民主党:「オウム被害者救済法案」を国会提出
95年に起きた地下鉄サリン事件など一連のオウム真理教による事件被害者への損害賠償が滞っている問題で、民主党は14日、約1200人を対象とした損害賠償金約38億円のうち未払いの約25億円を国が立て替えて給付金として被害者に支払う「オウム真理教被害者救済法案」を国会に提出した。事件から10年以上たった現在も賠償は進んでおらず、被害者からは法案成立への期待が高まっている。
被害者への損害賠償は98年からこれまでに約13億円が支払われている。しかし資産売却もほぼ終了し、昨年10月には債権者集会で「教団側からの債権回収は限界」として今年3月に破産手続きを終了させる方針が決定された。法律で別の救済措置を講じなければ、これ以上賠償が進まない状態に陥っている。
法案は、国が賠償金を立て替える理由として、被害者を「国の統治機構を破壊する目的で行われた犯罪行為の犠牲」と規定した。
給付金として支給した約25億円分については、国が今後教団などから債権回収を行う。国が債権回収を担うことで、教団側の活動を今後も監視し続けることが可能になるとの狙いもある。
一方、自民党も国が被害者に一定額の見舞金を支払う救済法案を提出する準備を進めている。自民案は「無差別テロ事件への救済」との観点から、救済対象を松本・地下鉄両サリン事件に限定している点で民主案とは開きがあるが、民主党は今後、修正協議を行う考えだ。【近藤大介】
毎日新聞 事件・事故・裁判 > 記事 2008年2月14日 19時56分

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