
この絵は、ドミニクアングルが描いたホメロス礼賛という絵です。アングルとは誰しもが知っていますが、新古典主義の巨匠で当時のフランスのアカデミズムのドンです。そしてこの作品はホメロスをまるで王座のように中心にすえて、さまざまな歴史上の偉人たちを配しています。こういった主題をアングルは三角構図で、非常にアカデミックに描き上げていく非常に象徴的な作品といっていいでしょう。

こちらはマーク・ダイオン。博物館的などの展示形式を使いながらこちらもヒエラルキーが作られています。自然界の中のものなのか、いったいどのような階級付けなのか?けれど、植物や昆虫、魚、哺乳類などのカテゴリー分けがなされています。けれどもどこかインチキというかギャグのような気もします。
博物館というのが、権威やアカデミズム、スペクタクル性や、生物学、民俗学や自然観を大きく表している。そういった博物館的な展示形式を通して良くも悪くも戯れているのがマーク・ダイオンといえるでしょう。