http://www.shell.com/static/royal-en/downloads/pectenhistory.pdf
上の画像とリンクに張ったものは、皆さんほとんどの人がわかるはずだと思うがシェル石油のロゴマークである。
1900年から100年以上の時間を経て現在このような形へと変化してきた変遷がわかると思う。この図は、このブログで以前紹介した『Prime Object プライムオブジェクト――歴史を通り抜ける事物たちの思考』という講演会で、田中純氏が、さまざまな進化論のモデルの一例として(半分ユーモアとしてとも思うが)持ってきいたものと同じものだと思う。
田中純氏が、このときはフォーマリズムとイコノロジーの問題、それに関連して、鉱物的なモデルと生物の進化論の問題を考える上で、さまざまな図版がプロジェクションされていた。もちろん、A・ヴァールブルクについての本を出している田中純氏はイコノロジー研究側から話されていた。
そのなかで実際の生物の進化ではなく、人間の中で作られてきた貝殻のシンボルがどのように変化してきたかも一つの進化として捉えるのがユーモアとしても面白いなと思えた。このほかにも現実には存在しない怪物などのモデルが概念的な分類によってどのようなデザインになるのかも示されていた。
確かにダーウィンなどの進化論に対して非常に批判的な意識を持っているアラブ諸国(イスラム教圏)でも大人気になったポケットモンスターのデザインや能力が、反イスラム的と批判が上がり大問題になったこともある。そもそもそういった国では(実はアメリカのいくつかの場所でも)進化論は授業で教えてはならないことになっている。つまり進化論とは、単に生物学的な事実として留まらず、概念的、政治的、宗教的における現実的な問題を含む大問題なのである。ダーウィニズムは、優生学とも繋がり、ナチズムとも無関係ではなくなる部分がある。
もちろんこのシェル石油のシンボルはそういった問題にはならないと思うけれど。
さて、そういった意味も含めて生物をキャラクター化したり、シンボル化するということ、それを分析することはなかなか面白い問題になってくると思う。
それは当然オリジナルと複製の問題にもなってくる。また、ここではミッキーマウスのようなほとんどねずみ自体(オリジナル)から乖離して、自立的な展開を遂げているものなどもある。東浩紀的に観れば、アニメキャラクターの萌え分析になったりもするのだろう。そういったものに対してもさまざまな概念を見て取ることができるのだ。