今日から8月3日まで京都リサーチパークで「KRP Week 2013」というのが開催されています。様々なセミナー、イベントが開催されます。
今日はそのイベントの一つである環境セミナーへ行ってきました。内容が前の会社で主に担当していたRoHSの環境品質に関する内容でしたので参加しました。
会場は前の会社からは歩いて行ける距離でしたので、この場所はよくセミナーや教育ビデオの借用で行ったことがありました。40人ほどの人が参加していましたが、受付時にチラッと参加者名簿を見たところ、私以外は企業関係者のようでした。なかなか一般の人はこのレベルまで興味があって知りたいという人は少ないと思います。また、今日のセミナーは全くRoHSを知らない人が聞いても理解できなかったと思います。そして、けいはんなプラザと綾部の2会場に同時中継されていました。
前半は島津テクノリサーチの方による「RoHS指令に関する島津テクノリサーチの取り組み」でした。島津テクノリサーチのPRが多かったのですが、ここはISO/IEC17025の認定を受けています。ISO/IEC17025は試験所認定の規格で、試験所等が特定の試験等を実施する能力があることを第三者機関が認定する制度であり、客先によっては要求しているところもありました。ISO/IEC17025を認定を受けておればどこでも一定の能力があるわけです。ところが客先によってはそういう規格をよく知らないところがあってRoHSの対象物質の非含有証明で「SGSレポート」と言うSGSという分析機関で無ければダメという客先もあったことは事実です。
RoHSの対象物質はカドミウム、鉛、水銀、六価クロムと臭素系難燃剤の一種であるPBBとPBDEの合わせて6物質ですが、その分析規格にIEC62321というのがあります。しかし、その分析規格に合わせて分析すれば同じ結果が出るかといえばそうではありません。飼料から分析すべき物質が十分に抽出出来なかったり、含有しているのに非含有と判定してしまったり、その逆があったりすることがあるようです。最後に分析依頼する前に、遠慮なく試験機関に問い合わせてその試験機関の実力を知ることが必要と言われていました。
後半は富士通クオリティ・ラボによる「材料知識の活用によるRoHS分析の効率化」でした。RoHSが出来た背景として、アメリカで鉛の血中鉛濃度と知能指数に相関関係があることがあり、替わりの材料があるならそれを使おう、だから対象は材料単位、どうしても無いなら仕方ない、それは適用除外とするという予防原則に立脚しているとのことでした。
製品によっては、多くの材料を使っていることがあり、どれだけの材料を分析すれば良いか議論になりました。中国が原則すべての材料を分析するという提案があったのですが、日本が「ハイリスク部の重点分析」などの対抗案を提出して日本の案が認められて昨月IEC62321 Part2として規格化されました。
前の会社でも材料としてあったのですが、銅材についてはRoHSの適用除外として鉛が4重量パーセントまでは認められているのですが、JISで定められた銅材の種類によっては鉛含有の規格が3.5%〜4.5%というものがあります。この規格はメーカーがどのくらいの割合の鉛を混ぜるかと言う設定値ですので、同じ品番であっても閾値をオーバーするものとオーバーしないものがあるので注意が必要と言われていました。
また、常識で考えて含有が考えられないのもあると言われていました。分析機関としては分析依頼があれば分析するが、例えば樹脂中の六価クロムについては樹脂の色が無色透明や白色であれば、クロム顔料は着色に使われるので含有はあり得ないと言われていました。確かに私がこの仕事をしていた時でも、客先によっては金属材料に対して難燃剤であるPBBやPBDEの分析データの要求があったことがありました。
最後の質問で、客先が含有があり得ない状況なのに分析データの要求をしてくるが、どうすれば良いかという質問がありました。含有が考えられないものについて理解されていない客先に悩んでいるのはどこも同じだなと感じました。
もう少し改正RoHSのCEマーキングなどを説明してもらえればうれしかったですが、今までは仕事で情報が入っていることがほとんどで、今はこういった情報はなかなか入ることがありませんでしたので、有意義だったと思います。
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