国立国際医療研究センター国府台病院の肝臓病教室に行ってきました。
akioさんが正確な報告記事を書いてくださっています。いつもありがとうございます。
http://blogs.yahoo.co.jp/akiokiokio1962/27016976.html
管理栄養士の古田先生の
「脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎の食事療法 」
と
是永先生の
「C型肝炎治療後の肝臓はもう大丈夫?〜HCV最新治療と忘れてはいけない生活習慣病〜」
という演題でした。
古田先生
「脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎の食生活改善のポイント」
@必要エネルギーをバランスよく
運動は適度に、食べ過ぎないで、栄養素のバランスよく、嗜好品は控えめに。
A脂肪は控えめに、種類を選ぼう
質が良くてもどの油も1CCあたり約9kcalの熱量がある。
B鉄分を取り過ぎないようにしよう。
鉄を摂らないのではなく、日常の生活から減らしていく。
古田先生の話で前回と今回で特に感じたのは、自分の体の状態にあった食事管理が必要だということです。
C型肝炎患者は誰も彼も鉄制限食をするということではないし、たんぱく質の取り方も肝臓の状態によって違うということ。また、その人の中でも、肝臓の状態が変わったら、食事療法も変えなければならない。
ということです。
古田先生は、転勤が決まっており、国府台病院でも話はもしかしたら最後になってしまうかもしれない?ということです。残念です!先生、お世話になりました。
さて、是永先生のお話ですが、
当初、治療後の肝臓や生活習慣病についての話が中心だったらしいのですが、
HCV最新治療の話が主だったです。
もちろん、ブリストルマイヤーズのダクラ/アスナの治療情報や、ギリアドの2型の治療薬の話、1型の配合剤ハーボニについても是永先生の患者さんの症例やアメリカのデータなど詳しく話されました。
とても印象に残ったのは、
最後の質疑応答で、
シメピレビルでダメだった方が、すぐにダクラ/アスナで治療されて、ダメだった方が
今後の治療の手立てや見込みを質問されました。
「はっきり言ってデータはないが、ギリアドで治療してみるしかないでしょう。」
と。
決して、マイナーな返事ではなく、必ず手立てはあるはずというようなお答をされておりました。
先生の話の中の資料の一つに
第64回米国肝臓学会(AASLD2013)の資料がありました。
以前ばんばんさんも記事に書かれておりました。
2013/11/27の記事参照
http://ban2ban.net/2013/11/27/2644
これは、ギリアドのソフォスブビアとレディパスビル治療前に、NS5A耐性(L31)陽性だった方が
8週後に再燃、その後の再治療(SOF/LDV➕RBV24週)で、成功した例です。
治療前耐性 : NS5A耐性:L31M 25.5%、NS5B耐性無し
8週間治療後再燃時 NS5A耐性:Q30L(4.5%),L31M(>99%),Y93H(91.24%)、NS5B耐性:S282T(91.24%)
再治療開始時、NS5A耐性:Q30L(3.47%),L31M(94.38%),Y93H(91.19%)、NS5B耐性:S282T(8.00%)
薬剤によって出来た多剤耐性も、ソフォスブビアとレディパスビルにリバビリンを追加して24週の再治療を行ったらとウイルスが消えたそうです。アメリカでのデータです。
是永先生は、
ダクラ/アスナでダメだった方に答えるような形で資料を出されたのではないのですが、
ソフォスブビアとレディパスビルのすごい効果について、まだまだこれからわかってくる可能性もある薬だということを話されたのだと思います。(個人的な感想)
そして、このデータがあるからこそ、
やってみるしかない!と力強く話されたのではないでしょうか?
日本での治験では、ギリアドのハーボニは、NS5Aの自然耐性を持った方でも全員SVRになっています。
今一番危惧されている、ダクラ/アスナでダメだった方の薬剤による多剤耐性の患者の対応については全くデータがありません。
でも、今日の是永先生の話で、国府台の先生方ならどうにかしてくれそう、、、(かなり身内びいきではありますが)そんな期待を持った講演会でした。
薬剤による多剤耐性を作らない事が大事であることは言うまでもありません。
だからこそ、耐性検査は絶対にやるべきです。
NS5Aの耐性が陰性でも、ダクラ/アスナが効かず耐性ができてしまった方からの情報がぼちぼち出始めています。
私の周りはぼちぼちですが、現実に2000名以上は出ている計算です。
もうこれ以上、多剤耐性で不安に陥る方達が増えないように祈るばかりです。
ダクラ/アスナで治る方が殆どです。でも、治らない方もいるのです。
その方が、単に次の治療をすればいい、って簡単な問題じゃない!
その為には、
ギリアドのソフォスブビア、レディパスビルが1日でも早く誰でも使えるようになることだけです。
1日も早い、ギリアドのハーボニの早い承認、認可、発売を祈るばかりです。
これは、個人のブログです。
一肝炎患者の素人の意見と思いを述べてありますから、
偏った見解、間違った内容があればどうぞご容赦ください。
その場合、どうか優しく教えてください〜!
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