ひとつの大きな空間の部屋に、大きな絵が飾られている。
その絵は漫画っぽくもあり、デザインチックでもあり、それっぽくも見える。
絵の中で三次元の広がりを持たせている地平は、写実的に描かれ、シュールレアリズムを彷彿させているようだ。それをおって見ていくと、どかんと壁にぶつかる。そこにあるのは線描で描かれた漫画のような人物たち。それと落書きたち。それは絵の中で、壁に描かれている絵のように、描かれていた。つまり、そこには手前にある描写された枝や木の陰が映り込み、壁として下地のテクスチャーがなされ、描かれている。しかしながら、私にはそれが壁のようには見えなかった。三次元を保つ地平も、そこから空間を生み出しつつ、画面の中では平面性が強調されて続ける。しかし、壁、、というよりも透明のカーテンと、いう風に見えた。いや、それを場所として位置つけるものがなく、変な調和がとれていた。
描かれているものといえば、祈りを捧げている人たち、草木、花がかわいらしくもなんだか暗く病んでいるものばかり。一見ちょっとかわいく見えたりするけど、怪しげな感じをつきまとわせていた。
とても欲張りな作品たち、でもそれが微妙なバランスでひとつの絵の中で成立しているのが、なんだか混沌としていてよかった。
South London Gallery
http://www.southlondongallery.org/docs/exh/exhibition.jsp?id=124&view=current