誤解を生む箇所について追記しました。(赤字)
ご指摘を有難うございます。
昨日、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)主催の公開報告会がありました。
大きな会場には、勿論医師や製薬会社メディアの方など多くの方がいらしてましたが、
一番多かったのは、患者です!
この報告会は、専門家は勿論ですが、患者へも門戸を開いて下さっているので、
報告は、具体的に分かり易く報告をと先生方が工夫されておりました。
とは言え、恥ずかしながら、
私にはB型肝炎の研究内容は難しくてほとんど理解できていません。
C型肝炎に関しては、金子先生の報告も田中先生の報告は、とても興味がある内容で、
20分ずつでは物足りないくらいで、もっと詳しく聞きたかったです。
レコもカメラも一切禁止でしたので、メモ書きができたところだけレポさせてください。
行かれた方や知識のある方で、もし間違い等に気付かれましたら、どうかご指摘ください。
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B型肝炎
●B型肝炎ウイルスは、C型肝炎ウイルスより複雑。
●HBVの受容体NTCPは、胆汁酸のトランスポーター(運び屋)
●NTCPは、HBVの感染に非常に重要である。
●NTCPを強制的に発現させ、精製によるHBVとの相互作用の解明から、抗HBV剤の開発を目指す。
●ウイルスの複製増殖、病原性の解析がわかりつつある。
●日本の4600本の検体+海外3600の検体から、GWAと呼ばれるゲノム関連解析と呼ばれる方法で、B型肝炎ウイルス感染による様々な病態に関連する遺伝子を探索している。
●遺伝子群の感受性や抵抗性も見出せてきた。ヒトゲノムだけでなく、ウイルスゲノムの解析も行うことで、発がん予測検査法の開発や治療法の開発に結びつけていけることが期待される。
●ヒト初代肝細胞を 用いなくても感染増殖系を得る事が容易になった。
●HBV感染、増殖を制御する宿主遺伝子も、約100明らかになった。
●抗HBV活性を示す化合物も明らかになってきた。
●B型肝炎の治療は、現在は、核酸アナログ製剤とインターフェロン製剤が使われている。しかし、インターフェロンはー3割しか効かず副作用も強い、また核酸アナログ製剤は、一生薬を飲まなければならないという問題点がある。
●C型肝炎のように、感染した肝臓から完全排除できることを目指している。
●ウイルスの侵入、cccDNA量、ウイルス遺伝子の転写反応、ウイルスの形成を抑える化合物を見出せた。
●この化合物を用いて、抗B型肝炎ウイルス治療薬に結びつけていく。
●250種類の阻害剤候補の中から、20種類にHBVの増殖を抑える事を突き止めた。今後は、安全な化合物の合成と開発を目指す。
報告された先生方
脇田隆字先生(国立感染研究所)、徳永勝士先生(東京大学大学院)、下遠野邦忠先生(国立国際医療研究センター)、
小嶋聡一先生(国立研究開発法人理化学研究所)、満屋裕明先生(熊本大学)
🍅 のひとり言
C型肝炎ウイルスがマウスや試験管の中で、増やす事ができるようになってから、C型肝炎ウイルスの研究開発は、飛躍的に進んだと言われているが、B型肝炎ウイルスもヒト肝細胞を使わずとも、感染増殖のメカニズムが研究できるようになったらしい。多くの研究者が、B型肝炎患者を救うべく研究されていらっしゃることに感謝したいです。そして、B型肝炎ウイルスが根絶できる創薬の開発がますます進みますことを心から願います。
C型肝炎
☆金子周一先生(金沢大学)
「C型肝炎から発がんにいたる病態進展の解明とその制御に関する研究」
●HCVに対する新たな抗ウイルス薬は、高い安全性と有効性を示す。
●しかし、治療によってHCVウイルスが排除されても、病態によって肝細胞がんを発生する。
●C型肝炎からの発がんではウイルス感染に対する肝臓の炎症、脂肪化、繊維化が肝発がんと密接に関連している。
●マウスをモデルとして動物実験を行った結果、繊維化が重要な役割を果たしている事が示された。
●同様に、炎症値、脂肪化が進むと、遺伝子の異常が高くなることも分かってきた。
●IL28b(INFλ)の抗腫瘍効果が示され、これらの分子が治療の標的となる事が明らかになった。
(IL28bがないと、がんができる)
●マウスの交配実験により、治療の標的とすべき分子も見つけられ、発がんにおいて障害されるとこが多いTERT遺伝子
(テロメラーゼ遺伝子)のRdRP(RNA合成)活性を標的とする治療法の開発の可能性も示した。
●これらの研究では、免疫分野の研究にも結びつく。
●IL28b の発がん抑制の研究の必要性も分かってきた。
🍅のひとり言
まあ!!!びっくりぽんです!
