今日は、キャンパスプラザ京都での「景品表示法に導入される課徴金制度に関する説明会」に行ってきました。
景品表示法は「不当景品類及び不当表示防止法」が正式名称ですが、平成26年11月19日「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律」が成立しました。これによって課徴金の制度が導入され、4月1日から施行となります。
「不当表示」ですが、@商品又は役務の品質、規格その他の内容についての不当表示である「優良誤認表示」、A商品又は役務の価格その他の取引条件についての不当表示である「有利誤認表示」、B商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、内閣総理大臣が指定するもの、の3つに分けられます。
「優良誤認表示」ですが、「これはとても良い品質(規格、内容)だ!」と消費者に思わせておいて、実際にはそうでない表示のことをいいます。
違反事例として、株式会社木曽路の「木曽路北新地店」で一般消費者に提供する「松阪牛しゃぶしゃぶコース」と称する料理の大部分について、松阪牛ではない和牛を使用していた件などがありました。
「有利誤認表示」ですが、「これはとてもお得な価格(取引条件)だ!」と消費者に思わせておいて、実際にはそうでない表示のことをいいます。
違反事例として、株式会社キャリアカレッジジャパンの「2014年6月は期間限定で1万円割引としておいて、その後も日付のみを変更して1万円割引の実質恒久的な割引キャンペーンをしていた件などがありました
Bの誤認されるおそれのある表示は「商品の原産国に関する不当な表示」や「おとり広告に関する表示」など6種類あります。
後半は改正景品表示法の課徴金の話でした。課徴金の対象となるのは、「優良誤認表示」と「有利誤認表示」の2つのみで、誤認されるおそれのある表示は対象となりません。
課徴金の算定方法ですが、「課徴金対象期間」に取引をした、「課徴金対象行為に係る商品または役務」の「政令で定める方法により算定した売上額」の3%です。また、「課徴金対象行為をした期間を通じて」、優良誤認表示や有利誤認表示に該当することを「知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠った者でないと認められるとき」は課徴金の納付を命ずることができないとあります。
そして、課徴金額が150万円未満の場合は課徴金の納付を命することが出来ませんので、対象となるのは課徴金対象行為に係る商品又は役務の売上額が5000万円以上ということになります。
また、事業者が、課徴金対象行為に該当する事実を「自首」した場合は、課徴金が50%減となります。ただし、課徴金対象行為についての調査があったことで、課徴金納付命令があることを予知してされた場合は対象外です。
それから、一般消費者の被害回復を促進する観点から、事業者が所定の手続きにそって返金措置を行った場合は、課徴金を命じないまたは減額することになっています。
以上が、おおまかな内容でした。会場は200席以上あったのですが、あまり関心のない内容なのか、参加者は30人程度でした。
ところで、家に帰ると今日の説明会にあった「有利誤認表示」に該当するニュースをネットで見ました。
日本経済新聞の記事です。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16HDR_W6A210C1CR8000/
貸金業者への過払い金返還請求の着手金無料キャンペーンを「1カ月限定」と宣伝しながら、同じサービスを5年近く続けたのは景品表示法違反(有利誤認)にあたるとして、消費者庁は16日、弁護士法人アディーレ法律事務所(東京・豊島)に、再発防止を求める措置命令を出した。
弁護士法人や弁護士事務所に対する措置命令は初めて。
消費者庁によると、同法人は2010年10月6日〜15年8月12日、インターネットの自社サイトで「1カ月限定」のキャンペーンとうたい、期間中に依頼すると、完済した業者に対する過払い金返還の着手金(約4万円)が無料になるなどと表示していた。実際には期間終了後も同じキャンペーンを繰り返していた。
消費者庁の調べに対し、同法人は「1カ月ごとに(キャンペーンの)継続の判断をしていたので、問題とは認識していなかった」と説明したという。取材に「今後誤解を招く広告表示をしないようにしたい」とコメントした。
先ほど挙げた株式会社キャリアカレッジジャパンと同じです。アディーレ法律事務所のHPを見てみると、弁護士が160人もいるのに問題に感じた弁護士がいなかったというのはどうなのでしょうか?景品表示法は中小企業診断士1次試験の経営法務の範囲ですので、今年の1次試験に出題されるかもしれません。この辺の弁護士は診断士の勉強をされた方がよいのかもしれません(笑)。
ブログランキングに登録しました。下記のクリックをお願いします。
人気blogランキングへ

0