今日は東京で天皇陛下御在位30年の記念式典が行われていました。これに伴って各地で天皇陛下御即位30年記帳が受け付けられ、京都でも京都御苑内の宮内庁京都事務所で受け付けていました。私も記帳に行ってきました。
その後、御所に行ってきました。快晴で気持ちが良かったです。
地下鉄の今出川駅から四条駅に移動して、からすま京都ホテルでの京都府防衛協会青年部会主催の「防衛シンポジウム2019in京都」に行ってきました。
写真撮影は禁止されていました。
テーマは「日本国憲法について考える」でした。
まず基調講演として同志社大学教授の村田晃嗣氏の話でした。
まず、アメリカの話で、下院は民主党が多数を占めるようになったので、ねじれ現象でトランプ大統領も今までの様にはいかないだろうとのことでした。アメリカは大統領の権限が強そうに見えますがそうではなくて、日本の首相より権限がないそうです。一方中国は習近平国家主席が2期10年までだった任期を憲法改正して無期限にしたことにより権力が集中するだろうとのことでした。
中国に対抗するアメリカの同盟国として日本、オーストラリア、インドでこれら4か国を「戦略的ダイヤモンド」と言いますが、これはもともと安倍首相が言い出したことでワシントンの人材不足が現われているとのことです。
韓国についてですが、根本に米韓関係が緩んでいるとのことでしたが、1965年の日韓基本条約については、当時は韓国は貧しい国だったので、日本にも日本国憲法をアメリカの押し付け憲法という人がいるように韓国でも日本の押し付け条約と考えている人がいて、さらにリーマンショック以降の日本に対して過大評価から過小評価するようになったとのことでした。
北朝鮮については「蚊帳の外論」にこだわり過ぎると足元を見られてしまう、現状の北朝鮮の一番の課題は「非核化」であり、日本が中心にいないのは当然のこととのことです。しかし、日本は日朝平壌宣言で、北朝鮮に対して経済支援というカードを持っているとのことです。日本は日韓基本条約後韓国に5億ドルの経済支援をしましたが、現在でいうと100奥ドルになるそうで、これが出来るのは日本、中国、韓国だけでアメリカは経済支援する意図がないとのことでした。ただし、中国は9割を依存しており、中国に集中するのはリスクが大きく、韓国の経済支援を受けると韓国に吸収されかねない、とするともっともおいしいのは日本であるとのことでした。
ロシアについては、現状2島返還、2棟継続審議がベストだが、返還は何を返せと言っているのか明確にしておく必要があるとのことでした。例えば「主権」を返せなら、今まではロシアの主権であったことを認めることになってしまいます。ただ、ロシアについても北方領土が平和的に解決すればクリミア問題にも好影響を与えるとのことでした。また、日本と中国両方を敵には出来ないので、ロシアが戦略的な判断が出来るかとのことでした。
本題の憲法改正ですが、安倍内閣で改正するのは相当難しいとのことでした。夏の参議院選挙で自民、公明、維新で3分の2はかなり難しいのと、もともと日本国憲法の文言は短く、韓国の憲法の半分、インドの憲法の10分の1であり、抽象的な内容が多いことと、日本国憲法は人権の規定が多い割には統治の規定が少なく、インドでは日本の公職選挙法にあるような規定も憲法にあるので改正していかないといけなくなるとのことでした。
また憲法9条だけでは改正は難しく、他の条文の改正も議論しないといけないとのことで、1つに憲法24条により同性婚は違憲を挙げておられました。LGBTが言われる現在、同性婚を認めていないのはG7では日本だけだそうです。ただ、これについて憲法24条を改正すべきという話は出ておらず、安保法制の時に憲法解釈論を批判していた学者がこれについては解釈論で話をしていてダブルスタンダードだとのことでした。
パネルディスカッションは村田氏の進行で、パネリストは参議院議員の西田昌司氏と前衆議院議員の北神圭朗氏でした。
西田氏からは憲法改正は野党を含めた話にしなければならず、労働組合の政党でも改憲だった民社党のような政党の復活と日本国憲法の制定の意図を明確にすべきとのことでした。北神氏からは現状憲法の改正は公明党が消極的なので難しい。また日本国憲法は原文が英文なので解釈については英文から意図するものを掴むべきとのことでした。また、私学助成は憲法89条から違憲ともとれるが現状は解釈論にしていて改正を考える必要があるとのこと、また参議院は熟慮する機能とチェックする機能を果たす必要があり、例えば憲法90条では決算は会計検査院が検査して内閣が国会に報告すれば良いだけですが、国会の承認が必要と言われていました。また、アメリカの押し付け憲法論を前面に出してしまうと支持を失うとのことでした。
西田氏から自分の国を自分で守らなければならない、日本は唯一核攻撃を受けた国であり、外国からそのような攻撃に対して脅かせるような「抜かずの伝家の宝刀」が必要であり、北神氏からも最後は命を投げ出す覚悟があるか、誰かがやってくれるではないが、日本はそういった教育がされていないとのことでした。
村田氏からは本来憲法を改正して、軍隊を改正してから安全保障について改正するのが筋なのだが、安保法制では本来最後にやるべきものを先にしてしまったために9条改正へのモチベーションが下がってしまったのではないかとのことでした。
北神氏からは、本来どこの国の保守にしてもリベラルにしても外交と平和を守ることについては、ほとんど同じで微妙な点について違って論争になるのだが、日本のリベラルはこれについて大きく違ってこんな国は他には無い。憲法9条があったから平和だったのではなく、自衛隊や在日米軍などの努力の結果だとのことでした。
会場が大変暑く、途中から上着を脱いで腕をまくったのですがそれでも暑く、最後はウトウトしてしまいました。会場としては不満が残る場所でした。
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