国府台病院の肝臓病教室に行ってきました。
ここは私が4年前からお世話になっている病院で、TMC435の第二世代阻害剤の三剤併用治験もここで行っていただきました。先生方は、皆優しくて(←←これ、本当!)長い闘病生活を強いられる肝炎患者にとって、診察の時間は救いと癒しの時間です。
以下は、講演会での報告です。内容の抜粋は、独断に満ちておりますが、誤り等がありましたら、ご指摘いただけると有り難いです(*^_^*)
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第7回 肝臓病教室
とき : 9月29日 (土) 14:00〜16:00
ところ: 国立国際医療研究センター・国府台病院
肝炎・免疫センター大会議室 (新棟)
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1、慢性肝疾患における超音波検査の意義
国府台病院 消化器・肝臓内科医師 是永圭子先生
各種画像検査の特徴
@ 超音波(エコー)・・・ファイブロスキャンやVTTQや造影エコー
長所:非侵襲的、苦痛がない、移動性があり、操作が簡便、検査の結果がその場で得られる。比較的安価。
短所:空気、脂肪に富む組織は抽出し難い、
※術者存性があり、客観性にやや劣る。
※検査をする人の腕に左右される
A造影CT・・・・X線撮影とコンピューターを組み合わせた装置
長所:客観性に富む、超音波の弱点である肺に近い病変や肥満の方も大丈夫。
短所:被爆・造影剤による問題、
腎障害がある方は、造影剤が使用できない。アレルギー気管支喘息のある方は、症状が悪化する事がある。
B造影MRI・・・身体の外から強い磁気をかけて、断層写真を撮る。
長所:CTと違い放射線被爆がない。造影剤を使用しなくても出血や脂肪沈着、鉄沈着などもわかり、悪性度が類推できる事がある。
短所:検査に要する時間が長い、電磁波の騒音、ペースメーカーや金属を埋め込んでいる方、刺青のある方は検査不可能。
☆ファイブロスキャンとVTTQの違い
ファイブロスキャン:
体外から振動を加えて肝臓内にある「せん断波」を送り込む=機械的加圧、硬度(Kpa)、データ蓄積があり、保険適用。
腹水や肥満症例は、測定困難、硬度測定はできるが画像で確認できない。2012.3から保険適用、点数2000点
VTTQ:超音波による放射圧によって「せん断波』を発生、させる。=音響的加圧、剪断弾性波の速さ(m/s)現在のところ保険適用なし、
腹水や肥満症例は信頼度が低い、
測定場所を画像で確認できる 5回測定、是永先生は数値にばらつきがある時は、回数を増やして測定しているそうです。
※ファイブロスキャンもVTTQも原理は同じで、診断能力に大差はない。
VTTQ導入の病院(東京千葉近辺):国府台病院、東大病院、慶応病院、順天堂病院、聖マリアンナ大病院、放射線医学研究所
具体的な数値は、もっと詳しくはすずめさんとyokobueさんのブログへどうぞ ↓ ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/nasu9821/43720846.html
http://blogs.yahoo.co.jp/hakujituko/6746110.html
☆肝癌診断としての超音波検査の役割
造影超音波・・・造影剤ソナゾイドを使う事により、肝臓癌の診断能力が増す。ソナゾイドは。腎不全の患者にも使用可、腎臓に優しい。
通常の超音波では、結節は認識できても、癌なのか肝硬変の再生結節であるかが難しい事がある。造影剤を使用する事により結節から早期の肝細胞癌が明らかになるい事がある。
造影超音波の有用性
@造影により、癌の認識が明瞭になる。
A肝癌の経皮的ラジオ派焼灼療法の補助となる。
是永先生曰く、国府台で超音波を行う希望者には現在無料でVTTQ を行って下さるとのことです。また、超音波検査中に、怪しい影等があった場合、患者の同意を得て、造影剤を使った超音波を即座に行うこともなさっているようです。
2、超音波を駆使した肝癌局所治療
国府台病院 第二消化器科医長 今村雅俊先生
肝細胞癌の内訳 647例中
HBV(+) 肝癌 78例(12%)
HCV(+) 肝癌 527例(81%) ※肝癌のほとんどはウイルス性肝炎から発症する。
発がん率
肝硬変 F4 7%
慢性肝炎 F3 3%
〃 F2 1.5%
〃 F1 0.5%
※ 肝癌は、早期発見で、根治的に治癒できる。
☆局所治療
○エタノール注入療法:広範囲を治療できるが、不確実
○マイクロウエーブ凝固療法:確実だが、治療範囲が小さい
↓ ↓
◎ラジオ波焼灼療法 :1回の治療で広範囲(3〜4p)を確実に治療できる。外科的手術が困難な場合にも治療できる事がある。肝外病変(特に副腎移転)に対しても治療が可能
☆肝臓癌の治療法
◎ラジオ波焼灼療法
◎肝動脈塞栓術
◎手術
◎化学療法
※国府台病院では、すべての治療が可能になった。
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今村先生は、ラジオ波焼灼療法の名医であられることを講演最後の方で知りました。(すみません)
エタノール注入療法とラジオ波での組み合わせによる外科的手術困難な局所治療など数多くの治療を経験されている先生です。
ラジオ波治療経験者の方、何人かからも話があり、命拾いしたこと等話されておりました。今回は話題が話題だっただけに、いつもよりも参加人数は少なかったです。
最後に今回の話題とは全く関係がないのですが、
○○先生に質問をしてきました。先生、曰く
◇第二世代阻害剤治療認可の見込みと経口二剤
TMC435、来年秋? MK7009、TMCの翌年? この辺りで、経口二剤。
BI、??
◇新薬治験・・・おっと、これはわかりません。時期が来たら、公平にHPに載るそうです。
今回の講演会報告は、なんだか気が進まなく、とても重い気持を持ちつつ、載せてしまいました。聞きたくない言葉だからです。不安な気持ちをあおるような内容でしたら、どうかご勘弁下さい。
ご心配かけました!母は、入院して3週間になりますが、一時の危ない状態を持ち直し、少しずつですが改善傾向です。客観的に見れば、もう年ですが、幾つになっても居てもらいたい存在です。良く頑張ってくれております。
不謹慎ですが、そんな中、一日だけ夜の病院をさぼりました。諦めていた嵐のコンサートに行かせてもらいました。
←前日夜中に作った初めてのファンサの団扇!初めてアリーナ席が当たっちゃったんです。次の日母に報告、楽しそうに話したら、母も頷いてくれてホッとした次第です。皆さんに心配をかけながら、呆れるおばちゃんでごめんなさい。その日は、舌痛症も感じず、楽しんできました。

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