たとえば、お子さんと一緒に山に登る時、子供が途中で疲れてしまって「もう歩けない」と言ったら、お母さんは何と仰るでしょうか、、「もうちょっとだけ頑張ろう」「少し荷物を持ってあげよう」「一緒に休もうか、、」
最近、立て続けに3人のお母様が「家での練習の時、喧嘩になってしまって、、」「一言でも何か言おうものなら練習しない!と言うんです」 昔も今もよくある風景ですが、お子さんだけではなく、お母様の言い方にも少し問題があるかもしれません。
まず、一緒に頑張ろう!という空気が必要です。先輩の先生は、レッスンの時に怒る先は子供ではなくお母様でした。「どうして練習させて来ないの」「音程が悪い」・・ その風景を見て、子供は部外者?というような印象を持ったので、私はそのようなレッスンはしません。でも偶に、そのように親に怒った方が、子供は「お母さんが怒られている、、これではいけない」と思って頑張るかもしれない、、と思ったりするのです。
お母様と先生対子供・・ではなく、先生対お母様と子供・・なのです。練習が出来なかった時、「申し訳ありません」と謝るのはお母様・・ なかなか上手に話せないのですが、、子供もお母様も、又先生に対しても、お互いに甘えがあって、それは状況を知る為に良いこともあるけれど、殆どの場合、良くないことが多いです。
子供に対して、対処療法として叱るのではなく、きちんと諭すことです。精神年齢を子供と同じにしないで、緊張感を持って親業をする。なかなか出来ないこと、大変なことはわかります。完全に出来なくても、常に「今日の対応の仕方で良かったのだろうか、、」「もっと良い話し方があったのではないだろうか、、」と考えると、長いうちには進歩してきます。
昔、仕事から帰って家の玄関の前に来ると「さて、これからもう一つの仕事が始まる!」と、ちょっと深呼吸したものです。行き当たりばったりの対応をせず、過剰な期待をせず、子供の心を感じて善処する、、 子供は親の思うようにはなりませんが、逆に、親の思っているように育つ・・とも言える気がします。結果はずっと先に出てきます。10年先、20年先を見据えた頑張りを、、あっと言う間ですよ。