2019/2/5 | 投稿者: 事務局
スタッフの中村です。
2007年頃に有栖川有栖先生にインタビューした時のテキストを掲載致します。
もちろん先生自身のお考えも、この12年でアップデートされていると思います。
ですが、創作塾に来る方にはぜひ読んで欲しいと思っています。
僕は作業の傍ら、授業を見ておりますが、作者や作品に対する先生の一言一言には、この当時おっしゃっていた事が核として今も残っています。
書き続けること、書き上げること。
よく聞く先生の言葉です。
それが何を意味するかは、創作塾に通われている方はお分かりでしょうし、これから来る方にも伝えたいなぁという思いです。
先生はお忙しいですが、時間を見つけて今度は「創作塾、10数年を振り返って」というテーマでインタビューしてみたいですね。

2007年某日某所
私自身、自分が講師になって小説を教えるなんて、まずないだろうと思ってました。
まだ、自分が人に教えるほどのものでもない、という気持ちもあるんですが…。
それでも、私も作家になって19年になりますから新人ではないですよね。という事は、少なくとも私には「経験」があります。小説というジャンルゆえに、教えられる部分と教えられない部分は確実に存在しますが、私の経験からアドバイスできる事は必ずあるはずだ、と思います。
難しいのは「昨日、作家になろうと思った人」と「何年も前から小説家を目指して書いている人」など、様々な人が来るという事です。
だからと言って、前に出てごく基本的な事をしゃべるだけでは、わざわざ創作塾に足を運ぶ意味はありません。
本屋によく置いてある「小説家に必要なのは?」といった類の本を一冊読めば、事足りるのですから。
場合によっては、そちらの方が情報量が多かったりするかもしれません。
ではどうするか?
課題を出し、その人の作品を本人を交えて添削する事。
そしてその結果を全員で共有する事、です。
それでこそ、足を運ぶ意味もあるし、何より楽しくやれるでしょう?
創作活動に苦しみは付きものですが、少なくとも「自分は前進している」という自覚が、それを乗り越える力になると思います。
授業内容をガッチリ決めて進めるのではなく、来た作品によって対応する。その方が役に立つと思いますし、話す内容も広がっていくと思います。
小説ですから、教えられる部分と教えられない部分があります。
取っ掛かりは、やはり「技術的な」事でしょう。これは直せば解決します。私の書いたものも、もちろん編集者に直されるわけです。
しかし、そこで「この考え方はおかしい」という直し方はありません。
それは描く作家の世界なのですから、そこまで変えさせるのはナンセンスだと思います。
ただ、「この表現ではわかりにくい」とか「ここは曖昧ではないか」といった、客観的な指摘はあります。間単に言うと、せっかくの作家の世界が充分に伝わりきっていないという事です。
明らかにこうである。そう言えるのは技術的なことになります。
しかし、こう描きたいという「作家の魂」とは別か? と言われれば、これがそうでもないのです。
「あれを書きたい!」「ならば、こういう書き方が適している」というものがあるんです。
それを伝える、というのが『創作塾』のスタンスになるでしょうか。
言うなればアドバイスに近いのかもしれません。
それをどのように利用するのか? それはそれぞれが選択すべき問題ではあります。
そこを強制すると、せっかくの作家性がなくなってしまう事になりますから。
私自身、ここでは「塾長」となっていますが、「講師」だとは思っていないんですよ。
同時に「生徒」という目で皆さんを見てもいません。
過去の自分、小説を書き始めた頃の自分を見ているような感じですね。
なので、一人の小説家として接しようという気持ちがあります。
前にも言いましたが、私には経験があるわけですから、言うなれば「先輩と後輩」みたいな関係ですね。この辺のこと詳しいから、案内してあげる、という感じです。
自分ではなかなか気付かないけれど、人から言われて気付くことってたくさんあるでしょう。そのまま一人でやっていても気付くかもしれませんが、同じ気付くなら早い方がいい。それに教えてもらえるんなら、そっちの方が得です。
塾生さんたちも、その方がいんじゃないかな? と思います。秘伝とか教えるワケじゃないですしね。そんなのがあるんなら、私が知りたいですよ。(笑)
どんどん私を利用してほしいと思います。
みんなも「自分の知らない事を知っているんだろう」という期待を持って来るのでしょうから、こちらが伝えられるものは、全部伝えようと思います。
作家が自分のスキルや経験を他人に教えるという事は、ライバルを増やすことになるわけだから、普通はあまりないのかもしれません。
私は、教えたところで減るモンじゃないし、なんて思っていますけどね。
一番凄い才能を持っている人がプロになるわけではありません。
やった人がプロになるんです。
やり続けた人が、認められるんです。
どんなに凄い才能でも、表に出さなければ無いのと一緒です。
小説で言うのなら、小説を上手く書ける人がプロになるんじゃないんです。
書き続ける人が、なるんです。
どんなに凄い文才を持っていても、書かなければ論外です。むしろ書かなければ自分の文才にも気付けないままです。
書かない天才よりも努力して書く凡人ですから。
準備ができていないとか、もう少し時期を見てからとか、そういう事を言うくらいなら、今すぐ書きましょう。紙とペンがあるなら、書けます。
ところで、「小説家になる」のと「プロになる」のとは、また違います。
小説家だと名乗れるようになるには…、これも同じです。書き続ける事です。
自分を信じて、突き進んで下さい。
有栖川有栖 創作塾 第37期の塾生を募集しております。
3ヶ月の短い講座ですが、内容はとても濃い3ヶ月になります。
締め切りは3月7日迄となります。
創作塾 第37期講義日程
3月11日月曜日
3月25日月曜日
4月8日月曜日
4月22日月曜日
5月13日月曜日
5月27日月曜日
詳しくはホームページをご確認頂き、ご不明な点がありましたらメールにてお問い合わせください。
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2007年頃に有栖川有栖先生にインタビューした時のテキストを掲載致します。
もちろん先生自身のお考えも、この12年でアップデートされていると思います。
ですが、創作塾に来る方にはぜひ読んで欲しいと思っています。
僕は作業の傍ら、授業を見ておりますが、作者や作品に対する先生の一言一言には、この当時おっしゃっていた事が核として今も残っています。
書き続けること、書き上げること。
よく聞く先生の言葉です。
それが何を意味するかは、創作塾に通われている方はお分かりでしょうし、これから来る方にも伝えたいなぁという思いです。
先生はお忙しいですが、時間を見つけて今度は「創作塾、10数年を振り返って」というテーマでインタビューしてみたいですね。

