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広島刑務所前所長ら処分
…脱走事件最終報告
(2012年3月1日 読売新聞)
広島刑務所(広島市中区)から中国籍の李国林被告(40)(逃走罪などで起訴)が脱走した事件で、法務省は29日、嶋田博・前所長(60)ら職員計13人を減給や訓告とする処分と、事件を検証した最終報告を公表した。小川法相は記者会見で「申し訳ございませんでした」と改めて謝罪した。
嶋田前所長を減給100分の20(1か月)にするなど12人を減給、男性庶務課長(58)を内規に基づく訓告とした。嶋田前所長は処分後に辞表を提出し、受理された。
最終報告では、李被告は昨秋、他の受刑者に脱走をほのめかしたとし、1月11日に脱走したのは、前日に中国にいる妻の両親が体調を崩したことを手紙で知り、電話をかけようと思ったためと認定。侵入した民家などから国際電話をかけたが、妻の両親にはつながらず、知人に電話をして様子を見に行くよう頼んだという。
また、脱走を許した要因として、中間報告で挙げた職員の気の緩みや施設面の不備などに加え、日本語を十分理解できない李被告に通訳がなく、心情把握が不十分だったとも指摘した。同省は通訳や翻訳の態勢を強化して再発防止を図る。

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