術記録から納棺時に間違えたと結論付け、6月に遺骨をそれぞれ正しい遺族に引き渡した。

 教授は実習後に遺体を納棺する際、遺体とひつぎに付いていた識別番号を照合しなかった。北大の聞き取りに対し「2体だけだったので間違えないと思った」と釈明したという。通常は担当の事務職員も立ち会うが、教授は、実習期間が予定日より早く終わったため、職員に連絡しないまま1人で納棺していた。

 北大は「ご遺族および関係者の皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪。再発防止策として、納棺のマニュアルを整備するなどとしている。(水野富仁)』

 内容は、【河北新報(宮城)の06月01日の記事】とほぼ同じだ。

 【北大は・・・、遺体を解剖後、取り違えて納棺し、遺族に引き渡すミスがあった・・・、北大は遺族に謝罪。教授は7月末で依願退職した。・・・北大は「ご遺族および関係者の皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪。再発防止策として、納棺のマニュアルを整備するなどとしている。】

 私は、記事内容そのものについては、7/27ブログと同じ所感だ。【日本人の遺体に対する考え方、取扱い方の見本】だ。

 だが、【北大のアイヌ遺骨返還に対する対応】、【アイヌ遺骨は研究対象としての取扱い】、【人格・人権をもった対象として考えない=謝罪しない態度】は、日本人に対する態度とあまりにも違い過ぎないか?

 同一主体の北大が【日本人とアイヌを同じに取扱わない、対等な取扱いをしていない】ということだ。

 私は、当日、午後10時を回っていたが、即座に木村さんにрオた。・・・北大関係者は、この時、木村さんの近くにいなかったことを幸運に思うべきだ。木村さんの怒りは、想像を絶するものがあった。私はハッキリと警告しておく。

 北大関係者、日本政府(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)、アイヌ遺骨DNA研究者(篠田氏、安達氏等)は、今後、アイヌ及びアイヌ遺骨の人格・人権を十分に尊重する行動をとった方が良い。

 私に、木村さんの具体的な行動は、予測できないが・・・。

 さて、元々の記事に戻る。近頃の木村さんの講演活動は、東京、大阪、沖縄などとても活動的だ。こういった遠くでは行くことができないが、先日の講演は、札幌=さっぽろ自由学校「遊」だったので、久々に木村さんの講演を聞くことができた。聴きごたえのある講演だった。

 ■講座案内2019年度【アイヌが描く、アイヌモシリの未来】 
 ・5月24日(金)開講 全5回 月1回金曜18:45 〜 20:45
 ・会 場 さっぽろ自由学校「遊」(愛生舘ビル5F 501A)
 ・受講料 一般5,000 円 会員・アイヌ民族 4,000 円 25 歳以下2,000 円
  (単発 一般1,500 円 会員・アイヌ民族1,000 円 25 歳以下500 円)

 ■2019年8月23日(金)第4回テーマ: 強制移住と遺骨盗掘
 ・講師 木村 二三夫(きむら ふみお) 平取アイヌ協会副会長、平取アイヌ遺骨を考える会共同代表

 『全道20 ヶ所以上にも及ぶ強制移住、特に新冠アネサルの地を追われ上貫気別(現旭)へ追いやられた先人達。上貫気別の墓地でようやく安らかな眠りについた遺骨も、北大の違法な盗掘によって収奪され、今度は北大から白老に強制移住させられようとしている。アイヌ民族よ、怒れ、立ち上がれ、アイヌも人間。人権、尊厳を守ろうではないか!』

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 講演会は、ごく小規模な聴衆30名程だった(部屋自体が小さい)が、とても内容のあるものだった。質疑応答での〇田〇平さんや北大の〇田さん、道アイヌ協会の〇部副会長などの話は、特に貴重だった。

 さて、前回のブログで、前々回のブログ印刷物を分子人類学者の篠田氏及び安達氏の2氏に送付した事を書いた。

 そして、【安達氏とはそれまで面識がなかったので手紙を付けた】が、【篠田氏とは何度も話をしている仲なので、手紙を付けなかった】事を書いた。

 実は、木村さんが篠田氏あてに、手紙を付けなかった本当の理由は、安達氏あての手紙よりも、もっと強烈なラブレターを送りたかったとの事だ。

 木村さんは、その想いを込めて、今回の「FMピパウシ 木村二三夫の言いたい放題 9月分草稿」を書いたとの事。ご紹介する。
 *草稿ですので、実際に放送されたものとは、若干の違いがあります。

 『さて、日本国は本当に法治国家なのでしょうか?
 なぜならば、現在、アイヌ遺骨返還を取り巻く状況を確認してみると、アイヌ遺骨の盗掘という大罪を犯した者達の後継者である分子人類学者(遺骨DNA研究者)数名は、政府関係会議等で我がもの顔でふんぞり返っています。

 その一方、先人の遺骨を持ち去られたアイヌ達は、裁判や国(日本政府)への働き掛けなどを必死に行い、現在、大学等の保管室で彷徨い続けているエカシ、フチ、先人達の遺骨、人権、尊厳を故郷の地へ帰還させ、安らかな永遠の眠りに就かせようとエネルギーを使っています。

 FMピパウシ・リスナーの皆さん、イランカラプテー。
 木村二三夫の言いたい放題の時間です。

 今日もまた、違法・不法・理不尽に持ち去られたアイヌ遺骨問題に触れてみたいと思います。

 大罪を犯した国(日本政府)や大学、学者達の不正義に対する天罰はないのでしょうか?また、アイヌ遺骨の所有権、管理権は誰にあるのでしょうか?

 当然のことながら、所有権、管理権は、国(日本政府)や大学のものではありません。

 ましてや、アイヌ遺骨を研究材料としか考えていなく、【3歳児並みの道徳観念】しか持っていない一方、【名誉欲や権力欲は普通人の何倍も持っている】学者のものではありません。

 私は、ハッキリと宣言します。アイヌ遺骨の所有権、管理権は、祭祀承継者、またはそれぞれの出土地域のアイヌコタンにあります。

 こんな当り前の事がなぜ、国(日本政府)や学者等には分からないのでしょうか?
 いや、彼らも全くのバカではないので、それが正論である事くらいは、理解できるでしょう。

 ただし、アイヌは少数で、政治力も実力もないので、昔(江戸時代中期以降)どおり、好きな様に蹂躙しても良いと考えているのでしょう。

 これらの人でなしのバカどもは、未だにアイヌに許しを請い、謝罪を行うこともなく、北海道アイヌ協会を誑かし、アイヌ遺骨研究を進めることを前提に【倫理委員会】などを立ち上げようとしています。

 2.3歳の子供がオモチャを欲しがり、駄々をこねるのと同じように、人類の起源とか、アイヌの為だとかと称して、異常な程にアイヌ遺骨に執着する、【常識の欠片もないバカを通り越した分子人類学者】どもです。

 この【常識の欠片もない分子人類学者】の最近の動きをお話しましょう。

 昭和初期、沖縄県今帰仁村(なきじんそん)にある琉球王朝の王族の遺骨が京都大学(京都帝国大学)によって不法に持ち去られました。この事に対しては、昨年12月、遺族等が遺骨返還の裁判を起こしています。

 そういった過去の過ちを正そうとする行動に対して、日本人類学会会長の篠田謙一は、学会理事会での議論の結果と称して、先月(7月)22日、京都大学総長あてに要望書を提出しています。

 【遺骨は、学術的価値があるので、遺族(祭祀承継者)へ返還せず、由来地(出土地)の地方公共団体に移管するように】、【移管の際は、研究材料としての保存継承と研究機会の継続的な提供を合意内容に含めるべき】との事です。

 この篠田は、物事の道理を理解する脳ミソを持っていないのでしょう。このような輩が、日本人類学会の代表者になっていることは、国辱(こくじょく)ものです。国(日本政府)は、この狂犬を野放しにしておくのでしょうか?

