昨日は社会保険労務士試験でした。受験された方はお疲れさまでした。私が2回目の受験で合格した時はちょうどアテネオリンピックが開催されていましたのでもう10年になります。その時の思い出を書いてみます。
10年前ですが、模試を13回も受けました。内訳はLEC3回、TAC、早稲田セミナー、労務経理ゼミナール各2回、IDE、大原、日本ライセンスセンター、伊藤塾各1回でした。今は早稲田セミナーはTACに吸収され、日本マンパワーと並んで老舗と言われた日本ライセンスセンターは大幅に規模を縮小していますし、伊藤塾はこの年の試験が終わった後撤退しました。私が合格した翌年に北村庄吾先生が「模試マニアは合格しない」と言われていたのですが、13回受けて合格した私がいることを懇親会で知って変な顔をされていたのを覚えています。
試験ですが、当時は午前が選択式、午後が択一式でした。それと昨年から変わったのが試験中途中退出した場合は問題用紙を持ち出せなくなったこと、それと前回までは携帯電話が鳴った場合は1回目が警告、2回目が失格だったのですが、この年から1回で失格になりました。私が受験生のサポーターをしていた時は試験場に携帯電話は持ち込むなと言っていたのですが、毎年失格したという話を聞きます。危険物を持ち込んで自爆した受験生は自業自得だと思うのですが、試験監督は自分も試験を受けて合格したはずで受験生の苦労を知っているはずですから、試験監督になる資格があったとしてもこの時だけは立ち合いたくないです。
選択式の試験は80分で5カ所に穴埋めする問題×8科目なのですが、1科目を除いては易しかったです。その1科目の問題は健康保険法でした。
70 歳以上で一般所得者である被保険者に係るある月の一部負担金は、高額療養費制度がなかったとしたならば、X病院の外来療養分が8,000円、Y病院の外来療養分が32,000円、Z病院の入院療養分が50,000円であった。
この場合、外来療養に係る高額療養費の算定基準額(自己負担限度額)が( A )円で、高額療養費として支給される額が( B )円となる。
これに入院療養分を加えた全体としての高額療養費の算定基準額が( C )円であるので、全体としては、高額療養費の金額が( D )円となる。
ただし、入院をした場合の一部負担金の窓口払いは算定基準額までであり、それを超える一部負担金は高額療養費として現物給付化されるので、Z病院の窓口で払う額は一部負担額から現物給付分を差し引いた額である。
したがって、実際に償還される金額は( E )円となる。
こんな問題で、選択式20個は全て数字でした。それまでの試験では数字がそのまま問われることは無いといっていた受験指導団体が普通でしたので、私を含めて面を食らったと思います。
この問題はAとCの算定基礎額を知らないと解けません。選択式は通常それぞれ3か所以上正解しないと合格しないのですが、平均点が低かったりした時は2点の救済があったりします。この場合はおそらく2点取れればOKだろうと思って、何とかAの算定基礎額を思い出そうとしました。そこで浮かんできたのが8,000円と12,000円。4万円から引くとBの答えが出て来ますから、32,000円と28,000円の中で選択肢にあるものが正解と思って見ると両方ともありました。この場合、8,000円と28,000円を解答すればおそらくどちらかが正解するでしょうが、1点では合格しないと思っていましたので、覚悟を決めて12,000と28,000を解答しました。Cも44,400円というのを入れて後は計算してDとEを解答しました。
この年の選択式はそれ以外の7問は比較的易しかったと思います。
選択式が終わって昼食になりましたが、健康保険法の解答が気になってなかなか食事がのどを通らなかったです。周りを見ると女性の受験者が何人か泣いていてとんでもない試験を受けたなと思いました。近くに勉強会で一緒だった年配の人がいたので、話をするとやはり健康保険法でダメだったとのこと。年の功といいますか、淡々と話されていて持っておられた「キットカット」を差し出され「択一式頑張りましょう」と言われて択一式に切り替えようと思いました。
席に戻ったのですが、やはり健康保険法の解答が気になって仕方が無い。そこで通常は禁止されているのですがテキストを見ることにしました。このまま択一式を受けても力を出せないし、間違っていたら仕方ないという気になりました。見てみると正解は12,000円と44,400円。これが正解なら4点以上は間違いありません。ちなみにこの年は選択式が始まって初めて健康保険法で「1点救済」という2点のみならず1点でもOKという措置が取られました。
この瞬間、「今年の試験はいただき!」という思いになりました。
択一式ですが5択の問題が10問×7科目で70点満点。当時の合格ラインは44〜45点ぐらいで各科目4点以上が必要です。しかし、私は13回の模試で全て50点以上を取り、各科目でも全て5点以上でした。模試の結果からして選択式が合格なら択一式で引っかかることは無いと思っていました。ところがこういった時にどんでん返しがあるわけです。
(続く)
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