先日「野球難民」という本を買いました。この本については、私も発刊に当たってのアンケートに回答したりしていたので発刊が楽しみでした。この本は昨年オリックスブルーウェーブと近鉄バファローズが合併しましたが、11人のオリックス(阪急)ファンと近鉄ファンのファン人生について書かれているノンフィクションです。
読んでいて、球団合併はすべきでは無かった、合併は失敗だったという思いが一層強くなりました。ブルーウェーブファンと近鉄ファンとは完全に交わることは不可能だと思いました。11人の中でブルーウェーブ(又は阪急)ファンの話は9割以上同感で同調できるのですが、近鉄ファンの話はどうしても人事に考えてしまいました。そういう異なった考えを持っている人同士がある日突然一つの球団で一緒に応援しろといっても無理な話です。本当にその球団のファンであった人ほどその思いは強いと思います。
11人の中で阪急ブレーブスの名物応援団長であった今坂さんの話もありましたが、阪急ブレーブスが好きで阪急電鉄に入社し、ブレーブス身売りの後阪急電鉄を辞め家族とも別れることとなった話には思わず涙ぐんでしまいました。
最後に私も答えたアンケートの結果があったのですが、元ブルーウェーブファンだった人は、主力がほとんどオリックスバファローズに行ったこともあってか過半数がオリックスバファローズの応援ですが、元近鉄ファンは主力が分散してしまったため、オリックス、楽天、元近鉄選手を個人的に応援というのが割れています。正に「野球難民」になってしまったわけです。
アンケートの中で近鉄はライブドアに売却すべきだったかという質問があったのですが、売却すべきであったという意見が元近鉄ファンで6割以上、元ブレーブスファンでもほぼ半数を占めています。阪急からオリックスに身売りしたときは寂しかったですが、それでも選手はそのまま残る身売りは球団合併よりはましではなかったかと思います。
昨年は福岡ダイエーホークスがソフトバンクに身売りされましたが、それによってファンが減少するということはありませんでした。
今、球界は球団株保有の問題等で揺れていますが、ファン不在の議論がされているように思います。気になるのは新規参入にしてもさらに規制を強化する方向に球界が進んでしまっているように感じることです。プロ球団の親会社はマスコミと電鉄といった今まで許認可と規制によって生きてきた企業が多いことは不幸なことだと思います。

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