昨日会社の帰り、書店で「ISO26000:2010 社会的責任に関する手引」という本が売られていたので買いました。
近年、企業の社会的責任=CSRという言葉がよく言われますが、社会的責任は企業(Corporate)に限られないということからSR=社会的責任という観点でISO26000が制定されました。
日本語訳を見ると「〜すべきである。」という表現になっているものが多いです。品質マネジメント規格のISO9001や環境マネジメント規格のISO14001などは「〜しなければならない。」「〜すること。」となっています。ISO26000はISO9001などのように第三者認証を受けるようなものではありません。原文はISO9001などのような「shall」ではなく、ISO9004やISO19011のような指針に使われる「should」が使用されています。しかしISO9004などのように「〜することが望ましい。」ではなく「〜すべきである。」が使われているのは国際労働機関(ILO)の国際労働基準においては「should」を「〜すべきである。」と訳されているためです。
今日、半分ほど読んでみました。ISO26000の構造は第1章から第7章と附属書及び参考文献とで構成されていますが具体的な内容は第6章にあります。第6章には7つの中核主題として
・組織統治
・人権
・労働慣行
・環境
・公正な事業慣行
・消費者課題
・コミュニティへの参画及びコミュニティの発展
が挙げられています。第6章にはこれらが図示されているものがあって「組織」の周りに「組織統治」があって残りの6つがさらにその周りを囲んでいる全体のイメージ図のようなものがありました。
この手引の主語は「組織は」ですが、組織は人間が合わさってなるものですからそれぞれの個人が考えたり順守したりするものであるように感じました。第3章は「社会的責任の理解」、第4章は「社会的責任の原則」という内容です。例えば第3章にこんなことが書かれていました。
慈善活動(ここでは慈善事業への寄付とする。)は、社会にプラスの影響を与えることができる。しかし、組織はこれを、その組織への社会的責任の統合に代わるものとして利用すべきではない。
この内容ですが、私が昔から考えていたことでした。××時間テレビや年末の募金は多くの金が集まりそれにより助かっている人が多くいることは確かですが、募金している人がみんなが募金しているから募金しているとか募金しておけば後は何もしなくても良いと考えているのであれば、単なる責任逃れでは無いかということです。先ほどの文章はまさにこの疑問について答えている内容のように感じました。
この手引は組織に対してでなく、個人の社会的責任に関しても当てはまる内容です。特に第3章と第4章はみなさん読んで頂きたいと感じました。
http://iso26000.jsa.or.jp/contents/
上記ISO/SR国内委員会のHPに「やさしい社会的責任」というものがあります。興味のある人は一度読んでみて下さい。
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