宿主側の遺伝子IL28bは、インターフェロンの効き目に影響することしか、私は知らなかったが、
IL28bは、個人の肝臓病態に影響を与えているということや、また、発がんリスクに大きな影響を与えているという事を初めて知った。まだまだ、解明されていない部分があるようだが、このIl28bの研究がさらに進み、発がんリスクの一つである標的が解明される研究が早く進んで欲しいと思った。
因みに、私は、
IL28bは、TG、 マイナーです。つまり、ウイルス除去後も発がんリスクの一つを持っているってことで、発がんの可能性はIL28bがメジャーの方よりも高いってことなのね。(/ _ ; )
☆田中靖人先生(名古屋市立大学大学院)
「ゲノムワイド研究から見た今後の肝炎診療」
●C型肝炎が治っても、発がんしてしまう要因の研究が大切になってくる。
●DCV/ASV(ダクラタスビル/アスナプレビル)の非著効例、680例の研究解析をしている。
●そのうち、平均年齢71歳、肝硬変が3割、5パーセントに耐性があったが、スタートしていた。
●シメプレビルを行った後にダクラアスナをやってしまった人は、46パーセントしか治ってない(13/28人)
●元々多重変異はなかった人が、二重変異三重変異の耐性変異を起こしていることがわかった。
ダクラ/アスナでの多重変異は、85パーセントにも上る。
●D168、Y93、L31の多重耐性→52パーセント→
どちらも多重耐性
●D168、Q80、Y93、L31、Q54→27パーセント→
々
●NS5AのP32欠損部分も明らかになってきた。
●NS5A阻害剤で失敗すると、非常に強い多重耐性変異が出現する。→
ダクラアスナのことを指していたと思われます。
●ハーボニーでは、耐性変異は起こらない。→
今のところ起こっていない
●ハーボニー
は、変異があっても、95パーセントくらいの?著効率で治りそう。
●耐性があるとウイルスの減りが悪そう。
●SVR後のガン宿主因子
高齢、NASH、糖尿病、男、PLT低い、肝硬変、AFPマーカー高い、γーGTPたかい、IL28b SNP
●最近のゲノムワイド関連解析により得られた研究成果として、SVR後の遺伝要因(SNP候補)や、microRNAの同定と臨床的意義が解析されてきた。(microRNA216aと217が高いと発がん率が高い。PTENががん抑制遺伝子)
●研究概要の図
🍅 のひとり言
ダクラ/アスナの非著効者のデータが集まってきていて、詳しい解析も進んでいる。
やはり強い多重変異が85パーセントで出現していることに、驚いている。
手立てについては、田中先生は、今回の発表では触れなかった。
この詳しいデータは、5月の肝臓学会できっと発表されるんだと思う。
また、ダクラアスナの非著効者のハーボニーでの再治療の著効データも、出始めている。
4割〜6割という数字を耳にするが、詳しいところはどうだろう?
某先生は、今は、勧めてはないようだが、、、
アッヴィーのパンジェノタイプ阻害剤(ABT493、ABT530)は、すでに日本でP3の治験が始まっている。
(治験番号NCT02707952全国245名ジェノタイプ1〜6)
ギリアドのソフォスブビルとベルパタスビルの治験も遠くはなさそうである。
治り難い人の解析と再治療の手立てが早く進んでほしい。
それから、
非代償性患者の治療と医療費助成の対応が、一番気にかかるのだが、
今年もまた署名が始まっているので、協力できることから協力したいと思う。
付録ーーーーーーーー
今年も、恒例の大小様々なぼた餅を作りました〜
ウチは皆たくさん食べるので、毎年春と秋には必ず作ります。
今年は、きな粉とゴマのを入れて30個作りました
義母と娘夫婦と息子夫婦の所にも持って行きました〜
あ、そうそう、ウチはぼた餅を納豆で食べるんですよ!これが美味〜^ - ^
お試しあれ〜
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