 人の上に立とうとする者に、権力欲、名誉欲は付きものですが、少なくとも物事の道理が理解できる人間がなるべきでしょう。

 韓国政府が日本政府に対して、盗人猛々しいとの発言をしていましたが、アイヌ、琉球の遺骨研究については、そのままそっくり、日本政府、日本人類学会、篠田をはじめ、篠田に追従する学者達に当てはまります。

 過ちを犯した者が、負の歴史から逃げず、真正面から真摯に向き合う行動なしに、関係修復は成し得ません。

 人でなしの篠田は、【古人骨は学術的価値があるので、国民共有の文化財だ】と言っています。この男の【3歳児並みの道徳観念】では、こうとしか考えられないのでしょう。

 だとすれば、刑法違反の盗掘という歴史事実。この盗掘の罪も国民共有になるのでしょうか?篠田がアイヌに謝罪しない理由がやっと理解できました。

 国民共有の罪だから、篠田=分子人類学者だけが謝罪するという事にならないという理屈なのでしょう。全くバカげた考えです。篠田は余りにもバカすぎて、恐らくは己の愚劣さも感じることができないでしょう。

 話は大きく飛びます。アメリカ国民はグリーンランドを買い取りたいと言い出したトランプ大統領の「知力不足」に呆れているという現実がありますが、篠田の京都大学総長あて提出した要望書の内容も同じくらい「知力不足」です。

 この2つの事実は過去の歴史になかった【現在の世界の病巣】が世界中の到る所に出現している事を示しています。それは【バカでも、アメリカ大統領になれるし、日本人類学会会長になれる】という事です。

 この言い方が過激すぎるというのならば、【アメリカ大統領にふさわしくない人物がアメリカ大統領になっており、日本人類学会会長ににふさわしくない人物が日本人類学会会長なっている】と言い換えましょう。

 さて、私は、現在の学者達に問いたい。確かにあなた方自身は、昔行われた【アイヌ遺骨盗掘という犯罪】に手を汚していない。

 しかしながら、同じ学者、研究者として、あなた方の先輩達が犯した罪に対して、謝罪、反省をする必要がないと考えていますか?先輩達の研究を継承しようとするならば、何かをすべきとは考えませんか?

 そして、篠田、安達、道アイヌ協会に言っておきたいこともあります。今、世界は、「今日の続きに明日はない」が当たり前の時代になっています。特に人権リスクを軽視した場合に、この傾向は顕著です。

 札幌医大保管のアイヌ遺骨でDNA研究ができたのだから、今後も白老慰霊施設保管のアイヌ遺骨でDNA研究ができると思っているのならば、道を間違える結果になる事を宣言しておきます。

 少し話は変わります。私は、国(日本政府)、学者達に一つ提案があります。天皇家と宮内庁に頼み込んで、天皇家歴代の墓を掘り返してもらい、その遺骨でDNA研究を行うことです。

 この研究により、天皇家と皇族、日本民族という【族】のDNAを分析することができれば、日本民族(日本人)の成り立ち、ルーツを解明することができるでしょう。

 国(日本政府)に強力なコネを有する篠田ならば、実施も不可能ではないかもしれません。(篠田さん、よろしく頼みますよ!!)

 そして、そこで得られたDNA情報は、世界の研究者がアクセスして研究できるようにDNAデータベースで公開することです。

 また、墓から得られたサンプルは、将来的に新しい研究手法が出て来て、次世代の研究者が追試できるように「象徴空間」でアイヌ遺骨と一緒に保管することです。

 私はこの提案を、私が主宰するKimura Projectのメンバー達に話してみました。メンバーからは、【歴代皇室が、今の上皇、今上天皇と同じお心をお持ちならば、それを無礼とは考えないと思います】との返答でした。

 私は、こういった事が叶った時に、初めて、私を含むアイヌのほとんどが、真の意味の日本国民の一人として、我が身体(遺骨)を献体として提供する気持ちになると思いますが・・・、皆さまは如何でしょうか。

 木村二三夫の言いたい放題でした。イヤイヤイケレ。』

 話は変わる。
 前述のとおり、木村さんは、前々回のブログ印刷物は篠田氏及び安達氏に送付したが、実は、前回のブログもある方々に送付している。

 それは、日本政府・内閣官房アイヌ総合政策室の千葉さんと文科省の降旗さんだ。木村さんの話では担当者だというが私は良く知らない。所属(担当)部署あて、手紙を添えてFAX送付し、さらに電話を掛けての会話で補足しているという。

 いずれにしても、木村さんはアイヌの伝統に従って、意見が異なる相手に対しても対話を閉ざさない。【チャランケ】の精神ということなのだろう。

 【チャランケ】とは、アイヌ語で【談判、論議】を意味する。文字を用いなかった頃のアイヌのチャランケは全て口頭ということになるが、今回紹介した木村さんの行動は、現代におけるチャランケになるのだろう。

 それでは、参考まで、千葉さんあての手紙を紹介する。

 『イランカラプテー(こんにちわ)
 今年もまた危険な暑さというフレーズが、テレビ等から何度も流れてきましたが、お元気でしょうか?

 日本人によるアイヌ遺骨の盗掘、DNA研究問題では、いつも私の愚痴、文句(苦情)を受け止めて対応をしてくれている事に、貴方様のアイヌネノアンアイヌ(人である人)としての良識を感じております。イヤイライケレ(ありがとうございます)。

 お送りしましたブログ(コピー)は、私が主宰しているKimura Projectのメンバーが定期的に発信しているものです。

 ご覧いただければお判りの様に、北海道アイヌ協会の加藤理事長による【同胞アイヌの人権を無視した信じられないような言動】が確認できます。

 これが、【北海道アイヌ協会が日本政府に媚を売っている実態】です。

 貴方様には何度もお話しています。日本政府が平成30年12月に策定した【大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続に関するガイドライン】は、【出土地域のアイヌコタン(出土地域のアイヌ団体)への返還】を規定している事で、誰にでも理解できます。アイヌ遺骨の返還は、取りも直さず地域の問題です。

 日本政府に誑かされ、媚を売っている北海道アイヌ協会が踏み込むべき問題ではありません。日本政府が、【北海道アイヌ協会が関与すべき問題】とお考えならば、その根拠を示されたい。

 貴方様も組織の一員として、不自由な立場にいらっしゃることは重々承知しておりますが、貴方様も私、先住民族アイヌも同じ日本国に所属する同じ国民です。

 同じ国民として、アイヌ遺骨は研究材料にしてよいという事にはなりません。アイヌは、同じ国民として、多数派の日本人と同じ人権を有しています。

 今、世界は、様々な地域で様々な問題が起きていますが、一方、それだけに人権に対して敏感な時代です。日本政府には、アイヌ遺骨(DNA)研究について、世界に恥じない対応をされるよう期待しています。

 それでは、そちらはまだまだ暑さが続くと思います。ご自愛くださいますように。
 千葉 様                              木村』

 繰り返しになるが、木村さんは意見が異なる相手に対しても対話を閉ざさない。
 【チャランケ】の精神として、木村さんが篠田氏あてに強烈なラブレターを送りたかったのと同様に、もう一人、強烈なラブレターを送りたい相手がいる。

 その方が何方かは、このブログを良くお読みの方ならお分かりだろう。木村さんが、何時ラブレターを書くかは不明だが、木村さんから情報提供があった際は、ご紹介することにしたい。

 さて、話は変わる。
 本人によれば、ほんの数年前までは、人生を好き勝手に生きてきたという木村さんだが、数年前のアイヌデビュー以降は【アイヌとして人生を全うしたい】という考えになったそうだ。

 その為の行動の一つが、大学等に保管されている【アイヌ遺骨返還の推進=アイヌ遺骨DNA研究の阻止】だ。

 その決意は、安達氏あての手紙の文末を確認されたい。
 【先人たちの承諾なしに持ち去られたアイヌ遺骨の研究は絶対にNOです。私はいかなる手段を用いても、こんなにもアイヌを馬鹿にした研究は阻止する覚悟です。】

 さてさて、木村さんによれば、実は更に重要と考えている事があるという。

 それは【アイヌの未来=アイヌが日本人を含む世界の諸民族と伍して生きていく】というテーマだそうだ。

 その為には、まず教育。だが、一般的な高等教育はテーマが大きすぎるので、今回はさて置く。

 今回は、高度研究人材=いわゆる研究者=篠田氏、安達氏の仲間となるような研究者について触れる。

 我国におけるアイヌ政策は【内閣官房アイヌ総合政策室】が担っている。
 その【内閣官房アイヌ総合政策室のHP】は、首相官邸のHPの中にある。
 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/

 そこでは、こう記されている。

 『アイヌ政策推進会議では、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告書」(平成21年7月)を受け、アイヌの人々の意見を踏まえつつ、総合的かつ効果的なアイヌ政策を推進しています。』

 『内閣官房アイヌ総合政策室は、アイヌ政策推進会議の事務局を務めるとともに、政府のアイヌ政策に関する総合調整を行っています。』

 いずれにしても【アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告書(平成21年7月)】が基本ということだ。

 日本政府が賛成した2007年の【国連先住民族権利宣言】、翌年の【国会・アイヌ民族先住民族決議】、その翌年の【アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告書】という経緯の流れを考えれば、当然の事ではある。

 さてその中で、【研究】については、どの様に記述されているかというと・・・目次では、次のとおり。

 [目次]−[3 今後のアイヌ政策のあり方]−[(2) 具体的政策]−[A 広義の文化に係る政策]−[イ 研究の推進]

