今日は、江坂のグローバルテクノにてISOの勉強会である「江坂ISO研究会」に参加しました。
今回は、案内が遅かったこともあって参加者は少ないかと思っていたのですが、30人強の人が参加していました。
今回は全員の自己紹介の後、2人の方の発表でした。
1人目は「医療機器の品質保証体制」と題してでした。
医療機器に関しては、ISO13485という国際規格が定められていますが、日本の場合、「医療機器製造業者」に対して薬事法第十四条第一項に「医療機器の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。」とあります。
しかし、第十四条の第二項には「次の各号のいずれかに該当するときは、前項の承認は、与えない。」とあって、第4号に「申請に係る医療機器が政令で定めるものであるときは、その物の製造所における製造管理又は品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合していると認められないとき。」とあります。
ここにある「厚生労働省令で定める基準」として、医療機器製造業に対してQMS(Quality Management System)省令があります。
同様に製造業者を管理する「医療機器製造販売業者」にもGQP(Good Quality Practics)省令やGVP(Good Vigilance Practics)省令に合致しない場合は、製造販売業の許可を与えないことが出来ます。
私は医療機器に携わったことが無く、これらの省令も見るのは初めてでしたので、やや難しく感じました。
しかし、QMS省令の中でISO9001を知っている人にとっては面白いものがありました。
ISO9001を知っている人はご存知でしょうが、こういった要求事項があります。
5.6.2 マネジメントレビューへのインプット
マネジメントレビューへのインプットには,次の情報を含めなければならない。
a)監査の結果
b)顧客からのフィードバック
c)プロセスの成果を含む実施状況及び製品の適合性
d)予防処置及び是正処置の状況
e)前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ
f)品質マネジメントシステムに影響を及ぼす可能性のある変更
g)改善のための提案
そして、QMS省令にはこういったものがあります。
(管理監督者照査に係る工程入力情報)
第十九条 製造業者等は、次に掲げる工程入力情報によって管理監督者照査を行わなければならない。
一 内部監査の結果等
二 製品受領者からの意見
三 工程の実施状況及び製品の製品要求事項への適合性
四 是正措置(不適合(この省令に規定する要求事項等に適合しないことをいう。以下同じ。)の再発を防止するために不適合の原因を除去する措置をいう。以下同じ。)及び予防措置(起こり得る不適合の発生を防止するために、その原因を除去する措置をいう。以下同じ。)の状況
五 従前の管理監督者照査の結果を受けて採った措置
六 品質管理監督システムに影響を及ぼすおそれのある変更
七 部門、職員等からの改善のための提案
これ以外の条文でもこういう調子でした。これは、ISO9001を中国がパクったものでもなければ、戦時中の日本のISO9001でもありません。法律は横文字を嫌うのですね。
2人目は「日常生活のSQC(統計的品質管理)的見方・考え方」と題してでした。発表者の息子さんが通われている駅から学校までのバスの所要時間のデータ取りをしてヒストグラムにしてみたり、使用期間2年のMP3のバッテリーの充電後からバッテリー切れまでの時間を記録してバッテリー消耗が起きていないかをワイブル確率紙を使って分析するなど、普通では考えもしない統計的品質管理でした。
私も前の会社で統計的品質管理手法の社内講義をしたりしましたが、なかなか興味は持ってもらえなかったです。こういった事例をうまく使えば少しは興味をもってもらえるのかなと思いました。
後半はワークショップでテーマは「企業におけるISOと事務局の役割」でした。6つのグループに分かれて、課題「企業におけるISOの役割として何を期待するか?」と「管理主任者、事務局が身につけたいスキル」について討議して、それを踏まえて「研究会で取り組みたいテーマ」を挙げることでした。各グループで出た結論は今後の研究会を行う上での資料となります。
最初にも言いましたが、案内が直前でしたので今回が初参加の方はやや少なめだったと思います。この状況で来られた人はISOのスキルが高い人が多く、私はついていくのが大変です。しかし、こういった状況であれば私のスキルはアップすることでしょう。
この研究会ですが、基本的に奇数月に開催され、次回は5月25日の予定です。ISOに関与されている方や興味のある方はぜひとも参加して頂きたいと思います。年会費は1,200円ですが、初参加の方はオブザーバー参加も可能ですのでよろしくお願いします。
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