京都大学環境安全保健機構附属環境科学センターでは、5月16日から7月4日までと11月7日から1月9日までの毎週木曜日に「リサイクルシステム論公開講座」が開催されています。
先週から始まったのですが、先週は行くことが出来なかったので今回が初めてになります。
今回は講座の前に特別ツアーがありました。今回の講座は京都リサーチパークのKISTIC(京都産業科学技術総合イノベーションセンター)で開かれるのですが、その中にある京都バイオ計測センターと京都市産業技術研究所の見学がありました。
京都バイオ計測センターは遺伝子やタンパク質などを分析する機器が並んでいました。DNA/RNA分析用電気泳動装置、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、レーザーラマン分析装置などについて説明して頂きました。私は曲がりなりにも大学は化学でしたので聞いたことのある名前でしたが、そうでない人は難しかったのではないでしょうか。
京都市産業技術研究所に入りましたが、1階にあったのが、風神雷神の陶板でした。厚みはわずか3mmです。
陶板は成形し、焼成することで作られますが、大きく薄くすることは成形の段階で生地が割れてしまって困難でしたが、産業技術研究所の技術支援により薄型の陶板を完成することが出来ました。
産業技術研究所のエレベーターですが、1階のドアが漆塗りになっていました。
産業技術研究所は人材育成として染色や陶磁器のコースがあります。陶磁器のコースですと1年間研修を受けることになります。以前だと企業が人材を送り込んで1年間教育を受けて企業に戻る場合が多かったのですが、最近は美術系の大学を出た人が研修を受けるケースも多いようです。この内容はなかなかマニュアル化などの形式知にすることは困難ですし、最近は育成の費用もバカになりませんからこういった場所が必要のように感じました。
捺染は従来スクリーン印刷を使っていたのですが、最近はインクジェット方式の転写紙による捺染システムがあるようです。しかし、これも廃液が環境に負荷を与えることになります。産業技術研究所では長瀬産業との共同開発で、静電捺染方式のシステムを開発しました。これはコピー機の原理で転写紙に転写するので水を使わず。捺染時間が短く、滲みも少ないという利点があります。
見学ツアーが終わって、講義会場に入ったのですが、見学ツアーに参加しなかった方でいっぱいで、3人掛けの長机が満杯、100人近くが参加していました。
講義は基本的に3R・低炭素社会検定のテキストを使用します。
前半は京都大学環境科学センター助教の浅利美鈴先生による「3Rと低炭素社会の学び方」でした。内容は今後の「リサイクル論」を学ぶに当たってテキストの概要について説明があったのと、3R・低炭素社会検定についての説明もありました。3R・低炭素社会検定の合格者の私としては当然知っていて当然の内容だったはずですが、かなり忘れていた部分がありました。それから3Rに対する認知や3Rリーダー活動についてのアンケート結果も発表されましたが、検定を受験された人はそうでない人よりも3Rに関する認知も意欲も高い結果が出ていました。ですから、いかにして一般の人を受験者に移行させることが必要だと思うのですが、eco検定もそうですがここに来て受験者が減少傾向にあるのが気になるところです。
後半は元京都大学副学長で京都市産業技術研究所長の西本清一先生による「持続可能な社会の形成に向けた智慧の活用」と題してでした。講義ですが、聞きようによっては漫談のようにも聞こえ、笑いが漏れる講義でした。しかし、内容は高度で久しぶりに聞いた「エントロピー」や「功利主義」、アリストテレスの第一哲学、第二哲学の話もありました。また、映画「不都合な真実」に煙突から渦巻状に煙が出てきて、煙が二酸化炭素で悪いようにしていますが、二酸化炭素は無色です。実際、最も温室効果ガスの寄与度が高いのは水蒸気であり、ゼロカーボンになってしまえば、地球上の生命は生存不可能になるということも言われていました。
最初にも書きましたが、7月4日まで毎週木曜日に開催されます。来週は容器包装についての話です。私は仕事に関係が無さそうなのでこの日は申し込んでいなかったのですが、申し込もうかなと思っています。興味のある方は聴講して頂きたいと思います。飛び入りでも基本的にOKですが、今日も満杯でしたので事前に申し込んでおいた方がよいと思います。
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