 ここでは、【@アイヌに関する総合的かつ実践的な研究】、【Aアイヌの人々が主体となった研究・教育等が進められるような環境づくりを進めていくこと】の2つが重要と記述されている。

 上記Aの観点からの【記述抜粋】は、次のとおり。

 『アイヌの人々が、アイデンティティの原点であるアイヌ語やアイヌ文化を将来に亘って安定的に実践・継承していくことを可能とするためにも、・・・アイヌの人々が主体となった研究・教育等が進められるような環境づくりを進めていくことが求められる。 ・・・

 アイヌの人々自身が研究に携わる機会が限られておりアイヌの研究者の人材育成が進んでいないこと等の課題があり、総合的かつ実践的な研究の推進が十分に図られているとは言い難い状況にある。

 このため、早急に、アイヌに関する研究やアイヌの人々も含めた研究者の育成等を戦略的に行う研究体制を構築していくことが必要である。・・・また、アイヌの人々に対する高等教育機関における教育機会の充実等の自主的な取組への支援も重要である。

 さて、この報告書が出てから10年が経過したが、成果(変化)はどうだろうか?
【ゼロ】ではない。だが、ほとんど成果は出ていないとしか言えないだろう。

 十分な成果が出ていると政府関係者が考えているならば、その成果をPRすればいい。新聞社等マスコミにデータを情報提供するだけだ。予算も何もいらない。だが、できないだろう。成果がほとんど出ていないからだ。

 ほんの少し話は変わる。この【アイヌ研究者(アイヌ民族である研究者)】を認めないような考えを持つ不見識な研究者がいる。

 私自身が確認(経験)した事例を紹介する。*まだ木村さんを知らない時期だ。
 ちょっと長くなるが、2011/11/14のブログの一部(抜粋)を再掲する。

 『・・・アイヌ人骨研究の中心となるだろう遺伝人類学者・篠田氏を招いた学習会が10月29日(土)に札幌で開催された。
 2011年10月29日(土)10:00〜12:00    会場:札幌エルプラザ「環境研修室」 
 主催 世界先住民ネットワークAINU    共催 チカラニサッタ

 テーマ『民族共生の象徴となる空間』作業部会報告について
 −アイヌの精神文化を尊重する機能−アイヌ人骨の慰霊問題を考える学習会
  篠田謙一氏をお迎えして(国立科学博物館人類研究部人類史研究グループ長)
 
 この時期、私は毎土曜日、友人と山にキノコ採りに行っているのだが、キノコ採りは翌日に延期し行ってきた。

 参加者は40名強であった。70分ほど篠田氏から「アイヌ民族の自然人類学的研究とその課題」の講演があった後、質疑応答が70分ほど行われた。

 篠田氏の講演及び質疑応答での発言で気になるところが数点あった。

 篠田氏の認識は、過去のアイヌ人骨研究の最大の問題点は[研究成果がアイヌに還元されていないこと]とのこと。

 もちろん、それも重要ではあるが、もっと重要なのは、「アイヌが望んでもいない研究を、アイヌの了解なしに遺骨(人骨)を盗掘し行っていた(いる)こと」であると私は考える。

 篠田氏はそれについての認識はないように感じた。
 篠田氏は、遺伝人類学研究に使用するアイヌ人骨は自分達研究者のものだと勝手に思い込んでいるらしい。

 質疑応答の回答発言に「アイヌ人骨を返還したら、研究はできなくなる。・・・」といった強硬なものがあった。

 親の遺骨を知らないまま持ち去られ、標本として大学等の研究室に放置されているという状況を強いられている年配の女性アイヌからも質疑が寄せられた。

 加えて、この方は、仲間のアイヌから「あいつは親の骨を金で売った」と噂され、「こんな悔しい想いはない。遺骨は返すと約束してほしい」と懇願した。

 これに対する篠田氏は「私はお話をお聞きするだけです。・・・」といった趣旨の発言のみだ。

 こういった回答の発言を聞く限り、アイヌ遺族への思い遣りは感じられない。

 私は、篠田氏の講演を直に聞くためこの学習会に参加したわけであるが、質疑を行うつもりはなかった。

 しかしながら、質疑応答開始後1時間ほどたったとき、参加者からの質疑が途絶えたこともあり、篠田氏のアイヌ人骨研究に対する考え方を明確に示してもらうことを目的に2点の質疑を行った。

 @現在、大学における人体研究は「献体」という仕組みで行われており、遺族の承諾は法的手続きである。このことと同じように、アイヌ人骨研究においても、まず由来(身元)が判明したものを遺族に還し、その中から遺族が遺伝人類学研究のために提供したい旨の申し出があったものだけで研究を進めるという方法がある。これに対してどう考えるか。

 Aアイヌ人骨の遺伝人類学研究については、日本人の学者・研究者が行う(行っている)ことから、アイヌ遺族の反発を受けているように感じる。であれば、20年後か50年後かはわからないが、アイヌ(民族)から遺伝人類学研究者が出てきたから研究を行う、それまでは遺骨は保存のみで手を付けない、という方法はどうか。これならアイヌ遺族の心理的抵抗も弱いと考えるが、いかがか。

 篠田氏の回答は、次のようなものだった。

 『その質問への回答は、さきほどお話ししたとおりだ。・・・
 私は、現実的でない話はしたくない。・・・20年待ったって、アイヌの人類学者が出てくるとは限らない。・・・』

 この回答について、私は再質問等を行わなかった。質疑の目的は篠田氏の考え方を明確に示してもらうことであり、その目的は私の予想を超えて達成されたからだ。
 
 どんな業種・分野であれ、社会常識に欠ける人間はいる。
 北海道旧土人保護法(明治32−平成9)では、[アイヌの資産管理能力の不足]を名目として北海道知事がアイヌ民族の共有財産を管理したが、篠田氏の考え方はここから進歩していないと思う。

 また、[自分たちの民族に関わる研究は自分たちで行う]という、世界ではあたりまえになってきている民族研究のあり方についても知らないらしい。

 篠田氏の回答に対しては、司会者の指示を待たず数名のアイヌが反発しての発言を行った。特に「20年待ったって、アイヌの人類学者が出てくるとは限らない。」に対しては、数名のアイヌが悔しさを滲ませて発言していた。

 [アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告(平成21年7月)]の記述である「・・・我が国が急速な経済発展を遂げていく中にあっても、アイヌの人々の生活面等における格差や学校や就職における差別は根深く残ったままであった。

 ・・・大学への進学率は、30歳未満の世代に限ってみても、全国平均の約半分である。また、7割以上の者が経済的な困難を訴え、進学希望者が進学をあきらめた理由についても、約4分の3の者が経済的理由を挙げている。・・・』

 を確認するまでもなく、アイヌの大学進学者、研究者、学者が少ない理由は、それを可能とならないような状況を日本人(日本政府)が為してきた結果である。

 それを逆なでするとは・・・、この社会常識のなさは・・・。この篠田氏の発言は一般社会においては許容できない事実ではあるが、同時に[篠田氏が、今日めずらしいほどの研究一筋の人間である]という事実をも示している。
 
 本当にずるい人間であれば、このような対応は取らない。いわゆる慇懃無礼な態度でのらりくらりの回答を繰り返し、時間切れを待つだろう。』

 篠田氏の当該発言については、2012/3/23のブログでも触れた。
 
 『・・・B人骨(遺体)研究は尊厳のある取り扱いがなされるべきであり、アイヌ人骨(遺体)研究は、アイヌ(民族)の研究者により行われるべきである。

 なお、私はBの考えを昨年10月29日に札幌エルプラザで開催された「アイヌ人骨の慰霊問題を考える学習会」において、直接、篠田氏に質問した。

 氏の回答は『私は、現実的でない話はしたくない。・・・20年待ったって、アイヌの人類学者が出てくるとは限らない。・・・』という不見識なものだった。

 いずれにせよ、ある識者が書いていたが、自分たちの民族の権利や文化は自分たちで研究するという、世界では当たり前になっている研究のあり方を、遅まきながら日本でも実現すべきである。』
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2019/8/11

もう一つの日本文化(アイヌ遺骨(DNA)研究における北海道アイヌ協会の罪ほか)  文化・芸術
 前回のブログの最後の部分で、【木村さんは、[日本人学者、日本政府のアイヌ遺骨(DNA)研究の推進]は、[北海道アイヌ協会が『強く反対するという毅然とした態度を示していない』ことが大きな要因となっていると考えている】と書いた。

 その後、木村さんは、関係資料を色々と集めていたようだ。先日、木村さんからKimura Projectメンバーへの緊急招集が掛けられた。【とんでもないことが確認できた】、【北海道アイヌ協会の加藤理事長は、国に対し、アイヌ遺骨研究を進めてくれという要望書を出している】との事。

