2008/7/29

特集展示「丸木俊 ロシアの絵画」  企画展

明日から文京シビックセンターで「第4回原爆の図文京展」がはじまります。
今日は午前中から原爆の図第5部《少年少女》、第7部《竹やぶ》、第8部《救出》の梱包搬出作業を行いました。
すっぽりと空いた2階の展示スペースに、今年は「特集展示」と題して、若き日の俊がロシアを題材にして描いた作品を期間限定で紹介することにしました。

俊は1937年4月から1年間、1941年1月から半年間の2度にわたり、外交官の家庭教師としてモスクワに滞在しました。「毎日1時間の自由時間に絵を描いた」という回想の通り、スケッチや油彩画を数多く残しています。
その集大成と言うべき大作が、今回、丸木美術館初展示となる《モスクワの四季》〔1944-62年、油彩・カンヴァス〕です。

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1944年4月の第5回美術文化協会展に《解氷期》の題で出品。その後加筆し、《クレムリン》の題で1962年の兜屋画廊個展に出品したこともありますが、長く俊の弟・赤松淳氏に所蔵され、このたび、修復を終えて特別公開されることになりました。
画面上では、モスクワの街を特徴づける高い塔の風景が目を惹きます。しかし、細部をよく見ると、宿舎近くの街路やバレエ劇場、避暑地の野外ホールなど、俊自身の思い出の場所もたくさん描きこまれています。
さまざまな異なる空間を、ひとつの画面上にコラージュするという表現方法は、この時代の作品としては野田英夫や松本竣介を思い起こさせますが、全体に透明感のある両者の洗練された作品に比べ、俊はどこか大地の匂いがするような、力強い作品を描いています。ほぼ同時期に、ヤップ島を主題にしたコラージュの大作(《ヤップの島の物語》、1943年第30回二科展出品)を描いているのも興味深いところです。

8月9日までという限られた期間の展示ですが、《モスクワの四季》のほかにも、油彩画のモスクワ風景や、水彩画の人物像など、俊のモスクワでの生活ぶりが生き生きと伝わる作品を計7点紹介していますので、ぜひお楽しみ下さい。
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