2016/10/5

【広島出張最終日】常盤橋/大田洋子被爆の地/四國五郎展  調査・旅行・出張

広島出張最終日は、台風を心配していましたが、朝から雨は降らず、時おり雲の合間から青い空も見えました。
そこで朝一番に、四國五郎が「弟の墓標」と呼んだ、弟の直登が被爆後の一夜を過ごした常盤橋を訪れました。

四國五郎著『広島百橋』にも常盤橋のスケッチは収められていますが、他にもいくつもスケッチを残していたようです。それだけ思い入れのある橋だったのでしょう。
直登が一夜を過ごした橋はすでに架け替えられ、四國が描いた風景も現在では大きく変わっていますが、スケッチをした場所を探すことで、今さらながら、二人の兄弟に少しだけ近づいた気がしました。

今回描かれた場所を探したのは、以下の4点です。
まずは、《饒津神社国鉄ガード》(1973年1月21日)。
四國がスケッチをした頃に比べると、大幅に道路が拡張されたようです。

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続いて《常盤橋》(1982年2月27日)。
このスケッチは橋の上で描かれています。

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さらに《山陽新幹線の走る常盤橋付近》(制作年不詳)。
画面右側の手前、旧常盤橋はすでにありません。本当はもっと後方の高い位置から描いているのですが、現在は樹が生い茂り、この位置からでないと川や橋は見えません。

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最後に《常盤橋工事中》(1973年4月1日)。
架橋工事を見上げるように、川岸から描いたのでしょう。現在、ほぼ同じ位置に立つと、新常盤橋に隠れて、後ろの風景はほとんど見えなくなります。

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ちょうど新幹線が開通し、橋が新しく架け替えられる時期に、四國は変わりゆく風景を描き残そうとしたのだということが、スケッチの場所を探しながらよくわかりました。

常盤橋の近くの公園に、国鉄原爆死没者慰霊碑があることも、初めて知りました。

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常盤橋を渡ると、白島通りにぶつかります。
広電白島線の被爆の様子は、大道あやが絵本に描き、後から「生きながら死んでいった人は描けん」と憤り、塗り潰してしまったのですが、そのことを思い出しつつ北へ向かうと、原民喜の墓のある円光寺。
さらに鉄道ガードをくぐって北に行くと、「大田洋子被爆の地」の碑がある宝勝院にたどり着きます。

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ここまで歩いたところで「四國五郎追悼・回顧展」が行われる県民文化センターへ駆けつけ、午前中いっぱい、展示作業の手伝いを行いました。

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今回は、「弟の被爆死」に焦点を当てた展示。手づくりの温かさが会場にあふれる様子は、昨年の旧日本銀行広島支店の展覧会を思い出します。

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会場の入口には、四國五郎がデザインした平和記念公園の「峠三吉詩碑」の実物大模型が展示されました。

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1950年10月の五流荘の「原爆の図展」も紹介されており、丸木美術館から《原爆の図》パネルを貸し出しています。
新たに掘り起こされた資料として、1951年の五流荘増築工事設計図も展示されました。

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すでに「原爆の図展」が開催された後のことですが、小さな建物が増築されていたのです。
ちなみに五流荘は1947年頃、茶華道の発展を意図した建築主・梶尾健一によって建てられた建物群の総称。今回掘り起こされた設計図にも梶尾の名が記されていました。
当初は茶室や住まいが建てられましたが、やがて大きな集会場や客間が増築されました。
本来はそれらの集合が五流荘なのですが、一般には棟高5.5m、広さ40坪の三角屋根の大きな集会場を五流荘と読んでいたとのこと。
のちに小島辰一が居住し「広島爆心地文化研究所」と名付けて、平和運動などに開放的に使われたようです。

今回の広島出張はここまで。
何とか無事に飛行機も飛んでいたので、東京に帰りました。
お世話になった皆さまに、心から感謝。
また広島で多くの方と知り合うことができて、本当に嬉しいです。
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