市議の政務調査費増に反対
市民が署名活動(和歌山)

【政務調査費増額の反対署名を集める女性たち(9日午前、田辺市東山で)】
田辺市が、市議1人当たりの政務調査費を年間12万円増額する条例の改正案を開会中の3月定例会に提案していることに対し、市民7人が9日午前、田辺市内のスーパー前で増額反対の署名運動をした。この日までに集めた1978人分の署名を吉本忠義議長らあてに提出した。市民の反発が高まっていることを受け、市議会は同日午後、会派代表者会議を開き、この問題への対応について協議する。
署名活動の世話人代表は、田辺市新万の主婦、飯森矩子さん(65)と同市稲成町の主婦、近藤信子さん(55)。飯森さんらは先月末、市議会の要望を受けて市が政務調査費を年額24万円から36万円に増額する、との報道を受け「反対する気持ちを何か形にしないと」と5日から活動を始めた。
自身で署名を集めると同時に、知人にも署名の用紙を渡して協力を依頼。依頼された知人の中には、用紙を自分で印刷してさらに知人に署名集めを頼んでいる人もおり、実際に何人が協力してくれているか分からない状態という。協力者は主婦が多く、旧田辺市だけでなく、旧町村部でも署名を集めているという。
この日は、同市東山のオークワ・オーシティ田辺店の前で午前10時から署名を呼び掛けた。署名をした同市元町の主婦(61)は「田辺市だけがなぜ増額するのか疑問。年金も減らされることだし、議員はもうちょっと市民のことを考えて」と話した。
その後、市議会事務局に行き、吉本議長と各市議にあてた要望書と署名を提出した。要望書は、全国的に政務調査費の使途が問題になり、減額や廃止を検討している自治体が出てきていることや、市の財政も大変厳しい状況にあることを指摘。「増額を希望する議員がいることに疑問を感じざるを得ないし納得できない。良識ある判断に期待する」としている。
飯森さんは「署名を集める中で『このご時世に増額とは何だ』と怒っている声を聞いた。快く署名に応じてくれる人の方が圧倒的に多い」。近藤さんは「今まで政治に余り関心のなかった人も目を向けてくれている」と、関心の高さを強調している。署名運動は継続しており、12日にも追加分を提出するという。
この問題をめぐっては、市民オンブズマン紀南が7日、市長と各議員に対して「時代逆行も甚だしい」などとして、増額についての考えをただす質問状を提出している。
2007年3月9日17時2分配信 紀伊民報

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