2007年某日某所
私自身、自分が講師になって小説を教えるなんて、まずないだろうと思ってました。
まだ、自分が人に教えるほどのものでもない、という気持ちもあるんですが…。
それでも、私も作家になって19年になりますから新人ではないですよね。という事は、少なくとも私には「経験」があります。小説というジャンルゆえに、教えられる部分と教えられない部分は確実に存在しますが、私の経験からアドバイスできる事は必ずあるはずだ、と思います。
難しいのは「昨日、作家になろうと思った人」と「何年も前から小説家を目指して書いている人」など、様々な人が来るという事です。
だからと言って、前に出てごく基本的な事をしゃべるだけでは、わざわざ創作塾に足を運ぶ意味はありません。
本屋によく置いてある「小説家に必要なのは?」といった類の本を一冊読めば、事足りるのですから。
場合によっては、そちらの方が情報量が多かったりするかもしれません。
ではどうするか?
課題を出し、その人の作品を本人を交えて添削する事。
そしてその結果を全員で共有する事、です。
それでこそ、足を運ぶ意味もあるし、何より楽しくやれるでしょう?
創作活動に苦しみは付きものですが、少なくとも「自分は前進している」という自覚が、それを乗り越える力になると思います。
授業内容をガッチリ決めて進めるのではなく、来た作品によって対応する。その方が役に立つと思いますし、話す内容も広がっていくと思います。
小説ですから、教えられる部分と教えられない部分があります。
取っ掛かりは、やはり「技術的な」事でしょう。これは直せば解決します。私の書いたものも、もちろん編集者に直されるわけです。
しかし、そこで「この考え方はおかしい」という直し方はありません。
それは描く作家の世界なのですから、そこまで変えさせるのはナンセンスだと思います。
ただ、「この表現ではわかりにくい」とか「ここは曖昧ではないか」といった、客観的な指摘はあります。間単に言うと、せっかくの作家の世界が充分に伝わりきっていないという事です。
明らかにこうである。そう言えるのは技術的なことになります。
しかし、こう描きたいという「作家の魂」とは別か? と言われれば、これがそうでもないのです。
「あれを書きたい!」「ならば、こういう書き方が適している」というものがあるんです。
それを伝える、というのが『創作塾』のスタンスになるでしょうか。
言うなればアドバイスに近いのかもしれません。
それをどのように利用するのか? それはそれぞれが選択すべき問題ではあります。
そこを強制すると、せっかくの作家性がなくなってしまう事になりますから。
私自身、ここでは「塾長」となっていますが、「講師」だとは思っていないんですよ。
同時に「生徒」という目で皆さんを見てもいません。
過去の自分、小説を書き始めた頃の自分を見ているような感じですね。
なので、一人の小説家として接しようという気持ちがあります。
前にも言いましたが、私には経験があるわけですから、言うなれば「先輩と後輩」みたいな関係ですね。この辺のこと詳しいから、案内してあげる、という感じです。
自分ではなかなか気付かないけれど、人から言われて気付くことってたくさんあるでしょう。そのまま一人でやっていても気付くかもしれませんが、同じ気付くなら早い方がいい。それに教えてもらえるんなら、そっちの方が得です。
塾生さんたちも、その方がいんじゃないかな? と思います。秘伝とか教えるワケじゃないですしね。そんなのがあるんなら、私が知りたいですよ。(笑)
どんどん私を利用してほしいと思います。
みんなも「自分の知らない事を知っているんだろう」という期待を持って来るのでしょうから、こちらが伝えられるものは、全部伝えようと思います。
作家が自分のスキルや経験を他人に教えるという事は、ライバルを増やすことになるわけだから、普通はあまりないのかもしれません。
私は、教えたところで減るモンじゃないし、なんて思っていますけどね。
一番凄い才能を持っている人がプロになるわけではありません。
やった人がプロになるんです。
やり続けた人が、認められるんです。
どんなに凄い才能でも、表に出さなければ無いのと一緒です。
小説で言うのなら、小説を上手く書ける人がプロになるんじゃないんです。
書き続ける人が、なるんです。
どんなに凄い文才を持っていても、書かなければ論外です。むしろ書かなければ自分の文才にも気付けないままです。
書かない天才よりも努力して書く凡人ですから。
準備ができていないとか、もう少し時期を見てからとか、そういう事を言うくらいなら、今すぐ書きましょう。紙とペンがあるなら、書けます。
ところで、「小説家になる」のと「プロになる」のとは、また違います。
小説家だと名乗れるようになるには…、これも同じです。書き続ける事です。
自分を信じて、突き進んで下さい。
有栖川有栖 創作塾 第37期の塾生を募集しております。
3ヶ月の短い講座ですが、内容はとても濃い3ヶ月になります。
締め切りは3月7日迄となります。
創作塾 第37期講義日程
3月11日月曜日
3月25日月曜日
4月8日月曜日
4月22日月曜日
5月13日月曜日
5月27日月曜日
詳しくはホームページをご確認頂き、ご不明な点がありましたらメールにてお問い合わせください。

