未来派によるアエロピットゥーラ(空中絵画)、アエロスクルプトゥーラ(空中彫刻)についてのマニフェスト。1929年にトリノのガゼッタ・デル・ポープロ紙に掲載された。この機械賛美への素朴な盲信は、否定的に語ることもできますが、なかなか笑えますね。
1 飛行から生じる変わりやすいパースペクティヴは、地上のパースペクティヴの伝統的に構成されたリアリティと共通のものをもたない、絶対的に新しいリアリティを構成している。
2 この新しいリアリティの要素は安定した静止点を持たず、本質的にこの運動性からできている。
3 画家は諸要素の速度に参加することによってのみそれらを観察し描くことができる。
4 この新しいリアリティを高所から描くことは、細部に対する深い軽蔑と、あらゆるものを合成し変形することの必要性を意味する。
5 風景のすべての部分は、飛んでいる画家にとっては――
a 断片化され
b 人工的で
c 仮のもので
d 空から落ちてきたばかり
のというに見える。
6 風景の次のような特性は、飛行中の画家によって見られる時、強調される。それは――
豊かで
拡散しており
優雅で
雄大である。
7 すべてのアエロピットゥーラは、二重の運動を含んでいる。飛行機の運動と、鉛筆、ブラシ、あるいはスプレイをもった画家の手の運動である。
8 アエロピットゥーラにおいて、絵画も造形物も完全に多中心でなければならない。
9 それはやがて造形の、新しい、地上外の精神性に達するであろう。
参照文献
『1930年代の美術』岩波書店
E・ルーシー=スミス著
多木浩二・持田季未子訳