 皆は、【いくら何でも、そこまでのことはないだろう】という思いだったが、取りあえず木村さん宅へ集まった・・・・。

 木村さんからは、様々な資料を基に説明があった。その中には、【先駆者の集い】という【北海道アイヌ協会の機関誌】がある。編集発行人は【公益社団法人 北海道アイヌ協会 理事長 加藤忠】である。

 その第136号(平成28年1月1日発行)に次の記事が掲載されている。特に重大な部分のみをご紹介する。

象徴空間・慰霊施設等について

 昨年(*注.平成27年)5月の当協会の総会において、慰霊や管理のための施設とその周辺環境の整備についての基本的方向性を協会の総意として確認し、・・・その実現を国に対し訴えてきているところです。

 ・・・昨年(*注.平成27年)11月、国における関係省庁ワーキング会議の議長である松永内閣審議官に対し、加藤理事長から要望書(主な内容は次のとおり)を手渡し、その実現を求めたところであり、現在、その対応が待たれるところです。

 <主な要望内容>
1 慰霊施設について
(2)慰霊施設の機能について

A 遺骨の調査研究が必要な場合には、本来は象徴空間の外に遺骨を移動することは望ましくないが、アイヌ民族が関与する厳格な手続きのもとで、必要最低限の期間に限って、大学・研究機関等において行うこととし、終了後は直ちに遺骨を慰霊施設に戻すべきである。

(3)研究のあり方について
   遺骨を用いた研究については、アイヌ民族との丁寧な協議及び情報共有のもとでなされるべきこと。

@ 研究の条件については、現在進行している研究者とアイヌ民族との協働作業の成果を踏まえて検討すべきである。・・・』

<【先駆者の集い】第136号の該当記事は、次のとおり>※クリックで拡大します。
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木村さんは、この資料を確認した時に、いくつもの疑問が浮かんだそうだ。

 [その1].ここに書かれているような【研究を要望する内容】が、【本当に総会で決議されたのか】?

 [その2].研究の進め方を事細かに要望しておきながら、【大学側等による遺骨の違法発掘や盗掘、謝罪】について、何も触れていないのは何故だ?

 北海道アイヌ協会は、過去において、【アイヌ遺骨の収集や研究のあり方について、真理の探求や社会への還元以前に、墓所からの盗掘や関係者へ収集目的や意義を伝えないなど、公正性に欠け、人間(アイヌ)の尊厳を踏みにじった経緯があるとの認識を持っている】と整理されたはずだ。 

 [その3].いや、それよりもまず、北海道アイヌ協会は、【国連先住民族権利宣言に基づく遺骨管理権】を有していない。

 実質的に【遺骨管理権】を有しているのは、国が平成30年12月に策定した【大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続に関するガイドライン】で規定されている【出土地域のアイヌコタン】ということだろう。

 【遺骨管理権】に関しては、【当該遺骨に権限のない北海道アイヌ協会の行為は、効力を有しない】。

 【効力を有しない北海道アイヌ協会の要望を国が受けても、国は、それを根拠に研究を進めることはできない筈だ】等々が頭一杯に湧いてくる。

 そこまで考えて、最初の疑問(その1)を確認するために、【平成27年5月の北海道アイヌ協会の総会決議】を調べたそうだ。

 決議は直ぐに見つかった。【先駆者の集い】第135号(平成27年10月31日発行)に掲載されていたからだ。

 だが、木村さんは、その内容を確認して愕然とした。

 確かに【慰霊及び管理のための施設とその周辺環境の整備について】総会決議は行っており、【決議文】も掲載されている。

 そして、【今後とも引き続きこの決議の方向で整備が図られるよう、理事長を先頭に国に働きかけてまいります。】と掲載されている。

 しかしながら、その決議文には、【研究】の【研】の字も書かれていない。【アイヌ遺骨研究についての決議は無い】。

 つまり、加藤理事長は、【北海道アイヌ協会の総会決議に基づかない要望を、国に対して行った】ということだ。

<【先駆者の集い】第135号の該当記事は、次のとおり>※クリックで拡大します。
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 これは、加藤理事長をはじめとする北海道アイヌ協会役職員全員が、(北海道アイヌ協会)会員全員に対して、【信頼に背く行為】を行ったということを意味する。

 総会決議に基づく行為と偽って、国の意向どおりの要望をおこなうという今回の行為は、【北海道アイヌ協会の会員全員】のみならず、【我国のアイヌ民族全員からの信義に背く裏切り行為】だ。

 【我国のどのアイヌからの信認・信託も得ていないという事実】を考えると、【[アイヌ遺骨の収集や研究のあり方]を加藤氏が個人的に国(日本政府)に要望したとしても、その行為は法的に無効】だ。

 同時に、加藤理事長は、北海道アイヌ協会の理事長という地位を悪用して、【日本政府(内閣官房アイヌ総合政策室)に対し、アイヌ遺骨を用いた研究についての提案(要望)を行った事】は、【北海道アイヌ協会の会員】を含む【我国のアイヌ民族全員の人権に損害を与えた】とも考えられ背任、または背信行為となるだろう。

 木村さんは怒りで暫くは体の震えが止まらなかったそうだ。

 さて、木村さん宅に集まったKimura Projectメンバーの間では、何故、このようなアイヌ民族全体を裏切る行為が、北海道アイヌ協会では、繰り返し繰り返し行われるのかが議題となった。色々な意見(推測)が出たが、最も説得力のあるものをご紹介する。

 先にご紹介した【先駆者の集い】第136号(平成28年1月1日発行)には、加藤理事長の【年頭にあたって】というあいさつ記事が掲載されている。その中に次の表現がある。

 【北海道アイヌ協会は、アイヌ民族へのあらゆる支援を目的に社会的信頼性を増す公益社団法人へ移行し、この年頭で1年9ヶ月をむかえました。

 昨年度は・・・平成32年度開催の東京五輪・パラリンピックでアイヌ文化の披露を想定した検討財源などが年度途中で確保され、なんとか慢性的資金不足が和らぎました。・・・】

<【先駆者の集い】第136号の該当記事は、次のとおり>※クリックで拡大します。
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 ・・・やはり、日本政府(内閣官房アイヌ総合政策室)は、【金(予算)】を【人質】にして、【北海道アイヌ協会を意のままに動かしている】ということだろう。

 この【金(予算)】を【人質】にされた【加藤理事長のあいさつ記事と合致する内容】が、2019/4/26ブログで紹介した【平成30年12月4日(火) 平成30年度 第2回 平取町アイヌ文化振興推進協議会】でも確認できる。

 発言者は、【某旧帝国大学の日本政府代弁人教授だ】。この会議での出席者名簿では【常本照樹(北海道大学アイヌ・先住民研究センター長)】となっている。次の発言だ。

 『私どもの面から見ると、大きな意味を持っているというのが、お手元の資料でいうと6ページに、概要の4番目に「アイヌ政策推進本部というものを設置する」というものがございます。これは内閣官房長官を本部長として、恐らく国土交通大臣を副本部長とする、関係大臣を含む組織としてアイヌ政策推進本部というものが設けられることになるわけでございますけれど。

 これまで2020年の東京オリンピックを目指して国が進めてきた財政主導、かなり無理をしてお金を出しているわけですが、そのオリンピックが過ぎると、継続的に財政支出することはできなくなるわけですし、それに伴ってアイヌ政策に対する裏付けというのも、かなり厳しくなるのではないかと。

 アイヌ政策が安定的に継続できるかどうか、危うくなるというような危惧もあったわけでございますけれど、今回、こういう形でアイヌ政策に責任を持つ政府の組織が法律によってきちんと確立されたということは、アイヌ政策が今後とも継続的に安定的に実施されるということが・・・大きな意味を持つものであると考えております。』

 冒頭の【私どもの面から見ると、・・・】という表現は、自身が北大の一研究所のセンター長ではないという意識の現れだ。

 【私は日本政府(内閣官房アイヌ総合政策室)の一員です】と自らゲロしている全くもって不用意な発言だ。

 このブログにおいて、過去数回、常本氏を【日本政府代弁人教授】と表現してきた理由は、こうした氏の権威追随者としての言動による。

 ともあれ、一般的には、どの様な組織でも<官や民からの資金を大量に受け入れれば独立性は低くなる>という真理はある。

 だが、我国のアイヌ(先住民族)関連予算は、【先住民族の権利に関する国際連合宣言】などを考慮して検討するものであって、東京オリンピックのイベント予算の一部になっていること自体が大きな誤りである。