2019/2/1 | 投稿者: 事務局
有栖川有栖 創作塾 第37期の塾生を募集しております。
3ヶ月の短い講座ですが、内容はとても濃い3ヶ月になります。
締め切りは3月7日迄となります。
創作塾 第37期講義日程
3月11日月曜日
3月25日月曜日
4月8日月曜日
4月22日月曜日
5月13日月曜日
5月27日月曜日
詳しくはホームページをご確認頂き、ご不明な点がありましたらメールにてお問い合わせください。
昨年2018年は3名の方がデビューされました!

写真は有栖川有栖先生、犬塚理人さん、高代亜樹さんです。
犬塚理人さんは、「人間狩り」(2018年10月12日)
高代亜樹さんは「勾玉の巫女と乱世の覇王」(2018年3月13日)
にてそれぞれデビューされました!
また写真には写ってませんが、「鵜林伸也」さんもネクスト・ギグ(2018年10月31日)でデビューしました。
2019年も多くの方がデビューすることを願っておりますので、ぜひ創作塾にご参加頂き、良き作品を世に発表してください!
よろしくお願い致します。
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3ヶ月の短い講座ですが、内容はとても濃い3ヶ月になります。
締め切りは3月7日迄となります。
創作塾 第37期講義日程
3月11日月曜日
3月25日月曜日
4月8日月曜日
4月22日月曜日
5月13日月曜日
5月27日月曜日
詳しくはホームページをご確認頂き、ご不明な点がありましたらメールにてお問い合わせください。
昨年2018年は3名の方がデビューされました!

写真は有栖川有栖先生、犬塚理人さん、高代亜樹さんです。
犬塚理人さんは、「人間狩り」(2018年10月12日)
高代亜樹さんは「勾玉の巫女と乱世の覇王」(2018年3月13日)
にてそれぞれデビューされました!
また写真には写ってませんが、「鵜林伸也」さんもネクスト・ギグ(2018年10月31日)でデビューしました。
2019年も多くの方がデビューすることを願っておりますので、ぜひ創作塾にご参加頂き、良き作品を世に発表してください!
よろしくお願い致します。
