今日は、京都商工会議所でチラシをもらって興味を持った「第30回防衛セミナー」というのに行ってきました。テーマは「我が国の安全保障環境への対応と沖縄基地負担の軽減について」でした。
場所の堺筋本町のテイジンホールは産創館やマイドームおおさかへ行く際には通るのですが、中に入ったのは初めてでした。
主催が防衛省と近畿中部防衛局でしたので、セミナーというよりは説明会といった感じでした。
前半は「我が国の安全保障環境への対応と沖縄基地負担の軽減について」で、防衛省大臣官房審議官の山本達夫氏のお話でした。
最近になって特に中国が力で世界を変えようとしています。また、北朝鮮は日本列島に到達するノドンミサイルを数百発持っていると言われ、2014年も6回ミサイルを発射しています。
沖縄はシーレーンに隣接している、南西諸島の中央、大陸と太平洋のアクセスといった地理的特徴を有し、戦略的に重要です。このような場所に海兵隊が駐留することは日米同盟の抑止力を構成する重要な要素ですが、それと合わせて在沖米海兵隊の半分を2020年代前半からグアムなどへ移転する計画や空中給油機KC-130の岩国への移転などの取組も進めていくとのことです。
普天間飛行場の移転は平成8年のSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意により、代替の施設をキャンプ・シュワブ辺野古地区及びこれに隣接する水域に設置後、返還されることになっています。しかし、すべてを辺野古へ移すのではなく、先ほどのKC-130の運用機能は山口県の岩国へ、緊急時の基地機能は福岡県の築城や宮崎県の新田原に移転することが決まっています。
また、現在翁長知事が環境アセスメントに瑕疵があると主張していますが、キャンプ・シュワブについては平成19年8月に環境影響評価方法書を、平成21年4月に環境影響評価準備書を、平成23年12月に環境影響評価書を沖縄県などに送付し、知事からは合計6回1561件の意見をいただいて、補正された環境影響評価書を平成24年12月に送付しており、手続に瑕疵はないとのことでした。
質問時間では、「辺野古の反対派の中で外国からの政治目的の勢力が来ているようだが、防衛省は把握しているのか」という質問がありました。山本氏からは、「外国の勢力自体は防衛省としては把握していないが、反対派によって交通渋滞など辺野古の住民の生活に影響を及ぼしている」との回答でした。
後半は、「新「日米防衛協力のための指針」の策定について」というテーマで、防衛省防衛政策課企画調整官の飯島秀俊氏の話でした。
今年の4月に新たな「日米防衛協力のための指針」が日米安全保障協議委員会(2+2)で了承されました。
日米安全保障条約の第5条には、「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」とあるのですが、具体的にどうするのかは書かれていません。第5条を具体化するためのガイドラインが「日米防衛協力のための指針」です。最初に合意したのは1978年で、冷戦時代でソ連の脅威がありました。1997年に見直しがなされましたが、冷戦が終結したものの、北朝鮮核危機や中台危機などで、周辺事態へ協力が拡大されました。これによって、周辺事態法や船舶検査活動法が制定されました。今回18年ぶりの見直しとなりましたが、「一層厳しさを増す我が国を取り巻く安全保障環境」、「グローバルな安全保障課題への対応」、「自衛隊の活動・任務の拡大」、「我が国の平和安全法制の整備」の課題が出てきました。
今回の指針のねらいとして、「我が国の平和・安全の確保するための協力を充実・強化」、「同盟の協力の「拡がり」への対応」、「協力の「実効性」を確保するための仕組みを確保」が挙げられます。
内容の詳細はネットでパンフレットを見つけましたので、参照して頂ければ良いと思いますが、
http://www.mod.go.jp/j/publication/kohoshiryo/pamphlet/pdf/shishin.pdf
新たに入ったものとして、「陸上攻撃に対処するための作戦」の中の「島嶼を奪回するための作戦」、さらに「日本における大規模災害への対処における協力」があります。
また、「国際的な活動における協力」については、アメリカの言いなりで動かなければならないという誤解があるが、「日米両政府は、各々の判断に基づき、国際的な活動に参加する」と定められているとのことでした。
今回のセミナーは270人の定員に対し、半分ぐらいの入りでした。この件については、己のの利権や思惑で真実を歪める人が多いので、各自で様々な方向から情報収集して真実を自分で判断する必要があるかと思います。こういったものですから参加者はジジイiが多いかと思っていたのですが、若い人が多かったのは意外に感じました。
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