 さて、話は変わる。
 前回のブログは、木村さんにとっても満足がいく内容だったようで、その印刷物を篠田氏及び安達氏の2大巨悪に送付したとのことだ。

 ただし、安達氏とは面識もなく、【何の挨拶もなしに送付するのは失礼だろうということで、手紙を付けた】との事。

 篠田氏とは何度も話をしている仲なので、手紙は付けなかったとの事だ。
 安達氏あての手紙を紹介する。

 『突然お手紙を差し上げます。
 私は、北海道の平取町という我国の中でアイヌ人口が多い地域に住むアイヌで木村二三夫と申します。

 貴方達の先輩方学者が、旧帝国大学時代などに研究の為と称して、違法・卑怯な手段で持ち去った同胞アイヌの先人達の遺骨を人権、尊厳と共に取り戻すという当り前の事に命がけで取組んでいます。

 貴方様とは一度も面識はございませんが、名声(悪名)だけは聞いております。アイヌ遺骨の問題を貴方達学者がどのように誤魔化そうと企んでも、違法・卑怯に持ち去ったという歴史事実は消しようがありません。

 貴方達学者には、改めて「アイヌネノアンアイヌ(人である人)」に立ち返り、このアイヌ遺骨問題を考えていただきたいと思います。

 まずは過去の歴史を振り返りアイヌ達に謝罪をし、許しを請うことからが、アイヌ遺骨問題は解決の始まりになるのではないでしょうか。

 貴方様がどのようにお考えになっているのか存じませんが、謝罪・許しなどの行為が何もなされることなく、この積年のアイヌ遺骨問題が解決されるとお考えでしたら、世間知らずもいいところです。世界のどこに行っても間違いなく恥知らずの学者と言われるでしょう。

 京大、東大は、研究対象とした動物達の慰霊はしていますが、保管しているアイヌ遺骨の慰霊はしてこなかったという、アイヌにとっては屈辱的な人権侵害の事実は聞いております。アイヌはモルモット以下なのでしょうか。

 この事は貴方達学者の「人としての恥ずべき行為」ではないでしょうか。京大、東大の関係学者は、このことを理解できる心、能力をお持ちなのでしょうか。

 私どもは、この件を人権問題に敏感な世界人権委員会に発信するという考えがあります。この事が実行された場合、海外をはじめ心ある学者・研究者からはどのような反応があるでしょうか。

 恐らく、これは我国の名誉を損ない、世界に恥を晒すことになるでしょう。それは私達アイヌにとっても後世に残る不名誉になります。

 私は、お送りしたブログにも載せたように、アイヌDNA研究自体には少々関心があります。いつでも自分の身体等を検体として提供する準備はできています。

 また、何処かの誰かに誑かされ、アイヌDNA研究を良しとする考えの北海道アイヌ協会の役員連中や、同じようにアイヌDNA研究を良しとするスンケアイヌ(嘘のアイヌ)も多くいると思います。

 アイヌDNA研究は、それを良しとする者達の検体等で十分ではないでしょうか。繰り返し言いますが、違法に盗掘されたアイヌ遺骨にも、道義的に人権、尊厳はあります。

 先人たちの承諾なしに持ち去られたアイヌ遺骨の研究は絶対にNOです。私はいかなる手段を用いても、こんなにもアイヌを馬鹿にした研究は阻止する覚悟です。

 安達 様                            木村』


 さてさて話は変わる。前回のブログの時に紹介しようとしてできなかった記事がある。今回も同じことになりそうなので、不十分ながらも紹介して終わらせよう。

 私の中学時代からの友人で、現在は外国人向けの英語でのバードウォッチングガイドを職業としている男がいる。奇しくも二大巨悪の一人と同じ苗字なので、以前、恐る恐る親戚でないかと聞いたが親戚ではないとの答えを聞いてホッとしたことがある。

 さて、彼は日本中(北海道から沖縄まで) の鳥を、英語でガイドしている。やはり客はアメリカ人、イギリス人が多いが、ヨーロッパ人やオーストラリア人、南アフリカ人、マレーシア人、韓国人、その他、英語で説明が聞ける人間ならば、どの国でもよい。

 世界中のバーダーにとって、北海道は、シマフクロウ、オオワシ、オジロワシ、タンチョウヅルという見応えがある大型鳥類がいるので人気がある。彼は年数回は来道し、外国人を案内しているとの事だ。

 その彼が、近々(といっても来年以降)、【北海道のバードウォッチングとアイヌ文化も含めた北海道の文化を組合せたツアー】を実施する。【Birds and Culture】がテーマというわけだ。

 前回、前々回のブログで中国旅行を案内したが、その帰国後、それほど日を置かず、その<下見旅行>に同行した。実施時は、道内は4泊5日になるが、今回の下見旅行は根室地区を外した3泊4日で実施した。

 行程全体に、アイヌ語語源の地名、アイヌ語語源の鳥名(エトピリカやケイマフリなど)が出てくると思われるが、アイヌ文化を堪能する場所は、阿寒湖(アイヌコタン)になる。

 阿寒湖アイヌシアター〈イコロ〉では、複数の公演が行われている。下見旅行時の公演は次の3種類だった。
 @アイヌ古式舞踊、Aイオマンテの火まつり、Bロストカムイ。

 今回の下見旅行時では、全て(3種類)を鑑賞した。最終的に実施時は【@アイヌ古式舞踊】でいこうということになったが、3つともに素晴らしい出来栄えだと思う。

 若干の写真を紹介する。
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2019/7/27

もう一つの日本文化(浦幌町立博物館のアイヌ遺骨返還ほか)  文化・芸術
 このブログは不定期発信だ。発信間隔に決まりはないが、月1回くらいは発信したい。前回(2019/6/4)ブログは、中国(北京)旅行中、北京のホテルからアップした。

 帰国後は、木村さんなどの手伝いを行っているが、公表できる内容(状況)ではないので公開しない。そうこうしているうちに、7月も終わってしまう、慌てて書き始めた。

 今回のブログは、「標題=中国(北京)旅行で考えたことほか」で書き始めたが、標題の新聞記事が出たので、書きかけの文章に追加する形でアップする。

 前回ブログで私の中国(北京)旅行の概況を書いたが、一つ書き忘れていたことがあった。宿泊は北京の下町(前門)で四合院を改装した1泊4,000円の安ホテルと書いたが、今回は10泊なので靴下・下着等は洗濯をしていた。

 洗剤は1泊ごとに配付される小さなビニール袋入りのシャンプーを使っていた。洗濯物は夜間だけ干していて昼間は取り込んでいたが、ある日、干しヒモをしまうのを忘れた。

 その日、部屋に戻ると、中国語のメモと共に液体洗剤(洗衣液)が置いてある。部屋の掃除の人が自費で買ってくれたということだ。私の中国旅行(26年間に14回)では、今までも同じような好意を何回か受けた。中国人は親切だと思う。

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 さて、中国のホテルは、何処でもWIFI環境になっており、ノートパソコンでネットが使える。ただし、YahooやGoogleにはつながらない。前回書いたが朝日新聞のニュースにはつながるが毎日新聞のニュースにはつながらないなど、中国政府の胸先三寸で、情報が管理される。

 *昼間つながらない情報に、深夜はつながるなど不思議な現象もある。この情報管理は担当者が手動でやっているのであろうか。

 さて、北京のホテルで色々なアイヌ関係情報を検索していた。そうしたところ、直接的にはアイヌのことではないが、興味深い新聞記事を見つけた。

■河北新報、宮城  2019年06月01日土曜日
【遺体取り違え解剖 遺族は法的措置も検討 仙台厚生病院】

 仙台市青葉区の仙台厚生病院が太白区の男性(84)の遺体を取り違え、5月27日に誤って解剖していたことが31日、分かった。病院は「完全なケアレスミス」と事実関係を認めている。遺族は法的措置も検討している。

 男性は昨年12月に交通事故に遭い寝たきりとなり、5月26日に入院先の同病院で亡くなった。医師から「(交通事故を巡り)裁判をするのであれば、解剖で死因を明らかにした方がいい」と提案され、遺族が病理解剖に同意した。

 しかし予定していた翌27日、解剖を担当する医師から「解剖で事故と死亡の因果関係を証明することはできない」と言われ、解剖を取りやめた。

 27日には肺がんを患って亡くなった別の男性の病理解剖も予定されていた。心臓と肺を取り出した段階で寝たきりだった男性の遺体であることに気付き、臓器を戻して縫合した。

 病院によると遺体には個人を識別する目印などがなく、解剖室に届けられた承諾書や死亡診断書は肺がん患者のものだった。年間の病理解剖が20件以下で、同じ日に複数の遺体を取り扱う例はほとんどなかったといい、取り違え防止策もなかった。

 病院側は「完全なケアレスミスで平謝りするしかない。ご遺族に改めて謝罪と説明をした後、警察に届け出たい」と話した。

 誤って解剖された男性の長女(57)は「遺体とはいえ愛する父の体を意に沿わない形で傷つけ、辱められた。どんな対応をされても傷つけられた事実は消えないので怒りも消えない」と述べ、法的措置も辞さない考えだ。

