2017/1/19

【ミュンヘン出張A】ダッハウ強制収容所  調査・旅行・出張

ミュンヘン出張2日目は、都市圏鉄道Sバーンに乗って、近郊の町ダッハウ(Dachau)へ。

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この町には、ナチスによって最初期に建てられ、後に多くの強制収容所のモデルとなったダッハウ強制収容所(KZ-Gedenkstätte Dachau)があるのです。

ダッハウ駅からバスで約10分、強制収容所前の停留所で下車します。
入場は無料。インフォメーションセンターの横を通って、林の中の小路をしばらく歩いて行くと、収容所の入口の建物が見えてきました。

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屋根の上には見張り塔が見えます。
鉄扉には「ARBERT MACHT FREI」(働けば自由になる)の文字がデザインされています。

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門をくぐると、雪が積もっているせいか、敷地の中はとても広く感じました。

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写真では見えにくいかもしれませんが、記念碑の文字のところに、一輪の花が捧げられていました。

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現存する管理棟の前には、1997年につくられたモニュメントが建っています。
有刺鉄線と苦悶する人間の姿がモチーフになっています。

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管理棟の内部はミュージアムになっており、多数の資料で収容所の歴史を伝えています。
記録映像を観るシアターもあり、英語版とドイツ語版が交互に上映されていました。

展示によれば、もともとは第1次世界大戦時の火薬工場として使われていた廃工場を、親衛隊(SS)の兵営にするつもりでナチスが購入したそうです。
しかし1933年3月、バイエルン州警察長官ハインリヒ・ヒムラーが、強制収容所の設置を発表。
当初はナチスの台頭に反対する政治犯や宗教家、前科者、ホモセクシュアル、ホームレスなどを収容するための施設でした。

ユダヤ人の収容が本格化するのは、「水晶の夜」事件や第2次世界大戦がはじまった後のこと。
ダッハウはアウシュビッツのような「絶滅収容所」ではなく、「労働収容所」でしたが、劣悪な生活環境、過酷な労働、さらに拷問や人体実験によって命を落とす人も多かったようです。

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管理棟の裏には、政治犯のための牢獄もありました。
細長い建物の中央を貫く一本道の廊下の両脇には、小部屋がならびます。
窓のほかには何もなく、息がつまりそうな小さな部屋です。

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外に出て、収容者棟に向かいました。
本来、収容者棟は左右に18棟ずつ並べられていましたが、戦後に取り壊され、今は2棟だけが復元されています。
真ん中の道は美しいポプラ並木。70年ほど前に囚人たちが植えたものです。

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建物の内部には3段ベッドがありました。
1棟に250人が収容可能だったとのことですが、ナチスの敗戦が近づくと、前線近くの収容所の囚人が次々とダッハウに移送され、多いときには1,600人があふれかえっていたそうです。
単純計算で、ひとつのベッドを6人以上が使用するという状態です。
水や食糧は不足し、チフスが蔓延しました。

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結果的にダッハウ強制収容所には30以上の国々から20万人が送り込まれ、ユダヤ人はそのうちの3分の1弱の数だったそうです。
そして3万2,000人以上が収容所内で死亡、他に約1万人が疾病、栄養失調、自殺などで亡くなったそうです。

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この日のミュンヘンの最高気温は-2度。最低気温は-14度。
外を歩いているだけで、とにかく寒く、体が芯から冷えていきます。
風は冷たく、粉雪も時おり舞っていました。
室内の展示施設には暖房がありましたが、かつての収容所の寒さは耐え難いものだったでしょう。
寒さに弱い私は、それだけでもう気持ちが沈みます。

収容所の外れの小川の向こうには、小さな死体焼却施設もありました。
それも最後の頃には、あまりの死者の多さに焼却も間に合わなかったのでしょう。
1945年4月、連合国軍が収容所を解放したときには、火葬場の近くにうずたかく死体が積まれ、貨車の中にもそれぞれ100体以上の死体が詰め込まれているのを発見したそうです。

その直後には、米軍によって収容所職員や戦争捕虜が虐殺されたとのことで、つくづく人間の罪の深さを思い知らされる場所でした。
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