社会復帰を見守り3年 山口
2012/8/16 中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201208160006.html
高齢や障害がある受刑者の社会復帰を支援する山口県地域生活定着支援センター(山口市)が全国に先駆けて設置されてから3年を迎えた。出所後の住まいを確保するなど、これまで受刑者やその関係者など63人をサポートした。
63人のうち受刑者は27人。出所後に頼れる身内や住居がなく、単独での生活を始めたのは1人だけだった。センターは、26人を福祉施設へ橋渡しするなどし、社会復帰を見守っている。
27人のうち、14人が食料品の万引やさい銭盗などを繰り返していた。精神疾患で放火自殺を図った人もいる。11人は以前から住居がなく、生活苦から犯罪を繰り返している構図もうかがえる。
センターは受刑者と出所前から面談し、出所後の生活について話し合ってきた。
障害者手帳の発給などの事前申請を手伝ったり、病院や更生保護施設など出所後の受け入れ先を探したりしてきた。
県内での生活を希望する県外の刑務所の7人や、県外へ帰ることを望んだ県内の刑務所の9人は、他県のセンターと情報交換を重ねながら支援してきた。
一方、残りの36人はすでに出所した元受刑者やその家族、受入先の施設関係者など。社会復帰のためのさまざまな相談に乗っているが、受け入れ先を見つけるのは容易でない。施設の職員を交えて刑務所で面会しても、そもそも施設に空きが無い場合も多い。

0