 私は、この記事を読んだ時、この記事内容が、【日本人の遺体に対する考え方、取扱い方の見本】だと感じた。

 解剖の承諾を得ていない遺体を取り間違えた病院側は、【完全なケアレスミスで平謝りするしかない。ご遺族に改めて謝罪と説明をした後、警察に届け出たい】と、自分たちのミスを全面的に認めている。

 そして、誤って解剖された遺族側は、【遺体とはいえ愛する父の体を意に沿わない形で傷つけ、辱められた。どんな対応をされても傷つけられた事実は消えないので怒りも消えない】と述べ、【法的措置も辞さない考え】とのことだ。

 私は帰国後、木村さんにこの新聞記事を印刷したものを送って、【実質的に遺体の人権、物質的な言えば[遺体の所有者]=遺族の人権をこれだけ大切にする日本人】が、こと[アイヌの遺骨]に対しては、全く異なる取扱いをしている。ここを問題提起したいと告げていた。

 2017(平成29)年6月26日、平取でシシリムカ文化大学講座が開催され、国立科学博物館副館長/日本人類学会会長の【篠田謙一氏】の講演があった。*2017/7/8のブログ参照

 私は、2016/10/2及び2018/3/9のブログで、篠田氏を【3歳児並の道徳判断もできない輩】と書いた。次の文書だ。

 『アイヌ人骨を研究している学者の中には、3歳児並の道徳判断もできない輩がいる(自分の物と他人の物の区別が判らず、欲しい欲しいと言い張る)が、3歳児も幼稚園に行くようになると、社会性を身に付け多少の我慢や譲り合いを覚えていくものだ。早く幼稚園児並の社会性を身に付けてほしい。』

 このシシリムカ文化大学講座で篠田氏は、次のように発言した。
 【謝罪は研究者とアイヌの両者間に信頼がなければ出来ない。そしてその信頼は、両者がお互いの行動を認め合うことから始まる。それしかない。】

 【両者がお互いの行動を認め合うこと】という発言は、【アイヌが研究を認めれば、謝罪してやる】という意味なのだろう。

 私が篠田氏を【3歳児並の道徳判断もできない輩】と書いた所以はこういったところだ。

 また、篠田氏は、山梨大学の安達氏と共に2010年から札幌医科大学に保管されていたアイヌ遺骨を利用して、DNA研究を実施した。発掘されたコタンの構成員であるアイヌの承諾は全く得ていない。*2018/7/30のブログ参照

 木村さんを含む9名は、2018年5月、「国立科学博物館および山梨大学に対する質問状」を出したが、同年7月に回答あった内容は【…ご指摘のあった件について、…問題となる点はないものと認識しています。】というもの。

 特に【研究に使用された32体の遺骨は、DNAサンプル採取の為、損傷を受けた。損傷を受けたアイヌ遺骨に対し、いかなる責任を表明されるのか。】という質問に対する回答は、次のとおりだ。篠田氏は、仙台厚生病院へ行ってそこの医師の爪の垢でももらって来た方が良い。

 回答【…遺骨を傷つけるのは必要最小限、…遺骨の歯…をDNA試料として用いる方法…、歯を…戻してしまえば、遺骨の外観が損なわれることはありません。】、【貴団体が考えておられる「損傷」の程度は分りませんが、私たち研究者もむやみに遺骨を損傷しようとしているわけではありません。】

 遺骨を傷つける事について、仙台厚生病院の新聞記事の表現でいうと【(本人及び遺族の)意に沿わない形で傷つけ、辱めた】という意識はゼロだ。

 私が、前述した【実質的に遺体の人権、物質的な言えば[遺体の所有者]=遺族の人権をこれだけ大切にする日本人】が、こと【[アイヌの遺骨]に対しては、全く異なる取扱いをしている】と書いた根拠はここにある。

 問題は、今後こういった【遺骨(遺体)の本人や遺族の人権を無視した(DNA)研究】が安易に行われる可能性があるかどうかである。

 木村さんは、2018(平成30)年1月26日、国(内閣官房アイヌ総合政策室)の小山参事官と会談を行った。国は、【アイヌ遺骨のDNA研究】を進めたいらしく、【アイヌ遺骨の所有権】について、曖昧な説明に終始した。*2018/1/28のブログ参照

 また、2018(平成30)年12月に出された【大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続に関するガイドライン】に対する木村さんから【内閣官房副長官補あての確認文書】において、【アイヌ遺骨等を用いた調査・研究を行う】ことが確認された。*2019/4/2のブログ参照

 数万人のアイヌの人権よりも、篠田氏に代表される数人のDNA研究者の研究要望を優先させる国(内閣官房副長官補)、これが先進国で民主主義国といわれている日本の実態だ。

 私は、こういった事実を知るに付け、日本人の一人として何かをせざるを得ない気持ちになる。

 アイヌの墓地から、当時も刑法上違法(遺骨盗掘「墳墓発掘死体損壊等」-5年以下懲役)の遺骨発掘を行ったのは日本人、その後大学等で獣の骨と一緒の管理を行っていたのも日本人、近年のアイヌ遺骨返還に対し裁判上での対応(和解)しか行わなったのも日本人、アイヌ遺骨の地域返還を決めたガイドラインにおいても【アイヌ遺骨等を用いた調査・研究を行う】旨を示した日本人。

 来年4月に白老町にオープンする【ウポポイ(民族共生象徴空間)】内の慰霊施設、国(内閣官房副長官補)は一体でも多くのアイヌ遺骨をここに集約し、将来の【アイヌ遺骨等を用いた調査・研究】を行おうと必死だ。

 しかし、国においては、この【研究の為の慰霊施設】は10年以上前から設置が決まっていたというのだから、とんでもない話だ。2018/11/9のブログの一部(篠田氏の説明)を再掲する。

 『アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会(第5回)議事概要  日時:平成21年2月26日(木)13:30〜15:04  場所;総理官邸4階大会議室
 
 1.自然人類学から見たアイヌ民族について − 国立科学博物館 研究主幹 篠田謙一 氏からのヒアリング

 資料1に基づき説明。説明概要は以下のとおり。
 「第5 アイヌ人骨収集の歴史と倫理的な責任、今後の研究について

 …このような人骨の研究、特にDNAの研究などは、今後更に研究が進めば、より多くのデータを得る可能性があります。ですから、このような人骨も合わせて、慰霊とそれから研究というものの両方ができるような設備が整って、今後アイヌ研究あるいは日本人全体の成り立ちの研究といったものが更に進むといったことを私どもは願っております。

 先に紹介した【河北新報、2019年06月01日記事−【遺体取り違え解剖 遺族は法的措置も検討 仙台厚生病院】の記事論点とあまりにも違い過ぎないか。日本人に良心はないのか、と思っていた。

 今でも、そう思っているが、一昨日(7/24)、若干溜飲が下がる新聞記事を読んだ。

■北海道新聞 令和元年7月24日
【浦幌博物館アイヌ遺骨返還へ 6施設、白老に集約】

 十勝管内浦幌町の町立博物館が、保管するアイヌ民族の遺骨1体を浦幌アイヌ協会に返還することが23日、分かった。博物館や研究施設から地元のアイヌ民族団体へ遺骨が返還されるのは初めて。

 アイヌ民族の遺骨を保管している他の12施設のうち、少なくとも6施設は、来年4月に胆振管内白老町に設けられる「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の慰霊施設に遺骨を集約する方針であることも明らかになった。

 遺骨は近世以降の女性の頭骨や大腿(だいたい)骨の一部。町が1974年、町内の十勝太若月遺跡(縄文早期〜擦文時代)の発掘調査で発見した。浦幌町立博物館は、浦幌アイヌ協会で受け入れ環境が整っていることや町立博物館では尊厳ある保管が難しいことなどから返還を決め、8月に再埋葬する。同協会の差間正樹会長は「自分たちの手で埋葬でき、うれしく思う。遺骨を地元で受け入れる流れができれば」と話す。 

 同博物館以外で、遺骨を保管していることが明らかになっているのは、道内外の博物館や研究所など12施設。北海道新聞が各施設に今後の遺骨の取り扱いについて聞いたところ、室蘭市民俗資料館など6施設が地元アイヌ協会などと合意の上でウポポイ内に納めると回答。伊達市噴火湾文化研究所と上之国館調査整備センター(檜山管内上ノ国町)は、それぞれ納骨や慰霊できる環境を備えているとして今後も保管を続けると答えた。

