組合間差別を断罪
東京海上日動火災 全損保支部に救済命令
中労委
損害保険最大手の東京海上日動火災が全損保(全日本損害保険労働組合)日動火災外勤支部に対し、組合間差別を続けてきた事件で十七日、中央労働委員会は不当労働行為を認め、今後、正常な労使関係を築くよう努力し、組合費のチェックオフ(天引き)協定締結の協議を約束する文書を交付するよう会社側に命じました。
昨年五月、東京都労働委員会が出した救済命令を不服として会社側が再審査を申し立てていましたが、中労委でも断罪されました。
組合差別は、東京海上と日動火災の二〇〇四年の合併に伴い、九百人以上が在籍していた外勤社員制度を廃止する雇用破壊と一体となって行われたものでした。
同社は全損保支部を敵視し、組合分裂攻撃によって結成された別組合を正当な組合として同支部に差別を加えてきました。
チェックオフで二カ月にわたって全損保組合員から天引きし、別組合に引き渡した組合費の返還に応じず、時間内組合活動の保障や会社施設の利用、チェックオフ協定を結ばないなど組合間差別を続けてきました。
中労委は、別組合への組合費引き渡しについて、全損保支部に打撃を加え弱体化をはかったものだと認定。使用者は各組合に対して中立的態度を保持し、団結権を平等に承認・尊重すべきであり、差別に合理性は認められないとしました。
救済命令を受けて全損保と同支部は同日、中労委命令の履行と謝罪、争議の全面解決を求める声明を発表しました。外勤社員制度廃止計画の撤回を命じた昨年三月の東京地裁判決とあわせて三度の断罪となると指摘。労働組合を破壊し、労働者の雇用をないがしろにする姿勢は許されないと強調しています。
2008年11月18日(火)「しんぶん赤旗」

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