whapのメンバーである飯村君の家は、恵比寿にある。4階建ての自宅は、恵比寿の町が一望できるすばらしい環境にある。
その自宅を一部リノベーションし、9月から「tokiya」という喫茶店兼飲み屋の飲食店が、オープンすることになった。
この店は、飯村家の家族全員が中心となって運営していくことになっている。
店の中に広がっている日常的な雰囲気が、高度資本主義大国であるここ日本において、安らぎと豊かさを再発見することが出来る場として,希有な存在になるであろうことは想像に難くない。
店では飯村君自身が,シェフとして腕を振るう。もちろん、作家であり、60年代から70年代のアートに精通している彼が、ゴードンマッタクラークの「フード」を踏まえていないはずはない。(笑)
そうなると避けて通れないのはティラバニアである。では、ティラバニアと「tokiya」を比較してみようと思う。(爆笑)
ティラバアは、美術館やギャラリーの中でカレーなどの料理を、無料で振舞う。このことから観ても、この作品が非常に西洋の美術様式に対してのアプローチであることがわかる。
しかし「tokiya」は、経営面から見ると、ほぼ普通の飲食店と変わらない。こういった状況から出発する。これは、アジアにおけるアジア的「フード」のあり方というのを示唆するはじめての試みなのかもしれない。
日本において、この画期的なプロジェクトは、一早く注目された。
まず、その第一弾として取り上げたのは、残念ながら美術手帖ではなく、朝日新聞だった。
朝日新聞の中の、ある連載インタビューの撮影現場に取り上げられることになったのだ。
インタビューを受けるために「tokiya」を訪れたのは、次の二人である。
俳優の佐藤隆太さんと、そして「ちゅらさん」での演技が非常に印象的だったあの国仲涼子さんである。
撮影班の人たちにもこの空間は好評で、2回連続でこの「tokiya」がロケ現場として指名されることになった。
小山登美夫ギャラリーや、タロウナスギャラリー、ライスギャラリーが入っていた佐賀町の食料ビルは、加藤あいさんが出演していたCCレモンの撮影の他、ファッション雑誌、ドラマのロケ現場としてよく使われいたことは有名だ。
飯村邸がとても魅力的な空間を作り出していることは、飯村君を知っている者ならば、誰もが知っていることだろう。
このような魅力的な場が、人と人をつなぎ、食や美術をより豊かなものとするツールとして機能することは、今挙げた食料ビルがいい例だと思う。
そういった意味でも、この「tokiya」は大きな可能性を孕んでいると言っていい。
このような感想を持った筆者は、この「tokiya」を始めるにあたって飯村君にインタビューを行うことにした。
その詳しい内容は、また別のところに載せようと思う。
P.S
「tokiya」で、実際に店で出される予定の「サトイモのマッシュポテト」は、先日訪れた際にいただいた。
にんじんや枝豆などの彩り豊かに盛り付けられていた見た目も然ることながら、ちょっとしたアイデアが味を引き立て、味覚に驚きを生んでいる、ちょっと癖になるような一品でありました。