 また樺太のアイヌ民族の遺骨を保管するいしかり砂丘の風資料館(石狩市)は、樺太アイヌ協会の意向を踏まえ、ウポポイには納めない方針で、今後の対応を協議中。東京国立博物館は地元アイヌ関係団体への返還も視野に調整している。

 ウポポイへの遺骨の集約を巡っては、一部のアイヌ民族から「遺骨が出土した土地に戻すことが尊厳ある慰霊だ」などと異論もある。博物館などが保管する遺骨について、文化庁は4月から各施設の返還意向などを調査していた。(斉藤千絵)』

 この【浦幌博物館のアイヌ遺骨の地元返還】は、浦幌アイヌ協会の差間(サシマ)会長の熱意の結果だと思うが、(私は何もしていないが、)日本人にも良心がある証を示したように感じ、とても嬉しい。

 記事によれば、石狩や東京なども地元返還で調整中とのこと、海外の博物館の実態を考えれば当然という声もあるかもしれないが、我国政府は訳の分からない【日本型先住民族政策】とやらを進めている。

 国の方針に反する事を行うには国からの圧力もあるだろう。
 だが、1つでも多くのアイヌ遺骨を地元に返還するのが、日本人の良心である。

■追記
 このブログは、木村さんの作品(エッセイ、FMピパウシ原稿など)以外は、私の考えに従って書いている。だが、コト内容が【アイヌ遺骨】、【アイヌ遺骨研究】のことになると、木村さんから受けた影響は大きい。

 また、ブログの記載内容も、木村さん自身に係る部分も多いことから、毎回、木村さんのチェックを受けてから発信(公表)している。今回の原稿を木村さんに送った結果、次の2つの追記依頼があった。

 依頼@−木村さんは、【アイヌ(地元)側の承諾を得ないでのアイヌ遺骨(DNA)研究に反対している】だけであって、【一般的な遺体解剖の取扱いのように本人及び遺族から明確な研究協力の意思が示されているアイヌ遺骨(DNA)研究に反対しているわけではない】とのこと。

 依頼A−発掘地のアイヌの承諾なしにアイヌ遺骨のDNA研究を実施した【篠田・安達という人非人学者】に対する木村さんの怒りは想像を絶するものがある。(私はその怒りが実行されないことを願うばかりだ。)だが、【木村さんの怒りは、日本人に向かうものばかりではない】とのこと。

 (篠田・安達による)札医大保管のアイヌ遺骨・DNA研究への質問状に対する回答は、【…ご指摘のあった件について、…問題となる点はないものと認識しています。】というふざけたものだが、その回答の一部分は【研究開始は2007年、[当時唯一のアイヌを代表する団体であった北海道ウタリ協会]の関与の下に行われた】というものだった。*2018/7/30のブログ参照

 木村さんは、【日本人学者、日本政府のアイヌ遺骨(DNA)研究の推進】は、【北海道アイヌ協会が[強く反対するという毅然とした態度]を示していない】ことが大きな要因となっていると考えている。この部分についても、【今後、木村さんからの行動が示されるかもしれない】とのこと。
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2019/6/4

もう一つの日本文化(「FMピパウシ 木村二三夫の言いたい放題 5月草稿」ほか)    文化・芸術
 先月(5月)は、山菜採りのシーズンで、(毎年のことであるが、)そちらに精進していたこともあり、1本しかブログをアップできなかった。札幌での山菜採りのシーズンが終わり、ニセコ(アンヌプリ)のタケノコ(山菜)のシーズンである6月中旬まで間がある。その間隙を縫うように、中国(北京)旅行(10泊)を行った。

 この原稿も北京のホテルで書いている。ホテルは北京の下町、前門地区の四合院(家の敷地四方が石造りの建物で中庭のある古民家)を改装したものだ。とても小さな部屋で1泊4,000円だ。(*日本のイメージでは、浅草の裏路地の古民家を改装したホテルといったところ)

 実は北京旅行は3回目。1回目は26年前(1993年)、2回目は21年前(1998年)で、大分間の空いた訪問になった。2回目は父母及び3男を連れての旅行。父母にとっては初めての海外旅行ということもあり、旅行会社のツアーに参加した。

 そういったことで、今回の北京旅行は、26年前、私が初めて体験した中国(北京)を再体験するのが目的だ。その為、当時のホテルに泊まりたかったが、建物はあるものの既にホテルではなくなっていた。そこで、ちょっと中心部に近く、四合院も体験できる今回のホテルに決めた。

 今日は7日目。毎日行き当たりばったりで色々なところを見て回っている。いくつかの感じたことをご紹介する。まずは、26年前のホテルの周辺、天橋地区を散策した。私にとっての中国の原体験はここにある。

 当時は、今回の前門地区も、それに隣接する天僑地区も同じように【庶民的で、ごちゃごちゃした地域】だったが、前門地区は2008年の北京オリンピックに合わせて大きく整備された。メイン通りは車両乗り入れ禁止の歩行者天国で観光電車(市電)が行き交うオシャレな街に変貌していた。

 ただし、並行する昔ながらの通りは、観光客向けの土産物屋が目立つものの、昔ながらの大衆食堂も多く、値段も北京市中心部に比べれば安い。イメージとしては、イオンやカルフールなどのショッピングセンターや北京中心部のファストフード店でのラーメンが400円とすれば、ここは250円だ。

 そして、隣接する天僑地区は、26年前から時が止まってしまったかのように、街並みに変化がない。ここのラーメンは150円だった。この変化がないという事実は、ここに住んでいる人たちにとって【良い事なのか、悪い事なのか】、私のような部外者には判断できない。開発=進歩、発展と考える人達にとっては、【開発に取り残された地区】ということになるだろうが・・・。

 *この地区の風景は、日本でいえば、東京オリンピック前の街並みといった感じだ。トロリーバスも走っている。

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 話は変わる。自宅の妻からメールが来た。このホテルに限らず、中国は色々なところでWi-Fiが使えるのは、とても便利だ。木村さんからは一昨日、携帯にрェ来たが、妻の方にも私が中国当局に拉致されていないかとрェ来たとのこと、特に今日は【6.4天安門事件30周年】で北京は厳戒態勢とテレビで報道したらしい。

 このメールで、合点がいったことがある。実は一昨日、中国国家博物館に行った。展示規模は、上野の国立博物館の3倍はあるだろう。9:00から17:00までいても、とても見切れない。私は飛鳥・白鳳・天平文化が好きで、4年前の一時期、奈良に住んだくらいだ。正倉院の文物などは、日本以外にはほとんど現存していないと思っていたが、さすがは中国だ。この時代の文物もしっかりと展示されていた。

 また、様々な時代の陶磁器の展示はとても見事だ。陶磁器好きな人は、これだけでも日本からくる価値があると思う。しかも入館料は無料だ。

 さて、話が逸れてしまった。この博物館は天安門広場の東側にあり、天安門広場、毛沢東記念館訪問と一緒の【手荷物安全検査】と【身分証明書(外国人はパスポート)検査】がある。

 手荷物安全検査もエックス線検査だけでなく、カバンを開け、ガイドブックのページをめくり、ファイルに入れてある書類の中身まで確認する厳重なものだ。パスポート検査も、最初は若い女性警官だったが、男の警官に引き渡された。実は、今回の北京旅行では一度も髭を剃っていないので、顔の下半分は5ミリ以上のびげ面だ。これも関係したのかもしれない。

 最初は中国語で聞かれたが【中国語はできない】と答えた。すると、英語は話せるかと聞く。本当は英語もできないのだが、ここで【できない】と答えてしまうと、別室へ連れていかれ、日本語で根掘り葉掘り聞かれる可能性があると考えた。私は【簡単な事なら分かる】と答えた。すると、ジャーナリストかとか、ニュースレポーターかとか、幾つかの質問を受けた。

 どうも、日本人であることは信じているようだが、日本以外の国で活動していると考えているようだ。私は、【日本の羽田空港から北京に来て、日本の羽田空港に帰る】ということを説明してやっと解放された。

 中国は、国家が絡む重要な博物館施設は無料のものがある。今回の旅行で真っ先に訪問した【中国人民抗日戦争記念館】も同様に無料だった。その代わり、中国国民は身分証明書、外国人はパスポートが必要だ。ここでのパスポート検査は、パスポートのICデータの確認もなく、ただ私の顔と写真の確認だけだった。

 この記念館には26年前に来た。今回、どの様に展示内容が変わったかの確認の再訪だ。まず、驚いたのは、規模が恐らく10倍くらいになったと思う。26年前も修学旅行生だろうなと思う学生はいたが、今回の学生の数は、その規模・人数が全く違う。同行してくれた中国人によれば、これが【愛国教育】だという。

