23日のフジサンケイビジネスアイからです。
日本技術士会の部門・部会検討特別委員会(委員長・吉田保氏)は、現行の技術士部門は「現状維持を基本とする」との中間報告をとりまとめた。また、部門の再編成についても「いくつかの提案があったものの、積極的な理由(必要性や動機)は見当たらなかった」としている。
同特別委は、昨年7月の技術士会理事会で設置が決定され、同9月27日の初会合以来、現在合計20の個別技術から構成される技術士の部門構成、技術士第2次試験の選択科目、総合技術監理部門のあり方について検討を重ねてきた。
その結果、部門構成については「現状維持」との意見が多数を占めた。@現状の部門名称が広く定着しており、技術士として活動する場合に、何を専門としているか社会や産業界、顧客からの理解を得やすいA現行の部門名称がなくなると、技術士としての活動に支障をきたしかねない−などが理由だ。
技術士の部門構成はこれまで、ほぼ5年ごとに見直されてきているが、技術専門分野が業際化、複合化、多様化する中で、技術部門があまりにも細分化されると、個々の技術士が活躍する幅を狭めてしまう、といった有力意見もあり、2004年6月の「技術士ビジョン21」の策定以来、技術部門の再編成、集約化が課題になっている。
中間報告はまた、総合技術監理部門については、活用促進の観点から、他の20技術部門との関係(位置づけ)や試験方法・内容を見直す必要性を指摘している。
この後に解説があるのですが、「将来を見据えた技術部門、部門構成のあり方を検討するという、当初の意気込みとは裏腹に、既得権益を守る現実的な判断が優先し、今回の部門見直しは結局、ツケを先送りする形で幕引きとなりそうだ。「技術士」の知名度(社会的認知度)はなお低く、社会から信頼・尊敬され、役に立つ技術士を標榜しながら、所属技術部門の行方や名称の存続自体にこだわらざるを得ない姿が浮かび上がる。」とありました。
まず、考えなくてはいけないのは技術士の社会的認知度が低いということだと思うのですが、この議論を見ていると部門をどうするどうしないといった、技術士から恩恵を受けようとしている人にとっては何の関係も無い議論に終始してしまっている気がします。
例えば、年金の問題などでは新聞等で「社会保険労務士」の肩書きが明記されている人が解説や意見を述べる場合が多いのですが、技術士の場合は、その人が名刺等での自己紹介する上での肩書きにしか使われていないような気がします。そのあたりを認識しないとこれからも不毛の議論に終わってしまいそうな気がします。
ブログランキングに登録しました。下記のクリックをお願いします。
人気blogランキングへ

0