最近書いているのは、遊びに関してのものばかりなので今日は真面目なものを書きたいと思います。
毎年3月に今年度の障害者の雇用状況が悪く、改善がみられない企業名が公表されます。今年ですが、企業名を公表された企業はありませんでした。しかし、個人的に思うのですが、企業名が公表になっても知らない人が多いのではないでしょうか?
平成14年度以降、
平成14年度:日本空港サービス
平成15年度:角藤
平成16年度:富士ハウス、朝日ユニバーサル貿易
平成17年度:両毛丸善、ウィザス
平成18年度:ミニミニ、日本ICS
平成19年度:両毛丸善(再公表)
平成20年度:日本ロレアル、ナガワ、キャリアビジネス、飛騨運輸
平成21年度:インクスエンジニアリング、ビューティトップヤマノ、RAJA、日本サード・パーティ、アカクラ
平成22年度:ナガワ(再公表)、キャリアビジネス(再公表)、キャメル珈琲、ソリトンシステムズ、KATEKYOグループ、アイスター
平成23年度:RAJA(再公表)、スカイマーク、ホスピタリティ
平成24年度:なし
平成25年度:なし
平成26年度:ナイス、惠山、ブリッジインターナショナル、プログレス・テクノロジーズ、セリア、日本オプティカル、扇港電機、日本セレモニー
平成27年度:なし
と公表されていますが、マスコミで取り上げたので私が知っているのは、平成21年度に企業名公表された美容室の「ビューティトップヤマノ」の副社長が障害者の雇用を審議する労働政策審議会の委員をしていたことで取り上げた程度だと思います。その副社長が公表の半年後急死した時は「こりゃバチが当たったな」と思ったものです。
昨年度、企業名公表になった8社にしてもその後改善されているのかわかりませんし、今まで企業名公表された後、HP等で謝罪なりコメントなりした企業は見たことがありません。大垣市の100円ショップの「セリア」は京都にも展開していますし、下関市の「日本セレモニー」は今出川大宮に「典礼会館」という葬儀屋がありますが、障害者雇用の取組が遅れている企業であることを知っている人はほとんどいないでしょうし、企業名が公表されて社会的な制裁を受けることが無ければ企業名公表は意味が無いと思います。マスコミもこの件についてはもっと積極的に報道すべきだと思います。
ところで障害者雇用促進法の第46条第1項には
厚生労働大臣は、身体障害者又は知的障害者の雇用を促進するため必要があると認める場合には、その雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が法定雇用身体障害者数未満である事業主に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の数がその法定雇用障害者数以上となるようにするため、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画の作成を命ずることができる。
とあり、第46項第5項と第6項には
厚生労働大臣は、第1項の計画が著しく不適当であると認めるときは、当該計画を作成した事業主に対してその変更を勧告することができる。
厚生労働大臣は、特に必要があると認めるときは、第1項の計画を作成した事業主に対して、その適正な実施に関し、勧告をすることができる。
とあって、その勧告に従わない場合には、第47条の
厚生労働大臣は、前条第1項の計画を作成した事業主が、正当な理由がなく、同条第5項又は第6項の勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
によって企業名が公表されます。
企業名公表は男女の雇用差別を禁じている男女雇用機会均等法にもあります。
第29条1項には、
厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
とあって、その勧告に従わない場合には、第30条の
厚生労働大臣は、第5条から第7条まで、第9条第1項から第3項まで、第11条第1項、第12条及び第13条第1項の規定に違反している事業主に対し、前条第1項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
によって企業名が公表されます。
昨年初めて、妊娠を理由とする解雇によって 「医療法人医心会 牛久皮膚科医院」が企業名公表となりました。
障害者や男女の差別をする企業が企業名公表されるのであれば、年齢差別をする企業も企業名公表すれば良いと思うのですが、年齢差別雇用を禁じている雇用対策法の第32条に
厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、助言、指導又は勧告をすることができる。
と男女雇用機会均等法の第26条1項とほぼ同じ条文があるのですが、障害者雇用促進法の第47条や男女雇用機会均等法の第30条にある「企業名公表」は雇用対策法にはありません。また雇用対策法第32条の勧告に違反した場合の罰則はありませんので、要するに、年齢差別に対して勧告されても知らん顔をしておれば何もすることはできません。
第1次安倍内閣の時に雇用における年齢差別が努力義務から義務化された改正雇用対策法から8年半が過ぎますが、当時と状況は何も変わっていません。
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