 不思議なことに、日本語のパンフレットはあるのだが、展示の説明文は中国語と英語だけで日本語がない。日本人こそ、ここに来て、中国側展示の内容を知るべきだと思う。それとも、下手に日本語説明を付けると、日本のネトウヨなどが揚げ足取り的なもめ事を起こすことを恐れての措置か。

 今回は、時間があったので、日本語の音声ガイドを借りて、じっくり鑑賞した。展示内容自体は、細かいことを除けば、問題ない。正しく日本が中国で行った様々な悪事の事実だ。中国人(学生)も日本人も知るべき内容だ。

 だが、この後の食事で同行してくれた中国人に話したことだが、【愛国教育】と銘うって行う行為は、過去の歴史事実からも危ういものが多い。例えば、日本が最も強く愛国教育を行ったのは昭和15年〜20年だが、その時、日本が中国でしていた不当行為を隠し、【自国は全て正しい】という前提での愛国教育だった。

 国家(政府)というものは、何かやましい事をしている時は必ず国民に隠す。そして、そのやましさを糊塗・誤魔化す為に殊更声高に【愛国教育】などの目くらまし政策を行う。そして上級公務員や事業関係者は、その事実を知っているが自己の栄達(出世)や自己保身の為に口を閉ざすという歴史事実が、現在も過去も様々な国家で行われている(行われた)。 

 この展示品の中に【不許可】と印が押されている写真が何枚かあった。同行の中国人に【この写真は誰が撮影して、この不許可印は誰が付けたのか】と聞くと「分からない」という。私は、恐らくだが、【写真を撮ったのは新聞社から派遣された従軍記者】、「不許可印は軍の検閲で付けられ、日本には送れなかった(日本には知らされなかった)写真】だろうと説明した。

 続けて、現在中国は、愛国教育を進める一方、ウィグル人やチベット人、モンゴル人に対し、子供は学校内での民族語の会話禁止、大人には収容所収監など行っていながら、国民には何も知らせていない。外国からの情報も、ネット遮断で分からないようにしている。これは本当の愛国教育ではないよ、と私の考えを述べた。

 ついでに、もう一つ書く。今までは事情があって、ノートパソコンも携帯電話も中国に持ち込んでいなかった。今回初めて中国国内で使用しているのだが、情報管理社会とはこういうものかと痛感した。例えば、朝日新聞のニュースにはつながるが毎日新聞のニュースにはつながらないなど、中国政府の胸先三寸で、情報が管理される。

 日本の戦前の新聞検閲なんてものではない。また、中国入国に際しては、北京空港で両手の指10本の指紋認証データと顔認証データを取られた。もちろん、これは、自国民(中国人)を含む全ての入国者に対して行われているものだが、自国政府にも提供していない生体情報を他国政府に提供しなければならないことも抵抗があった。

 中国国内では、通常、左手4本の指紋データと顔認証データで本人確認していくそうだ。

 上記のような事柄ばかりを書いていると、北京で学習活動でもやっていると思われてしまうが、実態として全くそうではない。散策途中で、ゴジラ2【『哥斯拉2』 怪獣之王 王者争覇】の映画ポスターを見れば、シネコンを探して観に行く。私の北京滞在(旅行)は行き当たりばったりの極楽とんぼだ。

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 さて、一つ思い出したことがあるので、ちょっとだけ報告する。このホテルから西に2キロほど離れたところに【牛街】という地区がある。ここは中国の少数民族の一つでイスラム教徒である【回族】の街だ。

 街の入口に石碑があり、【牛街】という文字を取り囲むように【和合】という文字がいくつも書かれている。【回族】自体は、中国の唐時代から中国に住んでいるそうだが、ここ牛街にあるモスク【牛街礼拝寺】は996年創建という。

 この牛街をぶらぶら歩いて、いろんな店を見て、食べてをしたが、顔立ちでいえば、ほとんどの人達は普通の中国人(漢民族)と変わらない。だが、彼ら(回族)自身も、一般の中国人(漢民族)も、彼らが回族であることを否定する人間はいないのだろう。

 彼らはイスラム教という文化を持っているとしても、他民族にもイスラム教徒はいる。やはり、民族とは自分のアイデンティティという自己意識なのだなと改めて感じた。

 さて、毎回後追いになってしまったが、「FMピパウシ 木村二三夫の言いたい放題 5月分草稿」をご紹介する。
 *草稿ですので、実際に放送されたものとは、若干の違いがあります。

■FMピパウシ 5月分草稿

 人間は一体どうなってしまったのでしょうか。身勝手な限りのない欲望が、プラスチックごみに形を変えて世界中の海に散乱し、世界中の魚介類、海洋の生態系に深刻な影響を与えています。

 また、AI(人工知能)が、これまで人間にしかできなかった知的な行為である「認識」、「推論」、「翻訳」、「創造」などの分野において、人間の中でも最も優秀な人間以上の能力を持つ存在になるのではないかと思われる程の進化が進められています。

 米グーグルの囲碁AI「アルファ碁」が、人類最強の棋士に勝利したのは、2年前です。

 工学的に考えれば、AIはあくまで【道具】です。【便利な道具として使えばよい】という考えもありますが、現実は、AIに仕事を奪われる職業が多数出てくるといわれています。本当にこれでいいのか。今後、人類は、どうなってしまうのでしょうか。

 FMピパウシ・リスナーの皆さん、イランカラプテー。
 木村二三夫の言いたい放題の時間です。

 今回も言わせていただきます。今こそ、アイヌ民族などの人類の歴史において、【積み重ねられてきた知恵・精神文化】に学ぶ時代ではないでしょうか。

 数日前のテレビ番組の中で、爬虫類の好きな女子がこんなことを言っているのを聞きました。『地球上から人類が消えても自然は滅びないが、地球上から昆虫や爬虫類が消えると3〜4年で自然は滅びるだろう』。重く恐ろしい話ではないでしょうか。

 しかしながら、同時にこうも思いました。【こういう人もいるんだ】と。こういう人たちがたくさんいれば、【自然を救うことは、まだ、間に合うかもしれない】と。あの番組を見て、何人の人が、あのメッセージの恐ろしさに耳を傾けたことでしょうか。

 私は、長い間、山林労働者として働いてきました。その私には多々思い当たることがあります。ここ数年、山歩きをしていて、・・・【キキリ】、アイヌ語で【虫】を意味しますが・・・、植物の繁殖に不可欠な受粉という仕組み。その多くは、キキリが仲立ちをしております。

 自然を維持する為に大事な仕事を担っているキキリが、ここ数年で随分と減ってきたように思います。その要因の一つは、誰の為、何の為なのか、必要のないと思える河川環境の整備、具体的には貯水ダム、治山ダム、砂防ダムの建設にあるのではないでしょか。

 そして、カムイ達(山の動物達)をはじめ、自然のあるべき姿の維持に何の配慮もなく【広範囲に渡る山々の乱伐】を行い、その跡には、針葉樹、カラ松、トド松を植林することにも問題はあります。この針葉樹の森には、キキリも、カムイ達も近寄ろうとはしません。

 自然林の多くは、キキリが受粉の仲立ちをしています。そのキキリが少なくなり受粉がいきわたらなければ、当然、木の実は生りません。それらを主食としているカムイ達、特にキムンカムイ(ひぐま)が、冬眠の為に必要とされるニセウ(どんぐり)が少なくなった事により、仕方なく人家近くの里山を徘徊することになるのは、生きる為に当然の事です。

 そんなキムンカムイ達が悪者にされ、駆除されることも、近年多々あります。こんな結果を生みだす環境を作った責任は、私達人間にあります。

 明治の初め頃、アイヌモシリでは、ホロケウカムイ(エゾオオカミ)が3千頭近く生息していました。私の先祖が強制移住させられる原因となった【新冠の御料牧場】。この牧場の馬を守るということで、お雇い外国人であるエドウィン・ダンの提案により、1879年の夏から秋にかけてストリキニーネを用いた毒餌により駆除が実施されました。

 そういった事などが原因でホロケウカムイは絶滅しました。これから先の未来において、自然界における様々な懸念があります。犠牲になったホロケウカムイの二の舞だけは絶対に避けなければなりません。

 この地球上で、未来永劫、私達人間とカムイ達が共存共栄の道を歩む為に最も効果のある方法は、AIで分析することではありません。

 私たち自身が過去から学ぶことです。例えば、このアイヌモシリにおいて、ここ数百年の間、アイヌがどのような暮らしをしてきたのか。そして、150年前の明治政府による北海道開拓以降、アイヌが、自然がどのように取り扱われてきたのか。

 そういった事を学ぶことにより、カムイ達が住みやすい環境、私達人間が【アイヌ ネノアン アイヌ】人間として生きていける環境を、皆で創り上げていこうではありませんか!

 木村二三夫の言いたい放題の時間でした。イヤイヤイケレ。

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